(3) LNG貿易(続き)
(圧倒的なシェアを占める日本!)
(3-3) 2006年~2013年の国別輸入量の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-4-G04.pdf 参照)
LNG輸入の全体量は2006年の2,111億㎥から2013年には1.5倍の3,253億㎥に増加している。8年間を通じて国別輸入量が最も多いのは日本であり、2006年の819億㎥から2013年には1,190億㎥に増加している。この間2009年を除けば毎年増加しており、特に2011年、2012年の対前年伸び率は14.4%及び11.1%と2年連続で二桁の大幅な伸びを示している。これは言うまでもなく原発の運転停止による火力発電用LNGの輸入が急増したからである。2013年は前年とほぼ同量で輸入の伸びは一段落した感があるが、日本のLNG輸入は当面高止まりするものと考えられる。過去8年間における日本のLNG輸入が世界全体に占める割合は2008年の41%をピークに2010年には一旦31%に下がったが、その後再び上昇傾向にあり、2013年の日本のシェアは37%である。
日本に次いで輸入量が多いのは韓国であるが日本との差は大きい。同国の輸入量は2006年341億㎥であり、2013年には542億㎥に増加しているが、それでも日本の輸入量の半分以下であり世界に占める割合は17%である。日本が当分の間LNG輸入量世界一であり続けることは間違いない。
LNGの輸入で4~5年前から大きな存在感を示しているのは英国である。同国のLNG輸入量は2008年には10億㎥にすぎなかったが2009年には一挙に103億㎥に急増、2011年には253億㎥で世界全体の7.7%を占めるに至っている。但しその後2012年2013年と続けて減少しており、2013年の輸入量は93億㎥と2009年の水準に戻っている。英国はこれまでは北海油田からの随伴ガスにより国内のガス需要を賄っていたが、油田が枯渇しつつある。このため同国は安定的な天然ガス供給源としてカタールとの合弁で2009年にウェールズ州サウス・フックにLNG受入基地を建設している。
この他の主なLNG輸入国は中国、インド、台湾、スペインであり、上位7か国のうち4カ国(日本、韓国、中国、台湾)は極東アジアの工業国である。日本、韓国及び台湾は国内にガス資源が殆ど無く、またパイプラインで近隣国から輸入する手段もないため天然ガスをLNGに依存しているのである。なお2000年には10カ国にとどまっていたLNGの輸入国の数は30カ国前後にまで増加している。現在LNG受入設備を建設中の国もあり、今後LNG輸入国はさらに多様化するであろう。
(続く)
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