Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(62)
第23章 米軍乗り出す(1)アル・ウデイド空軍基地(3/3)
このため米国はその後のイラン・イラク戦争では軍事偵察衛星によりイランの動きを探り、その情報をイラクに流しイラン叩きを支援した。当時のイラクのフセイン独裁政権は米国にとって到底受け入れがたいものであったが、「敵(イラン)の敵(イラク)は味方」と言う訳だ。そのことが結果的にフセイン政権を助長させ、後のクウェイト侵攻、湾岸戦争さらにはイラク解放戦争へとつながったのは歴史の皮肉という他はない。
このようにイラン及びアラブ諸国に対する限り米国外交は行き当たりばったりであり地域に混乱をもたらした罪は大きい。しかし米国の外交は別の意味では一貫していた。イスラエルを支えること、そのことこそが米国の中東における絶対的ともいえる外交方針だったからである。それが中東に更なる混乱をもたらしていることも間違いのない事実なのであるが--------。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)
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