写真は昆明市内の葬儀用品屋前にて。昆明の男の子も、いがぐり頭が一般的。真夏だというのに子供は重ね着させられることが多い。気温は高いが湿度が低いので子供は耐えられるようだ。一方、親は薄着のことが多い。
【私立の幼稚園】
昆明には公立の幼稚園と、営利を目的とする私立の幼稚園がある。公立だと値段は安いが(98元以上=約1600円。昆明では女性の単純労働が月400元からなので低所得者世帯にはきつい)、質が落ちると思われている。一方、私立の方は、送迎バスを運行したり、英語教育を徹底して行ったり、スポーツを重視したり、算数などの英才教育をしたり(主にそろばん)と、様々な特徴を持たせ、経営努力に励んでいた。そうしないと、過当競争で生徒をとられる、という厳しい事情があるようだ。
募集は中国の年度末の8月中下旬に集中する。その頃になると地元の新聞では、私立の幼稚園の広告が目立ちはじめ「幼稚園の選び方、私の場合」といった特集まで組まれる。親たちは一粒種のわが子によりよい教育を受けさせたいと少ない情報量のなかで右往左往し、2週間以内に決断する。最初は公立で、と構えていた親も、幼稚園協奏曲の熱にあおられ、いつの間にか私立の幼稚園に入園手続きに行っていた、ということも少なくないらしい。とはいえ日本での経験では、少なくとも私が住む東京では、人気の幼稚園に入るためには親が一年前から情報収集に動き出し、入園の半年以上前に募集が締め切られるところもある過酷な前倒しスケジュールなので、それに比べれば、ずっとのんびりした幼稚園選びではあった。
しかし、日本は就職活動にしてもなんにしても、なんでも前倒しになっていくが、国民性の一言で片付けてしまっていいのだろうか。クリスマス商戦も年々、早まっているようだし。
【低所得者層には高嶺の花】
さて価格は、月400元前後から(約6000円前後)だった。
このように幼稚園の費用は低所得者世帯にとっては高額なので、その子供が幼稚園に通うことは、まずない。だから彼らは路地裏で、親が仕事から帰ってくるまで誰の監督も受けることなく、遊び続けていた。じつはそれが大変な問題となっていて、恐ろしいことに、誘拐の標的となってしまうのだ。しかも不名誉なことに昆明は全国一、子供の誘拐事件の多い町となっていた。そういう子供は警察が、誘拐団から救出しても、日中は親がいないので、すぐまた誘拐される。親も困っているが、警察も頭をかかえていた。
そこで市は、なんとか誘拐事件を減らそうと、「親同士で子供を見合うネットワークを作りましょう」と呼びかけたり、安価な託児所をそういう地域に設けたりし始めたが、それでも月98元では、難しいと入れる親は多くはないとのことだった。この誘拐事件については、また別の章で述べたい。
我が家では5歳の娘を地元の私立の幼稚園に入れた。学年途中の4月に編入したため、私立しか受け入れてもらえなかったのだ。
昆明では8月を除くと、幼稚園の情報が皆無となる。だから昆明で我が家の世話をしてくれた引受先のつてがなければ、とても4月からは入れなかっただろう。引受先のTさんらに感謝しつつ、その様子をリポートしよう。
【私立の幼稚園】
昆明には公立の幼稚園と、営利を目的とする私立の幼稚園がある。公立だと値段は安いが(98元以上=約1600円。昆明では女性の単純労働が月400元からなので低所得者世帯にはきつい)、質が落ちると思われている。一方、私立の方は、送迎バスを運行したり、英語教育を徹底して行ったり、スポーツを重視したり、算数などの英才教育をしたり(主にそろばん)と、様々な特徴を持たせ、経営努力に励んでいた。そうしないと、過当競争で生徒をとられる、という厳しい事情があるようだ。
募集は中国の年度末の8月中下旬に集中する。その頃になると地元の新聞では、私立の幼稚園の広告が目立ちはじめ「幼稚園の選び方、私の場合」といった特集まで組まれる。親たちは一粒種のわが子によりよい教育を受けさせたいと少ない情報量のなかで右往左往し、2週間以内に決断する。最初は公立で、と構えていた親も、幼稚園協奏曲の熱にあおられ、いつの間にか私立の幼稚園に入園手続きに行っていた、ということも少なくないらしい。とはいえ日本での経験では、少なくとも私が住む東京では、人気の幼稚園に入るためには親が一年前から情報収集に動き出し、入園の半年以上前に募集が締め切られるところもある過酷な前倒しスケジュールなので、それに比べれば、ずっとのんびりした幼稚園選びではあった。
しかし、日本は就職活動にしてもなんにしても、なんでも前倒しになっていくが、国民性の一言で片付けてしまっていいのだろうか。クリスマス商戦も年々、早まっているようだし。
【低所得者層には高嶺の花】
さて価格は、月400元前後から(約6000円前後)だった。
このように幼稚園の費用は低所得者世帯にとっては高額なので、その子供が幼稚園に通うことは、まずない。だから彼らは路地裏で、親が仕事から帰ってくるまで誰の監督も受けることなく、遊び続けていた。じつはそれが大変な問題となっていて、恐ろしいことに、誘拐の標的となってしまうのだ。しかも不名誉なことに昆明は全国一、子供の誘拐事件の多い町となっていた。そういう子供は警察が、誘拐団から救出しても、日中は親がいないので、すぐまた誘拐される。親も困っているが、警察も頭をかかえていた。
そこで市は、なんとか誘拐事件を減らそうと、「親同士で子供を見合うネットワークを作りましょう」と呼びかけたり、安価な託児所をそういう地域に設けたりし始めたが、それでも月98元では、難しいと入れる親は多くはないとのことだった。この誘拐事件については、また別の章で述べたい。
我が家では5歳の娘を地元の私立の幼稚園に入れた。学年途中の4月に編入したため、私立しか受け入れてもらえなかったのだ。
昆明では8月を除くと、幼稚園の情報が皆無となる。だから昆明で我が家の世話をしてくれた引受先のつてがなければ、とても4月からは入れなかっただろう。引受先のTさんらに感謝しつつ、その様子をリポートしよう。