五大国際石油企業(ExxonMobil、Shell、BP、Total及びChevron)の4-6月期決算が相次いで発表された。
前年同期と比べた売上高、利益、設備投資の増減は各社まちまちであるが、石油・天然ガスの生産量は5社のうちシェルを除く4社が減少しており、シェルもわずかな増加にとどまっている。生産量の減少にもかかわらず売上高は4社が増加、売上高利益率は全社が昨年同期をうわまわっている。国際石油企業にとってはまずまずの業績であったと言えよう。
各社の決算概要は以下の通り。
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-D-4-20.pdf参照)
なお2008年から2013年までの通年の業績比較はレポート「五大国際石油企業2013年度業績速報シリーズ」を参照されたい。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0298FiveMajors2013.pdf
1.売上高
ExxonMobilの2014年4-6月の売上高は1,116億ドルであり、前年同期比で4.6%増であった。その他の4社は、Shellが1,153億ドル(前年同期比+0.8%)、BP 940億ドル(同―0.8%)、TOTAL626億ドル(同+1.9%)、Chevron579億ドル(同+1.0%)であった。
2.利益
ExxonMobilの期間利益は88億ドル、前年同期比+21.9%であった。以下、Shell53億ドル(同+67.3%)、BP34億ドル(同+39.4%)、TOTAL31億ドル(同―9.1%)、Chevron57億ドル(同+5.3%)である。
3.売上高利益率
売上高利益率はExxonMobilが7.9%、Shell 4.6%、BP 3.6%、Total 5.0%、Chevron 9.8%であった。各社の前年同期の利益率はそれぞれ6.4%、1.5%、2.2%、5.6%及び9.4%であり、いずれも今期の利益率は前年同期を上回っている。
4.原油・ガス生産量
石油に換算した原油・天然ガスの合計生産量はExxonMobil 3,840千B/D、Shell 3,077千B/D、BP 2,106千B/D、Total 2,054千B/D、Chevron 2,545千B/Dであり、Shellは前年同期を0.5%上回ったが、その他の4社は減少しており、特にTotalはー10.3%の大幅な落ち込みであった。またExxonMobil、BPの両社も前年同期を6%下回っている。
5.設備投資
2014年4-6月の各社の設備投資額はExxonMobil 98億ドル、Shell 85億ドル、BP 56億ドル、Total 80億ドル、Chevron 102億ドルである。このうちTotalは前年同期比4割増と大幅に増加した反面、Shellは24%減であるが、これによって両社の設備投資額はほぼ横並びとなった。Chevronは売上高では5社の中でもっとも少ないが投資額は最大であり同社の積極的な姿勢が顕著である。
詳細は各社ホームページ参照。
ExxonMobil
http://news.exxonmobil.com/press-release/exxon-mobil-corporation-announces-estimated-second-quarter-2014-results
Shell
http://www.shell.com/global/aboutshell/media/news-and-media-releases/2014/second-quarter-2014-results-announcement.html
BP
http://www.bp.com/en/global/corporate/press/press-releases/bp-second-quarter-2014-results.html
Total
http://www.total.com/en/investors/results/2014/second-quarter-2014-results
Chevron
http://www.chevron.com/chevron/pressreleases/article/08012014_chevronreportssecondquarternetincomeof57billion.news
以上
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前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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