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雲南の牛肉⑥   酸牛肉(すっぱい牛肉)

2015-06-14 11:47:46 | Weblog
写真はタイ族の伝統的な家屋・高床式住宅の1階の物置空間(2005年1月撮影)。伝統的にこの空間に野菜の漬け物から自家製で作った酒、また今回の話しの牛肉の漬け物にいたるまで、発酵させて保存させていた。
カメの上の白い帽子のように見えるタイプが本文の⑤のもの。
実際に暮らす空間は2階で、1階は風が通って涼しく、保存には向いた空間。独特のかび臭さが、なんとも懐かしく心地よかった。

【肉を漬ける】
 いままでご紹介してきた生ハム風の牛干巴は回族の伝統技術ですが、タイ族のビーフジャーキー風牛干巴は研究書を見るとタイ族伝統料理の項目には書かれていません。タイ族がつくる「牛干巴」は、伝統料理ではないようなのです。これについてはまた別の回に。

でも、タイ族も牛肉料理は紹介されていて、本などで触れられるのが「酸牛肉」です。

作り方は次の通り。(『雲南伝統食品大全』雲南省食品工業協会編、雲南科学技術出版社、1994年6月)

① 肉をさばいて米のとぎ汁で頭の方から洗う。
② 清水で3回、洗う。
③ 9-10センチに切り山椒の葉、塩、唐辛子、ショウガなどに少しのもち米を入れてかき混ぜる。
④ 圧力をかける。(重しをする)
⑤ 稲草で入れ物の口をふさぎ、その上にお椀を伏せた形で乗せ、草木の灰を水で捏ねて、その上に塗りたくって完全密封する。(この方法は1992年に浙江省で紹興酒を寝かせる時の瓶の密封法として、みたことがある-筆者注)

だいたい2ヶ月前後で肉が酸っぱくなってできあがり。密封した状態で半年ほど持ち、ふたを開けたら冬は5日以内、夏は3-4日以内で食べきらないと変質するとのこと。
 さわやかな味なので夏場が最も出番が多いそう。タイ暦正月の1,2ヶ月前に仕込んで、正月にふるまう料理の一つにもなります。

(タイの正月は4月中旬頃。「水かけ祭り」の名でご存じの方もいることでしょう。雲南では洗面器で水たまりの水すくって誰彼なく、容赦なくかけ合うので、その時期に街に行ったときには覚悟を決めるしかありません。ボーフラのいそうな緑色の水をかけられ、私は服を一着、現地で買いました。)
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3 コメント

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ありがとうございました! (りっつ)
2015-06-18 11:50:28
ものすごくマニアックなネタばかりですごく面白いですね!!!
学生時代、タイ、ベトナム、フィリピンで農業実習をしていたのでとても興味深いです!!
これからもよろしくお願いします。
返信する
本当に (kazuha)
2015-06-18 21:14:51
見たり、聞いたり感じたりですねー。ものすごく緻密な内容は見習いたいと思いました。今後ともよろしくお願いします!
返信する
お礼 (もっくん)
2015-06-19 09:28:01
ごらんいただき、ありがとうございます。
タイやベトナム、フィリピンでの農業実習。すごいですね。
どういう作業をされていたのでしょう。

緻密、といっても、まだまだ、で。

いろいろ、ご指摘ください。
こちらこそ、よろしくお願いします。
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