(注)本レポートは｢マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0531ImfWeoApr2021.pdf
４．世界および主要地域・国のGDP成長率の推移（２０１８～２０２２年）
(表http://menadabase.maeda1.jp/1-B-2-11.pdf 参照)
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-B-2-05.pdf 参照)
(大きく落ち込んだ2020年！)
（１）世界および主要経済圏
世界全体の成長率は２０１８年、２０１９年と３％前後で推移していたが、２０２０年は▲３．３％に急落した。今年は昨年の反動で６．０％の高い成長を達成、２０２２年の成長率は４．４％と予測されている。
経済圏別に見るとG7の成長率は２０１９年まで２％前後の成長を続けたのち、昨年は世界平均を超える▲５．０％のマイナス成長となり、今年は５．４％に回復、来年も３．６％のプラス成長が予測されている。EUは２０１８年の成長率が２．３％であったが、２０２０年は新型コロナウィルスの影響で世界平均の２倍近い▲６．１％の大幅な落ち込みであった。その後今年及び来年は４％前後のプラス成長になる見込みである。
ＡＳＥＡＮ-５か国は他の経済圏に比べ高い成長率を達成している。同地域は２０１８年及び１９年は世界平均を上回る５％前後の成長率を維持しており、２０２０年は他の地域と同様コロナウィルスの影響を免れないもののG7あるいはEUの落ち込み幅より低い▲３．４％のマイナス成長であった。そして今年は４．９％、来年は６．１％のプラス成長が見込まれている。また中東・中央アジア地域の成長率は２０１８年 ２．０％、２０１９年 １．４％の低い成長率にとどまっており、昨年の▲２．９％のマイナス成長を経て今年及び来年は３．７％、３．８％のプラス成長が予測されている。
(５年間を通じてプラス成長を達成する中国！)
（2）世界と中東の主要国
日本の２０１８年、１９年の成長率は０．６％及び０．３％の低い成長率にとどまった。２０２０年は世界平均を上回る▲４．８％の大幅なマイナス成長になり、２０２１年には一転して５年間で最も高い３．３％の成長が予測されている。これは世界平均の６．０％あるいはG7の５．４％に比べて低いが、過去の実績を勘案するとなおハードルは高そうである。
米国の経済は先進国の中では好調であり、２０２０年は▲３．５％に落ち込んでいるが、今年は６．４％、来年は３．５％の成長が見込まれている。
中国は２０１８年以前から世界でも飛びぬけた成長を誇っており、ほぼすべての国がマイナス成長に陥った２０２０年もGDP成長率はプラスであり、２０１８年以降連続してプラス成長を続ける数少ない国である。因みに同国のGDP成長率は６．７％（‘１８年）→５．８％（‘１９年）→２．３％（‘２０年）→８．４％（‘２１年）→５．６％（‘２２年）である。
近年中国と高度成長を競い合っているインドのGDP成長率は、２０１８年以降２０２２年まで６．５％→４．０％→▲８．０％→１２．５％→６．９％である。昨年（２０２０年）は世界平均を大幅に上回るマイナス成長であったが、今年(２０２１年)は二桁成長、来年も中国を上回る成長が予測されている。
中東の主要国を見ると、ＧＤＰが世界１９位、中東で最大のサウジアラビアは２０１８年には２．４％と世界平均を下回る成長率であった。その後２０１９年は０．３％に低下、さらに２０２０年には▲４．１％のマイナス成長に陥っている。今年はプラス２．９％に回復、来年も４．０％の成長が予測されているが、この５年間の成長率はいずれも世界平均を下回っている。
サウジアラビアに次ぐGDP大国のトルコはコロナ禍に見舞われほとんどの国がマイナス成長に陥った昨年もプラス成長(１．８％)を達成、中国とともに５年間を通じてプラス成長を維持している。イランのGDP成長率は米国の経済制裁の影響を受け、１８年▲６．０％、１９年▲６．８％と大幅なマイナス成長となったが、昨年以降はプラス成長である。但し成長率は２％前後と他国に比べ低いままである。エジプトの成長率の推移は５．３％(１８年)→５．６％(１９年)→３．６％(２０年)→２．５％(２１年)→５．７％(２２年)であり安定した成長が続くと見込まれている。
(完)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp
