写真はドロワ川河畔にたたずむフェレイラの売店。この裏に工場がある。
ドンルイス一世橋を渡った南岸すぐは歩行者天国となっており、なぜかバイクの貸し出しがブームとなっていて、非常に排ガスくさかった。ここは橋から500メートルほど行っただけなのだが、静かで観光客も少なめであった。
【ポートワインが別次元の旨さ】
次にドウロ川の対岸側にずらりと並ぶポートワインの醸造所に行きました。
ポートワインは、もともとポルトに集められたワインを、羽振りの良かった世界帝国イギリスへ大量に輸出するために作られたもの。ポートは、「ポルト」の地名の英語読みです。
他のワインとなにが違うのかというと、ワインの発酵中に、アルコール度数の高いブランデーを加えて発酵を止め、さらに酒蔵で熟成させる点です。こうして本来、アルコールとなるべきブドウ果汁の糖分がそのまま残り、なおかつアルコール度数20度前後という通常のワインの倍の度数になるため保存がきく上、さらに独特の味わいへと深化していったのです。一度、封を開けても風味が保たれるところも人気です。
先日までお世話になっていた研究者のKさんご愛着の「フェレイラ」の酒蔵を尋ねました。石造りの暗い照明の中は酒蔵の一部だったと思われるひんやりとした空気。おしゃれな棚に展示品のようにゆったりとワインが並び、入口近くにカウンターだけがあってポートワインが有料で試飲でき、購入できるようになっていました。酒精を調合する酒蔵がすぐ横にあることが見て取れたのですが、見学はできませんでした。
試飲をすると、高貴な香りが鼻に抜け、日本で飲んでいた「ポートワイン」の「甘くて独特すぎる」感じとは別次元の、豊潤さに包まれてボー。ポートワインは苦手だと思っていたのに、ワインともブランデーとも違う世界にいざなわれて驚きました
この違いはなんだろう? と調べていくと驚愕の事実が。どうやら私がポートワインと思っていたものは別ものだったのです。
(つづく)