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http://mylibrary.maeda1.jp/0526OilMajors2020.doc.pdf
8カ年(2013-2020年)業績推移の比較(続き)
(過去8年間のうち全社赤字は2020年が初めて!)
2.利益
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-21.pdf 参照)
2013年から2020年までの5社の利益の推移を見ると、2013年はExxonMobilの326億ドルをはじめ、Chevron、BPが200億ドル台、Shell、Totalが100億ドル台の黒字を計上したが、各社ともこの時が最も高い利益水準であり、その後は大きな波動を描きながら業績は下降傾向をたどり、特に2020年には大きく落ち込んで全社赤字になっている。
2014年はChevronを除く4社はほぼ前年並みの利益を確保したが、Chevronは一気に38億ドルまで落ち込んだ。続く2015年には5社の収益は急速に悪化しExxonMobilの利益は2013年の半分にとどまり、Chevronは▲65億ドルの欠損となった。2016年は各社で明暗が分かれ、ExxonMobil及びBPは減益、その他3社は増益となった。
2017年、18年とほぼ全社が連続して増益となり、2018年の利益はShell及びExxonMobilが200億ドルを超え、Chevron、Total、BP3社は100億ドル前後の利益を出した。
2019年は減益傾向が明白となったが、5社共に利益を計上している。しかし2020年は業績が急激に悪化し、全社が大幅な欠損となり、特にExxonMobil、Shell及びBP3社はそろって200億ドル以上の赤字決算となっている。
(かつては5%以上が普通だった利益率が昨年は欠損率▲10%以上に!)
3.売上高利益率
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-22.pdf 参照)
2013年の売上高利益率は、Chevronが9.4%で最も高く、これにつぐのがExxonMobil (7.4%)、BP(6.2%)、Total(5.7%)であり、最も低いShellは3.6%であった。その後、利益率は低迷し、BP、Chevronはそれぞれ2015年、16年にマイナスに陥っている。
2018年には利益率は一旦改善したものの、19年に頓挫し、2020年には5社全ての利益率が大幅に悪化、ExxonMobilの▲12.4%を筆頭にShell、BPは二桁台の欠損率を示し、Chevron及びTotalも▲5%台の売上高損失率を記録している。
(続く)
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前田 高行
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