石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

今週の各社プレスリリースから(12/7-12/13)

2014-12-13 | 今週のエネルギー関連新聞発表

12/9 ExxonMobil    ExxonMobil’s Outlook for Energy Sees Global Increase in Future Demand http://news.exxonmobil.com/press-release/exxonmobils-outlook-energy-sees-global-increase-future-demand
12/10 JX日鉱日石エネルギー    インドネシアにおける製油所改修プロジェクト参加に向けた覚書の締結について http://www.hd.jx-group.co.jp/newsrelease/2014/20141210_01_1050061.html
12/10 BP    BP Presents Upstream Strategy to Investors http://www.bp.com/en/global/corporate/press/press-releases/bp-presents-upstream-strategy-to-investors.html
12/11 石油連盟    木村 石油連盟会長定例記者会見配布資料 http://www.paj.gr.jp/from_chairman/data/2014/index.html#id718
12/11 ExxonMobil    Saudi Aramco and ExxonMobil Joint Venture Completes Clean Fuels Project http://news.exxonmobil.com/press-release/saudi-aramco-and-exxonmobil-joint-venture-completes-clean-fuels-project
12/12 コスモ石油/昭和シェル石油他    LPガス元売事業統合に向けた準備開始に関するお知らせ http://www.cosmo-oil.co.jp/press/p_141212/index.html

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニュースピックアップ:世界のメディアから(12月11日)

2014-12-11 | 今日のニュース

・WTI原油価格60ドルすれすれに。ナイミ・サウジ石油相:減産は考えていない。価格は市場に任せる

・ExxonMobil、長期石油見通し示す。2040年の世界のエネルギー消費構成:石油32%、天然ガス26%、再生エネルギーはわずか4%

・来年のQatar LNGは安定:StanChart銀行見通し

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

(ニュース解説)陰の主役は米国のシェール・オイル-第166回OPEC総会をめぐって(5)

2014-12-11 | OPECの動向

(注)本レポートはブログ「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してお読みいただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0332OpecMeetingDec2014.pdf

 

4.二つの疑問:減産すれば価格は上がったのか?そもそもOPECは協調減産できるのか?
 OPECの決定により当面は石油の需給が緩む見通しで原油価格の下落に歯止めがかからない状況である。暖房用灯油など石油製品は冬の需要期に入っており季節的要因で見れば価格が下げ止まってもおかしくないのであるが、それ以上に供給過剰感が価格を押し下げているようである。

 現状を冷静に分析すると二つの疑問点が浮かび上がってくる。その一つはベネズエラが強く主張した減産が若し実現したとして果たして原油価格が上がったのかと言う疑問であり、二つ目はそもそもOPEC加盟国が国別の減産量を合意できるのか(或いはそれを順守できるのか)と言う疑問である。

 もしOPECが減産を決議実行し思惑通り価格が上がれば、日本は円安と原油高で大きな打撃を受けることは間違いない。しかしOPECが減産すれば価格が上がるという単純な方程式が成り立つか否かは微妙である。世界の原油生産に占めるOPEC12カ国のシェアは40%強であるが 、その他の60%を占める非OPEC産油国が減産しなければどうなるであろうか。OPECの減産量は140万B/D程度と予測されているが(上記参照)、この程度の量は価格を反転させる効果に乏しく、また米国のシェール・オイルなど非OPEC産油国がカバーできる数量である。つまりOPECはシェール・オイルにシェアを奪われた上に石油収入が伸びず(下手をすると減少の恐れすらある)まさに踏んだり蹴ったりになるかもしれない。また仮にOPECの減産により価格が上向けば米国のシェール・オイル生産業者(或いはロシアも)一気に増産に走り、彼らは価格アップとと数量増の二乗の効果を享受するであろう。OPEC産油国は「トンビに油揚げをさらわれる」ことになる。筆者はいずれにしてもOPEC産油国の減産は彼らが期待したような効果を生まないであろうと考える。

 それではそもそもOPEC自身が協調減産できるのであろうか?これもはなはだ疑わしい。先にも書いたとおり3千万B/DはOPEC全体のものであって、個々の12カ国の生産枠を積み上げたものではないのである。OPECは1960年の結成から12年後の1982年に初めて国別生産枠を設定したのであるが、その後紆余曲折を経て2005年6月総会を最後に国別割り当て量は廃止され、その後は需要の変動に応じて総枠を増減、2011年12月に現在の3千万となって現在に至っている。因みに2005年6月の国別割り当てはサウジアラビアが909.9万B/Dで全体の3分の1を占めていた。

