III. 6カ年(2008-2013年)業績推移の比較
ここでは2008年から2013年までの過去6年間の5社の業績の推移を比較検討する。因みに2008年は年央にBrent原油の価格が史上最高の147ドル(バレル当たり)を記録、また年間平均価格も97ドルに達して石油5社が過去最高の業績を示した年である。
1.売上高
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-06.pdf 参照)
2008年の売上高トップはExxonMobilの4,774億ドルでありShellが僅差の4,709億ドルの第2位であった。そして売上高第3位はBP(3,611億ドル)で、ChevronとTotalは2,730億ドル及び2,647億ドルであった。5社の順位は過去6年間殆ど変わらず、ただ2012年までトップを占めていたExxonMobilが、2013年に初めてShellに1位を奪われている。ChevronとTotalの場合は2009年以降TotalがChevronを上回っており過去2年間では両社の差が開きつつある。
年ごとに見ると2009年は各社とも前年比で大きく落ち込んでいる。これは2008年に原油価格が史上最高値となったが、同年9月にリーマン・ショックが発生、世界景気が一気に冷え込んだためである。2009年の原油平均価格は前年比で4割近く下落、販売量も落ち込んだため各社の売上高はExxonMobil35%減、Shell39%減、BP34%減など軒並み大幅な減収となった。
2010年以降は原油価格が持ち直し各社とも売り上げは回復、2011年には年間平均価格が100ドル(Brent)を超えたためExxonMobil、Shell、BPの3社は2008年をしのぐ売上高となり、Total、Chevronもほぼ元に戻っている。2012年から2013年にかけてはBP、Totalは横ばいで、その他3社はやや落ち込んでいる。
(続く)
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