ソーホー地区にある「辻利茶舗」。日本の抹茶は世界でも人気。そのさきがけの店ともいえる。2016年4月に同地に開業し、2019年時点でも賑わっていた。現在は、ロンドンに2店舗ある。
ちなみに「辻利」はもともと京都の宇治の創業だが、全国にのれんわけが進み、それぞれが別会社として経営されている。こちらの店舗は北九州市小倉市の抹茶専門店。上海、シンガポール、カナダ、インドネシアなど和カフェをベースに世界展開を図っている。
参考:https://www.tsujiri.co.uk/location
https://kokura.keizai.biz/headline/1555
【言葉いらずで好きなものを】
1990年8月末に降り立ったロンドンで
添乗員さんが
「ロンドンでおいしいもの、ってここよ」
といって、連れて行ってくれたのが、ソーホーにある飲茶(ヤムチャ)の店でした。
薄暗がりの広々とした店内にたくさんの円卓が並び、ほぼ満席。我々もその一角を占め、頻繁に店内を中国人ウエートレスの運ぶステンレスのワゴンがまわっています。テーブルの近くにきたときに、ちらりと見ては、気に入ったお皿を指さすだけで、どんどん食べたいものが食べられる。しかもアツアツ、ホカホカ。
気分は爆上がりでした。
はじめての自腹の海外で、大学生だった私は、ヨーロッパの、首都のロンドンで中華料理、という取り合わせに目を白黒させ、そのおいしさとエキゾチックな雰囲気に酔い知れました。添乗員さんにひたすら感謝した、50日にも及ぶヨーロッパ旅行最後の日の晩餐でした。
それから四半世紀ぶりにソーホー地区を再訪しました。
土曜の夕方のチャイナタウンは、もうすごい人です。さまざまな人種が入り乱れるなか、当時のうすーい記憶を頼りに店を探したのですが、やはりわからず。唯一ワゴンサービスをしている、という「新世界大酒家New World Chinese Restaurant」は、つい最近、閉場した、と張り紙があり、工事中(現在、ウェブで調べると、やはり閉店していました。)
そこで、ワゴンサービスはないけれど、2018年にミシュランガイドに掲載され、トリップアドバイザーなどのステッカーが誇らしげに貼ってある「Beijing Dumpling」(意味:北京・小麦粉の皮で包んだもの)で蒸し物などを食べました。かなりの賑わいで小籠包などが飛ぶように売れていました。
ワゴンサービスは、横浜中華街では健在ですが、「回転ずし」ですら回転せずにタッチパネルで注文が主流の現在では、もはや古き良き、なのでしょう。コロナ禍も経て、少しでも人の手を経ないマナーおよびフードロスの観点からも消えゆく伝統なのかもしれません。
(つづく)
※年が明けまして、はじめての更新です。今年もよろしくおねがいします。
私の周りでも、ここ数十年、まったく平熱だった人までもがインフルエンザなど、呼吸器系疾患にかかっています。どうぞ、お気をつけてお過ごしください。かかってしまった方は、医療機関にかかると治りが早いように思います。お大事にされてください。(医療なしでがんばると、たいへんです。)
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