石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

世界と中東主要国の「腐敗認識指数」(下)

2024-02-12 | その他

(世界ランクシリーズ その6 2023年版)

 

2.2023年の世界ランク及び2022年との比較(続き)

(表http://rank.maeda1.jp/6-T01.pdf 参照)

 中東の主要国では、UAEが世界26位と最も高く、米国(24位)と肩を並べる高い評価を受けている。イスラエルは世界33位で韓国並みである。またサウジアラビアは世界53位であり前回とほぼ変わらない。

 

 エジプト、トルコ、イランの中東三大国はいずれもランクが低く、エジプトは世界108位、トルコ115位であり、イランは世界180カ国中の149位にとどまっている。前年度の順位と比較すると、エジプトは130位から108位に大きくランクを上げた一方、トルコは14ランク下げてエジプトに追い抜かれ、またイランも2ランク下がっている。

 

 内戦が続くイエメンの腐敗指数は16で世界順位は176位であり、ほぼ世界最下位に近い。因みに世界で腐敗度が最も高いとされたのはアフリカのソマリア(腐敗指数11)である。

 

(安定している日本、近年悪化しているトルコ!)

3.日本と中東主要国の腐敗指数の推移(2019~2023年)

(図http://rank.maeda1.jp/6-G01.pdf 参照)

日本と中東5カ国(UAE、サウジアラビア、トルコ、エジプト及びイラン)の2019年から2023年までの5年間の腐敗認識指数の推移を見ると、2019年の指数は日本が73、UAE71、サウジアラビア53、エジプト35、トルコ39、イラン26であった。

 

その後5年間を通して見ると、日本の指数は70台前半で安定している。UAE及びサウジアラビアの湾岸君主国並びにエジプトは2019年から2022年にかけて指数が低下(すなわち腐敗度が上昇)したが、今回は上向いて(清潔度が上昇して)いる。これに対してトルコとイランは長期低落傾向に歯止めがかからず、2019年と2023年の指数を比較すると、トルコは39から34に、またイランは26から24に悪化している。この結果トルコはエジプトに逆転され、2023年の世界順位も上述のとおりトルコ115位に対してエジプトは108位である。トルコ及びイランは腐敗度が進行した一方、エジプトは改善されつつある。

 

以上

 

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     前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(115)

2024-02-12 | 中東諸国の動向

(英語版)

(アラビア語版)

 

(目次)

 

第5章:二つのこよみ(西暦とヒジュラ暦)(1

 

115 西暦に侵食されるヒジュラ暦(1/4)

 イスラームの世界ではイスラームの暦(ヒジュラ暦)が今も生活の隅々に浸透し、市民の生活の歯車となっている。ヒジュラは預言者ムハンマドが、マッカからマディナに移住したことを意味しており日本語では「聖遷」と訳されている。この聖遷があった年がヒジュラ暦の始まりであり、西暦622年7月16日がヒジュラ元年1月1日である。

 

 ヒジュラ暦は新月から次の新月までの29日または30日を1か月とし、12か月を1年間とする純粋の太陰暦である。これに対して世界で使われているグレゴリオ暦(西暦)は太陽の動きをもとに、1年間を365日或いは366日とし、それを12で割った数値を1か月としている。したがってヒジュラ暦は西暦に比べ1年間の日数が10日ないし12日短い。

 

(続く)

 

 

荒葉 一也

E-mail: Arehakazuya1@gmail.com

 

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