写真はノッティングヒルの高級住宅地の人だけが入れる共有庭園に貼られていたポートベローサマーフェステバルについての張り紙。大勢の人が訪れることを警戒して「あなたの安全のために抜き打ちで荷物検査を行うことがあります」と書かれている。祭りのにぎわいと治安とのバランスは高級住宅地ならより一層、悩ましい問題なのだろう。
【ポートベロー通りのマーケット】
「二度目のイギリス⑦」の回で触れていたhttps://blog.goo.ne.jp/madoka1994/e/c850579c776c2263ddaa186d73212631でポスターにあったノッティングヒルの青空マーケットに行きました。
ガイドブックによると、ロンドン各所で行われている青空マーケットのなかでも最大クラス。とくに骨董市が立つ土曜日は2000以上の店がひしめき合い、身動きが取れないほど、とのこと。でも今回でかけたのは通常の土曜日ではなく、ポスターにあった2019年7月21日の日曜日の「ポートベローサマーフェスティバル2019」です。
10時半ごろに家のあるベイズウオーターからノッティングヒルエリアを目指して歩きます。どこまで行っても静かな日曜の朝です。あれ、おかしいな、と惑いつつ地下鉄ノッティングヒルゲート駅まできたとたんに雰囲気がいっぺん、同じ方向に向かう人々でいっぱいになりました。
いずれもわくわくした足取りで、確信に満ちています。駅から10分ほどの距離をその人たちに付いていくと、にぎやかなマーケットが見えてきました。
街区の中心から周辺へと同心円状に描かれた道路の一つであるポートベロー(Portobello Road)通りに沿って小さな露店が約1キロにわたってひしめき合っています。道がもともともっている歴史的な風貌とよくマッチしていて、予想通りおしゃれな雰囲気です。家にあった古本から、使い込まれたさまざまな洋食器、絵はがきに古着、手作りのアクセサリーなどなど。店先を見ていると、出店者の好みがくっきりと見えてきて楽しい。
【透かし模様だった!】
洋食器を並べた台をじっくりと見て
「これ、さわっていい?」
と台の後ろに立つ、抜けるように白い肌にクリンクリンの豊かな金髪の若い女性たずねると
「どうぞ。この食器はおばさんが使っていたの。ずいぶん前のものらしいわ。」
と、一つひとつ丁寧に説明してくれました。この日曜日は近所の人たちのガラクタ市的性格だとポスターに書かれていた通りでした。
家から持ち運んだだけ、といわんばかりに、どの品も、もうちょっと磨きこめばいいのに、と心配になるほどの状態。触れると手にほこりはつくし、優雅な模様のへこみには長い年月による黒ずみが入り込んで模様を色付けしています。
白地に細かく植物紋の透かしが入った上品な平皿が気に入りました。皿をひっくり返すと「Wedgwood」の文字。ブランド品です。でも本来なら、より豪華にみせていたであろう縁に描かれた銀色は、ところどころ剥げ落ちていました。
値段交渉するまでもなく
「2ポンドでどう?」
というので、即決。娘のみやげにしました。
帰国後、買ったお皿を丁寧に洗剤に付けて洗ったら、あら不思議。灰色の植物文様と思っていたものは、透明の透かし彫りに変身。
もともと高級住宅地にある立地なので、近所の人が主体のマーケットは、なかなかに掘り出し物があふれていました。
※参考
Events — Portobello Road Market
(つづく)
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