 例えば今回巷で報道されたようにOPEC総会で140万B/D削減を決めた場合、各国ごとの割り当てはどうなったであろうか。2005年当時の加盟各国のシェアに従ってサウジアラビアが140万B/Dの3分の1を引き受けるのか、また国別生産枠の対象外であったイラクをどう取り扱うのかと言う問題が生じる。一方、現在の実生産量に応じて各国が削減量を引き受けるとすれば、サウジアラビアの削減割り当てはもっと厳しくなるかもしれない。対米輸出が激減しているベネズエラや経済制裁で輸出が最低水準に陥っているイランなどはこれ以上の削減に強く抵抗するものと思われる。いずれにしてもOPECが減産決議した場合、貧乏くじを引くのは間違いなくサウジアラビアであろう。

 この事実こそサウジアラビアが生産枠3千万B/Dを維持することにこだわった理由と思われる。しかし決議の結果、原油相場はさらに下落している。自他共にOPECの盟主と認めるサウジアラビアにとって変化を選ぶ(総枠削減する)にしろ、現状を固定する(総枠維持する)にしろいずれも茨の道である。OPECがもたついている間に非OPEC特に米国のシェール・オイルがシェアを伸ばすことは目に見えている。サウジアラビアはOPECの盟主であるよりも世界最大の産油国(そして同時に最大の増産余力を持つ産油国)としての自負をかけてシェア競争に乗り出そうとしている。

(完)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京
都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニュースピックアップ:世界のメディアから(12月10日)

2014-12-10 | 今日のニュース

・Brent原油価格5年来の安値バレル$65.93に。ユーロの対ドルレートも2012年8月以来の安値

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

(ニュース解説)陰の主役は米国のシェール・オイル-第166回OPEC総会をめぐって(4)

2014-12-09 | OPECの動向

(注)本レポートはブログ「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してお読みいただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0332OpecMeetingDec2014.pdf

  

3.総会当日:サウジがベネズエラを押し切る
 11月27日、オーストリアのウィーンで第166回OPEC総会が開催された。先ず議長のAl-Ahirishリビア副首相から総括報告があり、来年の世界の石油需要は110万B/D増の9,230万B/Dになるとの見通しが示された。またこれに対する非OPECの供給量は140万B/D増の5,730万で米国の増加分が多くを占めると説明した。またOPEC原油のバスケット価格は6月の105-110ドル/バレルから30ドル以上値下がりしているが、価格の下落はファンダメンタルなものではなく、弱い需要、強いドル及び世界経済の不透明さによるものであるとの分析が示された 。

 この議長報告に基づきその後5時間近く議論が続けられたが 、最近では珍しく長時間の会議であった。生産量の現状維持を主張するサウジアラビア始め湾岸産油国に対し生産量削減により原油価格の回復を目指すベネズエラなど非湾岸産油国との間の綱引きがあったものと思われる。閉会後、コミュニケが発表され3千万B/Dの生産枠を維持することが明らかになった。この生産枠は3年前の2011年12月の総会で決められたものであるが、これは加盟12カ国全体の生産枠であり国別割り当ては決められていない。このことからわかるとおり現在のOPECは厳密な意味で生産者カルテルの体をなしておらず、OPECは今や機能不全の状態であると一部でささやかれているのもあながち的外れでもない(この問題については減産・価格問題と共に本レポートの最後で触れる)。

 なお、コミュニケにはこの生産量維持の他、次回総会を来年6月5日にウィーンで開催すること、及びバドリ現事務局長の任期を来年7月からさらに年末まで延長することも明記されている。事務局長の改選問題にはサウジアラビア、イラク、イラン3カ国の複雑な駆け引きがあり、現局長の任期は再三延期されているのである(紙数の関係で詳細は省略するが詳しくは前回、前々回の総会レポートを参照願いたい )。

 会議はナイミ・サウジ石油相がラミレス・ベネズエラ外相に圧勝した形である。それは会議を終えて記者団に囲まれた両大臣の対応にはっきりと表れた。ナイミ石油相は満面に笑みをたたえ「It was a great decision(偉大な決定であった)」と述べたのに対し 、ラミレス外相は明らかに怒りの表情を含み会議の結論についてのコメントを拒否したうえで、「米国の生産姿勢は最悪であり、シェール・オイルは気候変動及び環境の観点から見て災難(disaster)である」と八つ当たり気味で会場を後にしたのである。

