石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

五大国際石油企業2017年度業績速報シリーズ(7)

2018-03-06 | 海外・国内石油企業の業績

 

(注)本シリーズは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。

 

http://mylibrary.maeda1.jp/0435OilMajor2017.pdf

 

 

II. 2017年の業績比較 (続き)

2. 利益

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-02.pdf 参照)

 ExxonMobilが5社の中で利益額が最大であり(197億ドル)、これに次ぐのがShellの130億ドル、でこの二社が利益100億ドルを超えている。これに続いてChevron及びTotalが90億ドル前後で並んでいる。これら4社に比べてBPの昨年の利益は34億ドルにとどまっており、トップのExxonMobilの5分のⅠ以下、4位及び5位のChevron或はTotalと比べても半分以下の低い水準である。

 

3.上流部門/下流部門利益

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-03.pdf 参照)

(注)上記2の利益には上流部門及び下流部門(石油精製販売部門)の他化学部門の利益が含まれている場合があり本項の合計額とは必ずしも一致しない。) 

 

 上流部門の利益は各社によって大きな格差があり、最も多いのはExxonMobilの134億ドル、次いでChevronが82億ドル、トタール60億ドル、BP52億ドルである。Shellは最も少ない16億ドルでトップのExxonMobilの1割強にとどまっている。

 

 これに対して下流部門の利益はShellが83億ドルと最も多く、BP72億ドル、ExxonMobil56億ドル、Chevron52億ドルと続き、Totalは38億ドルと最も少ないが、上流部門ほどの大きな格差は見られない。上流部門は保有する鉱区の優劣により大きな開きが生まれるのに対し、下流部門は各社の精製設備の競争力に大きな差が無く、市場における販売力の違いに損益格差があるためと考えられる。

 

4.売上高利益率

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-04.pdf 参照)

 売上高と利益の比率である売上高利益率を見ると、ExxonMobilが8.1%と最も高く、Chevronが6.5%で続いている。Totalは5%、シェルの利益率は4.3%である。Shellは売上高は5社の中では最も大きく利益もExxonMobilに次いで多いが、売上高利益率は5社中の4番目にとどまっている。BPは利益率が1.4%にとどまっており、他の4社に比べて際立って低い。2010年のメキシコ湾原油流出事故の後遺症を今も引きずっていることが同社の決算書から見て取れる。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行

 〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

        Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

        E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする