石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

現地記事転載:「トランプ氏の2期目は、米国とトルコの関係強化の鍵となるかもしれない」(トランプ再選に対する中東メディアの反応その3:トルコDaily Sabah紙の場合)

2024-11-14 | 今日のニュース
(原題) Trump’s 2nd term could be key to unlocking stronger US-Türkiye ties
https://www.dailysabah.com/politics/diplomacy/trumps-2nd-term-could-be-key-to-unlocking-stronger-us-turkiye-ties
2024/11/12 Daily Sabah



ドナルド・トランプ氏が米国大統領として2期目を迎える準備を進める中、専門家らは米国とトルコの関係改善の可能性について楽観的だ。


元駐アンカラ米大使のジェームズ・ジェフリー氏、元駐ダマスカス米大使のロバート・フォード氏、ハドソン研究所の上級研究員ルーク・コフィー氏などの主要人物が、アナドル通信(AA)に対し、トランプ氏のリーダーシップのもと両国の関係がどのように発展していくかについての見解を語った。


ジェフリー氏は、米国とトルコの関係の将来について強い楽観的見方を示し、特にシリアに関しては完全な合意には至っていないものの、両国の間に「共通の理解」があると指摘している。


彼は、トランプが2018年に米軍をシリアから撤退させた決定を思い起こした。この動きは、シリア、イラン、またはISIS(イラクとシリアのイスラム国)が埋める可能性のある権力の空白を生み出した。「その地域は依然として懸念事項だ」とジェフリー氏は述べ、さらなる協力の余地があると付け加えた。


ロシアとウクライナの紛争に関して、ジェフリー氏は、トルコの最近の外交努力を考えると、ロシアとウクライナの和平交渉を促進するトルコの役割をトランプ氏が活用できると示唆した。


「トルコは双方をまとめる上で主導的な役割を果たしてきた」と彼は述べ、トランプ氏が和平交渉の支援を継続するためにトルコに頼ることができると強調した。


トランプ氏とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領との関係について、トランプ氏を個人的に知るジェフリー氏は、「トランプ氏はエルドアン氏を信頼し尊敬しており、トルコに指導を求めるだろうと私は信じている」と述べた。同氏は、米国の敵対者に対する制裁措置法(CAATSA)の解除には技術的なハードルがあることを認めつつも、トランプ大統領は米国とトルコの協力を前進させる方法を模索する可能性が高いと示唆した。


YPG (クルド人民防衛隊) と米国とトルコの緊張
ロバート・フォード氏はまた、シリア情勢が米国とトルコの関係に好影響を与える可能性があると指摘した。


同氏は、トランプ新政権が YPG 主導のシリア民主軍 (SDF) を支援し続けるかどうか疑問を呈し、これが米国とトルコの重要な争点であると述べた。


フォード氏は、共和党内にはイランの影響に対抗するためにシリアでの米軍駐留を維持することを支持する勢力もあることを認めたが、現実的なアプローチとしては、この地域における米軍の影響力を低下させることだと示唆した。


フォード氏はまた、米国とトルコの協議がウクライナで進行中の紛争に対処する鍵となる可能性があると予測し、和平交渉に関して両国間で「より生産的な対話」が行われることを期待している。


さらに彼は、トランプ大統領が2期目の早い段階でイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に圧力をかけることはないだろうと推測し、「イスラエルの準備が整えばガザでの戦争は終わるだろう」と述べた。


和解の時
ルーク・コフィー氏は、米国の新政権は同盟国との関係をリセットする機会になると強調した。


同氏は、トランプ氏とエルドアン氏はともに、個人的な違いを脇に置いて国家の利益を優先する能力があることを証明したと信じている。


コフィー氏は、米国がYPGとの関係を再考し、NATO同盟国であるトルコとの関係修復に取り組む時が来たと示唆した。


コフィー氏は、トルコはウクライナとロシアの双方から信頼されている唯一の国であり、潜在的な和平協定にとって極めて重要であると強調した。「トランプ氏がウクライナとロシアの解決を求めるなら、トルコは極めて重要な役割を果たす必要がある」と同氏は述べた。


トルコによるロシア製S-400ミサイル防衛システムの購入という長年の懸案に関して、コフィー氏はF-35戦闘機をめぐる論争はすぐには解決されないだろうと認めた。しかし、彼は他の防衛分野における信頼醸成措置が前進への道を開く可能性があると提案している。




以上


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(SF小説) ナクバの東(32)

2024-11-14 | 今日のニュース
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(29)


第11章 サウジアラビアの秘かな動き(1)鷹狩り(2/2)


 突然王子の白くゆったりした民族衣装の右のポケットからコーランの一節が流れ出した。スマートフォンの呼び出し音だ。左のポケットにももう一台あるが、今鳴り出したのは軍及び内務省幹部専用の携帯電話である。軍及び内務省幹部と言ってもここサウジアラビアでは大臣以下殆どがサウド家の王子で占められている。しかも彼らは一族の中でも特に血のつながりが濃い王子たちである。例えば国防大臣がトルキ司令官の父親であるように。


 「ああ、父上、何かあったのですか?」王子は育ちの良さそのままの明るく屈託のない声で電話に答えた。電話の相手が国防大臣と知った部下達の顔に一瞬緊張が走る。国防大臣は初代国王の15番目の息子であり、また先代国王の実弟でもある。初代国王は多数の王妃を娶り30数人の息子をもうけたが、彼の死後はその息子達がほぼ年齢順に王位を継承している。国防大臣の母親はトルキ王子の父親を含め7人の息子を生んだが、彼ら7人兄弟は結束を固め他の異母兄弟と張り合ってきた。特に長兄が国王として長期政権を確立する過程で弟達を政府の要職に引き上げた結果、彼ら7人兄弟はサウド家の中で確固たる地位を築き上げたのである。


(続く)




荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)


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トレンドを読み違えたBP/Total:2024年7-9月期五大国際石油企業決算速報(8)

2024-11-14 | 今日のニュース
II. 五社の業績比較(続き)
(トップはExxonMobil 72億ドル、その他3社は40~50億ドル台で並ぶ!)
5.設備投資
 7-9月期設備投資は、ExxonMobilが72億ドルで最も多い。2番目に多いのはTotalEnergies (58億ドル)であり、以下Shell 47億ドル、bp 45億ドル、Chevron 41億ドルの3社が並んでいる。ExxonMobilを100とした場合、TotalEnergiesは81、Shell、bp、Chevronはいずれも60前後である。また前期比ではいずれも増加している。


(原油・天然ガス共にExxonMobilが圧倒的なトップ!)
6.石油及び天然ガス生産量
(1)原油生産量
 2024年7-9月期の原油生産量が最も多かったのはExxonMobilの3,187千B/Dであり、5社の中で唯一3百万B/Dを超え、2位のChevron(1,990千B/D)を100万B/D以上上回っている。その他3社はTotalEnergies(1,466千B/D)、Shell(1,321千B/D)、bp(1,084千B/D)であり、bpはExxonMobilの3分の1にとどまっている。


(2)天然ガス生産量
 天然ガスの生産量が最も多いのはExxonMobilの日産84億立方フィートで石油に換算すると1,395千B/Dであった。2位のChevronはExxonMobilをわずかに下回る82億立方フィート(石油換算1,374千B/D )であった。その他の3社は上位2社との格差が大きく、TotalEnergiesは51億立方フィート(石油換算943千B/D )であるが、Shell及びbpはそれぞれ28億立方フィート(石油換算490千B/D )及び23億立方フィート(石油換算404千B/D )にとどまり、bpはExxonMobilの4分の1である。


(3)石油・天然ガス合計生産量
 石油と天然ガスの合計生産量が最も多いのはExxonMobilであり石油換算で4,582千B/Dである。同社に次いで2位Chevron(3,364千B/D)、3位TotalEnergies(2,409千B/D)、4位Shell(1,811千B/D)でbpは5社中で最も少ない1,488千B/Dであった。ExxonMobilの生産量を100とした場合、他の4社はChevron 73、TotalEnergies 53、Shell 40、bpは32である。bpの生産量はExxonMobilの3分の1にとどまっている。
 
 各社の石油と天然ガスの比率を見ると、ExxonMobilは石油70%、天然ガス30%であり、その他の4社はShell(石油73%:天然ガス27%)、bp(石油73%:天然ガス27%)、TotalEnergies(石油61%:天然ガス39%) 、Chevron(石油59%:天然ガス41%)である。5社いずれも石油の比率が天然ガスを上回っているが、石油の比率が最も高いのはShellとbp(共に73%)で、逆に最も低いのはChevron(59%)である。


(続く)


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前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp


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