 この決定を受けて原油相場は更に下げ足を早めた。最近の相場は米国WTI原油がバレル当たり65.84ドル、英国Brent原油は同69.07ドルで共に70ドルを割り込んでいる。産油国の財政均衡である1バレル当たりの原油価格は、UAEが74ドル、サウジアラビアは86ドルと言われ、健全財政を誇る湾岸産油国ですら既に採算点を割り込んでいる。イラク、イランに至っては均点がそれぞれ109ドル及び130ドルとされ、両国の財政は破たんへの道を突き進んでいるのである 。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今週の各社プレスリリースから(11/30-12/6)

2014-12-06 | 今週のエネルギー関連新聞発表

12/1 Total    Total Announces the Jisik Discovery in the Kurdistan Region of Iraq - See more at: http://www.total.com/en/media/news/press-releases/total-announces-jisik-discovery-kurdistan-region-iraq#sthash.jkAUKFYA.dpuf
12/4 石油資源開発    "カナダ ブリティッシュ・コロンビア州におけるLNGプロジェクトの最終投資決定(FID)延期について" http://www.japex.co.jp/newsrelease/pdf/20141204_CanadaLNG.pdf
12/5 ExxonMobil    ExxonMobil to Launch 2015 Outlook for Energy http://news.exxonmobil.com/press-release/exxonmobil-launch-2015-outlook-energy

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

(ニュース解説)陰の主役は米国のシェール・オイル-第166回OPEC総会をめぐって(3)

2014-12-06 | OPECの動向

 

(注)本レポートはブログ「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してお読みいただけます。

 

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0332OpecMeetingDec2014.pdf

 

 

2.総会3日前:ウィーンに乗り込むロシア、ナイミ・サウジ石油相も早々と
 ベネズエラのラミレス外相がロシアに出向いた直後の11月21日、今度はサウジアラビアのサウド外相がモスクワでラブロフ外相と会談した。本題はもちろん過激派武装勢力「イスラム国」をめぐり緊迫するシリア、イラク情勢、或いは核開発問題をめぐるイラン制裁問題、さらにはリビア、イエメン等複雑極まる中東情勢であった。しかし同時に世界第一、第二の産油国として原油価格の下落防止策についても意見が交わされ、両外相のコミュニケには石油エネルギー問題で協力することが明記された 。

 ロシアはウクライナ問題で欧米の経済制裁を受け石油・天然ガスの輸出が減少、原油価格の下落も重なりエネルギーが輸出の70%、歳入の50%を占める同国にとって価格の回復が喫緊の課題である。そのため生産量削減について応分の協力を惜しまない姿勢もちらつかせた。

 プーチン大統領はナイミ石油相と協議させるため直ちに腹心のセーチン・ロスネフト社長をウィーンに派遣した。ナイミはこれまでOPEC総会の前夜か当日に現地入りするのが通例であり早々と総会3日前にウィーン入りするのは異例のことである(因みに前回の6月総会では総会開会後に遅刻して出席しているが、これなどはOPECの存在感の薄さに嫌気がさしたための抗議の意思表示であったと言われている) 。

 総会前のナイミ石油相はメディアの取材に対して「市場が供給過剰になったのは何も今回が初めてではない」と答えている。彼としては生産枠の現状維持で総会を乗り切る腹は固まっていたため、あえて生産量の削減について明言しなかったと考えられる。それでも総会前にロシアと協議することにしたのはモスクワでのサウド・ラブロフ両外相会談でエネルギーの二国間協力が打ち出されたからである。何といってもテクノクラートのナイミ石油相はサウド家の王族であるサウド外相の顔を立てざるを得なかったのである。

 24日、ウィーンでサウジアラビア、ベネズエラ、ロシアそしてメキシコの4者会談が行われた。会議の内容は明らかにされていないが、ベネズエラがサウジアラビアに対して総会での減産決議を促し、ロシア(及びメキシコ)がこれに同調したものと見られる。ロシアのKommersant紙はこの会談でロシア側から、もしOPECが140万B/D削減すればロシアも30万B/D削減する、と持ちかけたと報じている 。但しサウジアラビアにとって自国と同程度の1千万B/Dを生産するロシアの減産提案としては少なすぎる。加えてナイミ石油相はロシアの口約束は信用できないと考えたようである。かつて2000年代初めに同じような価格下落の状況下でOPECは減産したが、その時ロシアは減産に同調するどころか抜け駆けで増産しOPECは煮え湯を飲まされた苦い経験があったからである 。

