おそろいのTシャツを着た保護員が、客のスマホで慣れた手つきで撮ってくれた「野生」のターシャ。
【小さいおさるさん】
たまたま行きあったお墓参りを歩かせていただいた後は、添乗員さんが遅れを取り戻すかのようにボホール島観光の黄金ロードを突き進みはじめました。
ボホール島中央部は南国らしいヤシの木などのある森が広がっています。その中の一部を囲って自然を展示するかのような施設がありました。一つはターシャ。もう一つはちょうちょ。
まず入場ゲートを抜けると、ターシャという、こうもりぐらいの大きさの猿が放し飼いされているのです。(彼らは夜行性なので、昼間は木の枝につかまってお休み中。したがって、拍子抜けするほどたやすくみられる。保護員が私のスマホを手に取ったと思ったら、器用に露出を変えて、かわいいターシャの寝顔を撮って渡してくれた。手慣れたサービスらしい。)
また、別の施設でも入場料を払うと、大きな網で囲ったサンクチュアリへ。ちょうちょを羽化させ、飛び回らせているというのです。ここでは入口から南国~という服装をした、芸人風の観光案内の人がぴったりと寄り添っての解説が付きます。
ただ解説といっても自然の学術的な話はフレーバー程度で、ほとんどがダジャレ攻撃の漫談。英語はゆっくりで聞き取りは簡単なのに笑ってしまう。なんともいえないほのぼのとしたくだらなさが、なんだか昭和の観光地に来たような気分です。
サンクチュアリに飛び交う蝶。
【保護と管理の絶妙なバランス】
そしてハイライトが川下り。ミルクのまじったようなエメラルドグリーンの横幅10メートルほどのロボック川を食事つきの遊覧船で下るのです。
駐車場にはたくさんの車が止まり、チケットを買っての順番待ち。
「何番さん」
と呼ばれてようやく乗り場の桟橋へ移動してもなお並ぶというほど混んでいます。ところが、なんでも顔パスの添乗員さんのおかげで並んでいる列をごぼう抜きして、あっという間にすぐに出航という観光船に乗っていました。
考える暇もない観光の流れに身を任せて食事を口に運んで、ぼーっと河を見るともなく見ていたら、子供は諸聖人の日の休みで暇なのか、こちらをみては、すっぽんぽんで川に突き出た木の枝にロープ吊るし、なかなか流れのありそうな川めがけて、ターザンのようにジャンプ!
放物線を描いて、落下すると、こちらを向いて手を振っていました。なんだか楽しそうです。
船上でギター片手に歌う生演奏付きの中、ココナッツたっぷりの地元の料理のバイキングを食べるサービス。観光客がわくわくムードから湧き上がる笑い声で幸せオーラに包まれた船旅です。お金をかけた観光というものは見る景色をも一変させるようです。
私は一体どこにいるのかしら?
(つづく)
※次回、驚きの事件が( ^ω^)・・・