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http://mylibrary.maeda1.jp/0533IocVsAramco2021-1stQtr.pdf
2.売上高(続き)
(ほぼ原油価格に連動した各社の売上高!)
(2)2019年下期以降今期までの売上高の推移
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-61.pdf 参照)
2019年第3四半期から2021年第1四半期に至る四半期ベースの売上高の推移を見ると、2019年第3四半期の売上高は895億ドルのShellを筆頭に、アラムコが812億ドルで続き、bp及びExxonMobilは600億ドル台、Total500億ドル弱でChevronは最も少ない348億ドルであった。
その後、2019年第4四半期から2020年第2四半期にかけて各社とも売上高が急激に減少した。2020年第2四半期はAramcoが372億ドルでShellを抜いてトップになり、ExxonMobil、Shell及びbpが320億ドル前後で競り合っているが、6社の売上高はいずれも2019年第3四半期の2分の1あるいはそれ以下である。
2020年第3四半期以後は売り上げが2期連続で上昇、2021年第1四半期の売上高は6社のうち4社が2019年第3四半期のほぼ9割まで回復している。但しShell及びbp2社のみは回復の速度が鈍い。
売上高の変動に大きな影響を与えるのが原油価格であるが、代表的な油種であるBrent原油の各四半期の平均価格を見ると以下の通りであった(価格はドル/バレル)。
62.00ドル(’19年3rd QTR)→63.08ドル(‘19年4thQTR、前期比+1.7%)→50.06ドル(‘20年1stQTR、前期比▲20.6%)→29.55ドル(‘20年2ndQTR、前期比▲41.0%)→42.94ドル(‘20年3rdQTR、前期比+45.3%)→44.16ドル(‘19年4thQTR、前期比+2.8%)→61.12ドル(‘20年1stQTR、前期比+38.4%)
これに対して6社の対前期比売上高増減比率の平均は、+1.0%(4thQTR)→▲25.9%(‘20年1stQTR)→▲35.2%(‘20年2ndQTR)→+43.4%(‘20年3rdQTR)→▲1.3%(‘19年4thQTR)→+21.6%(‘20年1stQTR)であった。両者を比較すると2019年第3四半期から翌年第3四半期までの1年間は原油価格との相関関係が極めて高いことがわかる。しかし2020年第4四半期と2021年第1四半期については、売上高の上昇率が原油価格のそれを下回っている。各社は価格上昇の追い風をつかみ切れなかったようである。
(続く)
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