 4者会談の結論が出ないまま27日にOPECは第166回総会を開催した。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニュースピックアップ:世界のメディアから(12月5日)

2014-12-05 | 今日のニュース

・サウジアラビア、アジア向け販売シェア拡大を目指す。1月価格調整金をバレル10セント値下げ。1日2度の通知で顧客混乱

・油価下落で来年の世界の開発生産投資は1,500億ドル以上減少か

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニュースピックアップ:世界のメディアから(12月3日)

2014-12-03 | 今日のニュース

・原油価格さらに下落。Brent$71.69, WTI$68.10に

・IMF総裁:原油価格の下落は世界経済にとって良いニュース

・ロシア、黒海海底ガスパイプライン「サウス・ストリーム」の建設中止。 *

*ロシア-EU間のパイプライン網

http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-3-02RussiaEuropeGasPipeline.jpg

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

(ニュース解説)陰の主役は米国のシェール・オイル-第166回OPEC総会をめぐって(2)

2014-12-02 | OPECの動向

 

(注)本レポートはブログ「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してお読みいただけます。

 

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0332OpecMeetingDec2014.pdf

 

 

1.総会1ヵ月前:「価格下落阻止のため一致して行動を」(ベネズエラ・ラミレス大臣)
 10月中旬、ベネズエラのラミレス外相は記者会見で「原油価格の下落阻止のためのOPEC緊急会合を」と呼び掛けた 。ラミレス外相は9月まで石油相及び国営石油会社PDVSA会長を務めており、今回のOPEC総会でも同国代表として出席している。

 ベネズエラは米国向けの輸出が激減し、さらに石油価格の下落でイランと並び最も大きな打撃を受けた産油国の一つである。2012年の年間平均価格が103ドル(バレル当たり、以下同じ)であった同国の原油は2013年には98ドルになったが、今年6月以降急激に下落、10月には83ドルに落ち込んだ 。同国の原油収入は歳入の5割、輸出の9割以上を占めるが、2013年末の外貨準備は215億ドルでピーク時の2008年から半減している 。チャベス前大統領時代から続く補助金漬けバラマキ行政のためベネズエラ財政は今や危機的状況にある。

 事態打開のためラミレス外相はまずリビアとエクアドルを巻き込んでOPEC総会での減産を呼び掛け、総会前の11月中旬にはOPEC加盟国のイラン、アルジェリア及びカタールを歴訪して減産の根回しを行った。さらに外相は非OPECの大産油国ロシアにも赴き協調減産を呼び掛けた 。ベネズエラとイランはカダフィ時代のリビアと共にかつては石油価格を吊り上げることに熱心なOPEC強硬派と呼ばれ、サウジアラビアなど湾岸産油国の穏健派と対立してきた。底流にあったのは反米のベネズエラ・イラン・リビア対親米の湾岸諸国と言う構図であった。

 今回の減産の是非をめぐる両派の対立は一見過去の延長のように見えるが、実は大きく違う。イランもベネズエラも共に石油の輸出減と価格下落の二重苦で財政事情がひっ迫している。何とかして石油価格を引き上げたいのが本音である。そのための減産であるが、実はベネズエラはシェール・オイルに妨げられて対米輸出が減少、イランは米国の経済制裁で輸出がままならない状況にあり、両国とも既に減産を余儀なくされている。OPEC総会で減産が決定されても実質的な影響は少ないと言っていいほどなのである。

 OPEC各国は価格を度外視して輸出量を確保するシェア争いを始めた。イラクのマハディ石油相はOPECが内部競争に突入したと語った。彼はサウジアラビアが10月の価格を75セント(バレル当たり)下げ、イランも同程度、自国は60セント値下げしたと述べている 。サウジアラビアのアジア向け10月価格は6年ぶりの安値となったが、この時期サウジアラビアは驚くべき行動に出たのである。即ち11月積みについてはアジア向け価格を値上げする一方、米国向けは値下げしたのである。専門家はこれをシェール・オイルに対する挑戦である、と断じた。

 11月初めの原油価格は米国WTIが76ドル、英国Brentも83ドルで共に2011年10月以来の安値となり、直近物の価格が先物を上回る、いわゆるコンタンゴ(contango)の状態となっている。原油価格はOPEC総会を前に泥沼に陥ったのである。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする