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メラミン入り牛乳

2008-09-21 17:33:20 | Weblog
写真は昆明市内のミルクスタンド。街角で冷蔵設備を備えたミルクスタンドは雲南では「雪蘭」だけ。

2007年8月10日「偽装食品の見分け方5」と2007年8月24日「おいしい乳製品2」でこのブログでも乳製品を取り上げていましたので、今回の三鹿集団、蒙牛、伊利、光明から検出された「粉ミルクと牛乳(いまのところ)へのメラミン混入問題」も考えてみたいと思います。

【雲南製品は安全宣言】
 わが家で毎朝、飲んでいた牛乳。たいていは昆明で作られる生乳の「雪蘭牛乳」でした。昆明では一番人気の牛乳です。大手スーパーマーケットでは、たいてい夕方までには売り切れてしまうので、手に入らないこともしばしば。

価格もだいたい1リットル5.8元で安定していて特売価格になることはありません。冷蔵設備のあるところにしかなく、賞味期限も3日と短い設定です。見た目は白く、味は日本の160円台の安めの牛乳と同じ、さらりとしたのどごしの、ごく普通の味でした。

 一方、多くの売り子を使って、スーパーの特売になるのが「蒙牛」「伊利」でした。製品はロングライフ牛乳です。常温で保存でき、賞味期限も5~6ヶ月と長めの設定なので、冷蔵設備のない雑貨屋でもよく置かれていました。

やや黄みがかった色で、粉ミルクのような甘みがありました。甘みは「蒙牛」のほうがより顕著だったのを覚えています。気軽に買えるので旅先でよく買っていました。価格は1リットル入り2本が9元台となることもありました。破格です。

伊利のアイスキャンディーもよく買っていました。他のアイスよりもは(製品的には)ましだろうと思ったからです。もともと伊利の本業はアイスクリームの製造会社です。日本製品からも「伊利」の乳製品を使っていたとして回収した会社がありましたし、香港で売られていた伊利のアイスキャンディーからもメラミンが検出されたそうです。参っちゃいます。

 「雪蘭」で印象的だったのが、とある大手スーパーでのこと。商品が品薄になったなと思うが早いか、真っ先に店頭から消えたのが「雪蘭」でした。その一ヶ月後、そのスーパーは不渡りを出して倒産。回収不能となった卸しの会社の困り切った様子が報道されていました。「雪蘭」は、この事態を見込んでいたかのようでした。 
 ちなみに先月泊まった昆明の最高級ホテル「翠湖賓館」ではヨーグルトも牛乳も「雪蘭」でした。

 このように日常的に飲んでいたので、この事件はひとごとではありません。幸い、雲南省工商局の9月19日の検査では雲南製の牛乳「雪蘭」「欧亜」「前進」いずれからも問題物質の検出はなく、安全と認可されました。
(雲南新聞網、2008/9/20付けhttp://www.yn.chinanews.com.cn/html/shehui/20080920/69754_2.html)

これを機に、省内の牛乳会社は、大々的な販促活動を始めるとのことです。

【宇宙で、オリンピックで】
ちなみにコマーシャル競争でも「伊利」と「蒙牛」は抜きんでていました。

  2003年10月、中国が有人宇宙船の打ち上げに成功し、中国のメディアが大いに沸いた頃。「蒙牛」がお金を積んで宇宙飛行士専用ドリンクの指定を取り付けていたところから、当の飛行士が牛乳を飲んで、「蒙牛飲んで、宇宙へ行こう」というコピーが流れるCMをゴールデンタイムに何度となく目にしました。見るたびに、その宇宙飛行士へのあまりに軽い扱いに、のけぞっていました。

(そもそも、飛行士が地球のまわりを14周して内蒙古の草原に着陸した際、草原の中を宇宙関係者より先にマスコミ陣が駆けていって、宇宙カプセルの周囲にカメラを構え、カプセルからヨタヨタとでてきた飛行士を助け起こしながら、「いかがでしたか?」とインタビューする様子に目を丸くしていました。
NASAの飛行士だって、宇宙から帰ってくると、まず身体を検査して、それから公式インタビューに応じるなど特別な措置をとりますよね。)

一方、「伊利」は乳製品会社で唯一、北京オリンピック公式スポンサーの地位を獲得。当然、絶大なコマーシャルと信用を勝ち得ていたのです。じつに戦略に長けています。
(つづく)
コメント
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