雲南省の中部の文山州の農村でみたかぼちゃの山。大きさは直径50センチはある大きなものだった。
【原産地説を検証】
1492年にスペイン人のコロンブスがアメリカ大陸に到達したことから、南米原産の植物がヨーロッパに伝わり、大航海時代に海路、ときには陸路でアジアにも到達した、とされています。
トウガラシ、トウモロコシ、トマト、カボチャ、さつまいも、じゃがいも、たばこなど、今ではかかせない食物ばかりです。
これらは雲南では、いまや特産品として広大な敷地に植わっています。
また、サツマイモやトウモロコシは品種も多く、紫や白、もちもちしたタイプやさらりとしたタイプ(お米でいうともち米とうるち米のような違い)など、
日本からいった植物学者も現地の有様に
「これは原産地か?と思えるほどのバリエーションだなあ」
と言っていたほどです。
そういうこともあるためか中国の学者のなかには改革開放が始まった1987年以降よりボチボチと、コロンブス以前から中国にあった、もしくは「中国原産だ」という説がではじめました。
これが本当ならすごい話です。
さっそく、カボチャの説から論文を検討してみました。
まず原産説について。
『詩経』幽風・七月の「七月食瓜、八月断壺」や『管子』など、紀元前に書かれた「瓜」を、ともかくカボチャと断定してしまう、かなり強引なものでした(※1)。
中国にはキュウリやマクワウリなど「瓜(ウリ)」の付く食べ物は多く、瓜の字だけではカボチャと特定できるはずもありません。つまり原産説は、今のところ文献で証明できるものはありませんでした。
※1 趙伝集「南瓜産地小考」『農業考古』1987年第2期、p299-300、江西省社会科学院
(つづく)
★残暑お見舞い申し上げます。子供は夏休みに自分の好きなことを追求しすぎてぐったり。大人はいままでにない天候にびくびく、の夏ですが、かぼちゃでも食べて、少し、元気を取り戻したいと思っております。
【原産地説を検証】
1492年にスペイン人のコロンブスがアメリカ大陸に到達したことから、南米原産の植物がヨーロッパに伝わり、大航海時代に海路、ときには陸路でアジアにも到達した、とされています。
トウガラシ、トウモロコシ、トマト、カボチャ、さつまいも、じゃがいも、たばこなど、今ではかかせない食物ばかりです。
これらは雲南では、いまや特産品として広大な敷地に植わっています。
また、サツマイモやトウモロコシは品種も多く、紫や白、もちもちしたタイプやさらりとしたタイプ(お米でいうともち米とうるち米のような違い)など、
日本からいった植物学者も現地の有様に
「これは原産地か?と思えるほどのバリエーションだなあ」
と言っていたほどです。
そういうこともあるためか中国の学者のなかには改革開放が始まった1987年以降よりボチボチと、コロンブス以前から中国にあった、もしくは「中国原産だ」という説がではじめました。
これが本当ならすごい話です。
さっそく、カボチャの説から論文を検討してみました。
まず原産説について。
『詩経』幽風・七月の「七月食瓜、八月断壺」や『管子』など、紀元前に書かれた「瓜」を、ともかくカボチャと断定してしまう、かなり強引なものでした(※1)。
中国にはキュウリやマクワウリなど「瓜(ウリ)」の付く食べ物は多く、瓜の字だけではカボチャと特定できるはずもありません。つまり原産説は、今のところ文献で証明できるものはありませんでした。
※1 趙伝集「南瓜産地小考」『農業考古』1987年第2期、p299-300、江西省社会科学院
(つづく)
★残暑お見舞い申し上げます。子供は夏休みに自分の好きなことを追求しすぎてぐったり。大人はいままでにない天候にびくびく、の夏ですが、かぼちゃでも食べて、少し、元気を取り戻したいと思っております。