【世界最古の現役時計】
もう一つの目玉が現役で時を刻む世界最古の機械式時計です。1386年に製作され、いつの間にか放置されました。復活したのは20世紀になってから。
1928年に「時計学」マニアのT. R. ロビンソンに発見され、1956年に修理されて再稼働しました。高さ1.24m、 幅は 1.29 m、奥行は 1.06 mと大きなもの。現代人が思い描く、時計盤があって、時間が即座にわかるものというものではなく、、時間が来たら鐘がなる、という仕組みのものです。
だから、大聖堂の片隅にあるこの時計の前に来た人は、たいてい、ふわーっとみて写真をとって、それから首をかしげて、スーッと立ち去る、という動き方が続いていて、廊下でぼーっとみていて、ちょっとおかしかったです。
http://asait.world.coocan.jp/kuiper_belt/time/salisbury_cathedral_clock.htm
【どの角度からも大聖堂が見えて迷うことなし】
大聖堂が現在の地に移転するとともに街も徐々にここに移転しただけあって、大聖堂の周りは中世から抜けでたような街並みが続いています。そして寒い私を暖めてくれる服も売っていました。
山用品のコーナーには、セールの札が下がっていて、必要に迫られて深く吟味せずにくしゃくしゃのジャンバーを買って帰ったのですが、これがすぐれものでした。イギリスで購入した服は、いずれも日本に帰ってからちょっとおしゃれで、品があって、素材もよく、たいへん重宝しております。
安く買ったものほどその傾向が強く、元値が高くてうんと値下げされていても、そもそも高い製品の服は、いまではタンスのこやしに。普段使いのものがいいようです。
製品はメイドイン「チャイナ」が圧倒的に多かったのですが、デザインや目利きのこだわりがどんな格安製品にも平等に働いているのでしょう。
このようにステキなお店がかわいらしい風情で並んでいました。街には水路が多く、いずれもゆったりと流れています。緑はあくまで濃く、湿度もたっぷりでとても趣きがある街。どこを歩いても聖堂が見下ろしているので、迷うこともありません。そして聖堂から10分も歩くとソールズベリー駅。歩いて楽しい散歩の街でした。
【ロンドンから交通至便】
これだけいろいろ楽しんで夕方に電車に乗ると夕飯にはロンドンに戻れるという距離感もまた魅力的です。でも、いつか『日の名残り』の主人公のように、この街に泊まって、もっとゆっくりと時を過ごしてみたい。
そんな魅力にあふれていました。
(ソールズベリーの章、おわり)