写真上は、東南アジアでおなじみのドリアン。写真中がシルサック、写真下がシルサックの中身。
ドリアンはまとまっていていかにも食べやすそうだが、シルサックはスプーンにしてもフォークにしても箸にしても、とにかく繊維があってジューシーすぎで食べるのが難しい。
【季節まちがい】
ニアスの着陸時。飛行機自体が椰子の木が真横に見えるほど降下したにもかかわらず、大雨で視界不良のため再上昇。ある程度の小ぶりになるまで上空で待機することになりました。ニアスに何度も通う高藤さんですらはじめての経験だそうです。
30分後、ようやく降りたったニアスの街は、ゴミで下水管が詰まり、行き場のない雨水が道路や家の一階にたゆたっていました。人々は雨が降り続く中、家族で家の軒先に立ちバケツやほうきであてもなく、水を掻き出していました。
(日本各地で床上浸水どころではない被害がでているので、インドネシアも気候が猛烈になってきているのかもしれません。でも排水溝のつまりで浸水被害は日本でも時折みられます。たとえばNHKニュースで雨量計が○ミリを記録し、近くが浸水しました、で映像に出る都立某高校。雨が引いた後も数日は詰まった排水溝周辺は水たまりのまま。校内だけの排水溝の掃除に400万円、詰まった泥ゴミは産業廃棄物として処理されるため処理費に400万円かかる、と見積もられ、結局いまも手つかずとなっています)
『地球の歩き方・インドネシア編』ではインドネシアの8月は乾期と書かれていたのですが、地元の方に聞くとニアスは雨期とのこと。ガイドブックでは、旅行客の大半を占めるバリ、ジャカルタに絞って案内しているようで、スマトラ島北部の気候は無視されていた模様。日本も九州と北海道では気候は全然違うので、ちょっと考えればよかったのですが、まさかジャカルタの気候だけがカバーされているとは現地に行くまで気づかなかったのでした。おかげで私は服や持ち物のチョイスをすっかり間違え、靴はぐしょぐしょとなるなど、不便を強いられました。
【野生に近い果物たち】
ただ、雨期は誤算だったのですが、おかげで幸いにも、旬の果物を存分に味わうことができました。
まずはドリアン。タイのもの、すなわち雲南や日本にも輸入されるあの、ドリアンよりもは一回り小ぶりですが、味は濃厚。とにかく先ほど畑というよりも森で自然に出来たドリアンを無理なく獲っては、今日とれたものを家の庭先で売る、というのんびりしたもの。
個人で買う人もいれば、バイクに竹を横に渡しそこに左右に振り分けてドリアンをくくりつけ、数個を同時に運んでいる人もいました。
それを市場で買って、食べる。ちょっと口に放っただけで手が赤くなって身体がポッポと火照るほど、薬効にすぐれて沢山食べると、私のような体質には危険な感じがするほど、成分が濃密です。
ほかにインドネシア名シルサック。大きさはドリアンよりも一回り小さく、小玉すいか程度の大きさ。心臓の形をしてボツボツの短い黒い毛が突起のように伸び外は緑色、割ると白いフワフワ。黒い種をよけながらそのまま食べたり、ジュースにして飲んだりします。
なんでもガン予防の効果があるとかで、メダン暮らしの日本人の方がジュースにして飲んだり、製品化をもくろんだり、となんともホットな果物だそう。地元の人もジュースにして飲んでいました。
まず、食べてみたのですが、硬い実を割るのも大変、中を食べるにもフワフワの繊維をつまんで食べてみても、食べ方はよく分からず食べにくい。宿のおばさんが見かねて、翌日からジュースにしてくださいました。
甘酸っぱくてジューシーでドリアンほど癖もなく、さっぱりとしてとても食べやすい! でも、少し食べるとお腹がゆるくなりました。身体に悪いものをため込まない効果がガン予防に繋がるのかしら? ともかく味もよく、体も軽くなることから、お気に入りとなって、毎日、飲んでいました。
他、ランブータンもマンゴスチン(インドネシア名:マギス)も、やや大ぶりで甘みもたっぷり。マンゴスチンの皮は皮膚ガンに効果があるそうです。
樹上を見上げるとランブータンがたわわに実る様は、赤く燃える星のようで壮観でした。ただ甘さが虫を呼ぶのか、蚊も多く見られました。
ニアスの人が「本当のオーガニックだよ。たくさん食べてね」と親切にたくさんプレゼントしてくれたのですが、本当に渋みもなく、こんなにおいしいものが虫に食われずにいるなんて、不思議、と思いつつ、袋ごと部屋に置いていたら、見事に食べようと手を袋に入れると小さな蟻やら虫がちゃんとついていて、みょうに納得。
果物の薬効が強いのも、肥料で無理矢理、肥やしたのではなく、森の恵みをそのままに果実に結実させた、野放図な栽培からきているのでしょう。 (つづく)
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