雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

かぼちゃの花炒め

2015-08-16 10:47:11 | Weblog
【雲南の日常食 かぼちゃ】
 中国の都市部以外の料理店では、メニューの紙というものはあまり見かけません。それよりも厨房脇のきれいに並べられた野菜棚を前にこれとこれを使って、豚肉で炒めて、などと細かく指示を出して料理を作ってもらう、という方式が普通です。

そういう場所で、行った先に暮らす知り合いにメニューを指示してもらい、出てくる料理で雲南中部より以南で多いのが、カボチャ料理です。

 日本のスーパーで売られている栗カボチャのようなポクポクタイプではなく、日本に昔からある、繊維がふわっとした水気の多い、黄色の淡いタイプのカボチャです。

 黄色いカボチャの塩や醤油にちょっとあまみをつけた煮物や、あんかけ、ケーキのようにドーム型にどかっとでる宴会風の飾り付けの蒸し物。さらに雲南で一般的なのがカボチャの葉や茎のスープ、さらに黄色い花をスープに入れたり炒めたりしたものです。

 スープはチキン風味(必ずしも肉が入っているわけではない)に薄く塩味がついたもの、ここに花が入っていると、少し苦みがあったり、なかったりします。

 花炒めには苦みはなく、華やかな見かけだけでも心躍ります。味は、あまり印象にはありません。
 苦みはカボチャの花の花粉が原因なので、それを丁寧にとるか、そのまま下ごしらえなく使ってしまうかで、味が分かれてしまうのです。
 ただ、花粉には疲労を消し去る、活力を与える、という効能があるそうです。
(『民間常用草薬滙編』成都市衛生局編、四川人民出版社、1959年初版、1965年修訂)

 さて、雲南料理としてカボチャの花のレシピが書かれたものがあるかな、と本やネットで調べたのですが、とくに見当たりませんでした。

 ただ、中国のサイトでカボチャの花の料理がいくつか書き込まれており、見ると「(雲南の)大理で食べた」ものなど、雲南で食べたものを雲南出身者以外の方がおもしろがって、クックパッドなどに投稿していました。

雲南の人にとってはカボチャの花は、あって当たり前の空気のような存在なのでしょう。

 また、世界的に見てみると、カボチャの花を天ぷらにしたり、チーズなどを詰めて焼いたりと豊富なレシピを持つのがイタリア。さすが食の都。あとは南米のメキシコではスープに入れる、といった書き込みがありました。

この2都市、および雲南のみでカボチャの花料理がさかんなのは、じつは偶然ではないようなのです。
(つづく)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする