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雲南のハチミツ⑬ スズメバチ ハチミツ?

2015-04-19 10:54:39 | Weblog
写真は、成虫に孵化したてのスズメバチ。(2004年秋、 文山の市場にて撮影。)
日本では、白い芋虫の姿をした蜂の子のみを食べるが、雲南では成虫も食べる。形からすると孵化したてのように見えるが、食堂によっては完全にピンと羽の生えた精悍そうなスズメバチも炒め物になって皿に乗っていた。

日本から雲南によく通っていた研究者は、我々をその食堂に案内し、さらにオーダーもすべてしてくれ、私たちはおそるおそるもベテランの彼が頼んだのだから、と安心して食べた。
 私たちが食べ終わった後、
「大丈夫ですか? おいしかったですか? 私はいままで食べたことはありません。」
と衝撃の告白。
一同、静けさに包まれたことはいうまでもない。ちなみに地元ではごちそう。

【雲南、だからスズメバチの怪】
このような状況なので、中国のネットを見ると、いろいろと誤解も生じています。

おじいさんが養蜂家で、小さい頃にその手伝いをしていたという中国の「singo」さんは、かなり正確で突っ込んだ養蜂業の現実と模倣の解説をした最後に、
「雲南の『野生土蜂蜜』はスズメバチのミツだから、毒があるので気をつけるように」
とアドバイス(http://www.douban.com/group/topic/40592431)。

中国では野生の「土」蜂蜜、つまり地元のミツバチが集めたミツを、養蜂業者が育てて増やしたミツバチが採取したものより、一段高い値段で売買しているのですが、その雲南のものはスズメバチだ、というのです。

これはあまりに短絡的。中国の上海や北京など中原地域の大都市に住む人にとっては、虫、しかもスズメバチを食べる、というのは、衝撃的なので、雲南の風習をまず、奇異に感じていることが前提にあるのでしょう。でもスズメバチは花のミツは採取しないので、あり得ないのです。このネットを見た方は、きっと雲南のハチミツは避けるようになるでしょう。

このように雲南のハチミツは特殊なハチミツとして、中国でも語られることがありますが、ハチミツで有名なところとしては生産量では、浙江省、四川省、湖北省が三大生産地です。

また、作物の受粉にミツバチが活躍しているものとして有名なのが内蒙古のひまわり、福建の茘枝、竜眼、ほかアブラナ、綿花、イチゴ、リンゴがあります。

参考文献:張复興、陳黎紅「中国養蜂産業の現状」『ミツバチ科学』24(Ⅰ)(玉川大学、2003年)

(つづく)

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