石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(158)

2024-05-23 | 中東諸国の動向

(英語版)

(アラビア語版)

 

(目次)

 

第6章:現代イスラームテロの系譜(13

 

158 悪の枢軸イラクとの戦争(2003年)(1/4)

911同時多発テロで暮れた翌2002年1月、ブッシュ米国大統領は一般教書演説でイラン、イラク及び北朝鮮を「ならず者国家」(テロ支援国家)と名指しで批判し、これら3か国をひとまとめにして「悪の枢軸」と呼んだ。

 

「ならず者」、「悪の枢軸」という言葉は実にわかりやすい言葉である。テキサス出身のブッシュ大統領は正義の味方西部劇の保安官気取りであった。世界最強の国家元首の言動としては一寸軽はずみな感が否めないが、米国市民にとっては耳に響きの良い言葉なのであろう。そのことはトランプ前共和党大統領の言動を見ればよくわかる。とにかく米国の一般市民にとっては今も昔も米国は神(God)の正義をかざし悪を懲らしめる世界の保安官なのである。

 

ブッシュ大統領の戦略思想はブッシュ・ドクトリンと名付けられた。その思想の根幹にあるのが、テロリスト及び大量破壊兵器を拡散させかねない「ならず者国家」に対峙し、必要に応じて先制的自衛権を行使する、ということである。彼は『世界は米国側につくか、テロ側につくかのいずれかだ!』と叫んだのであった。

 

彼の思想は近代米国社会の底流に脈々と流れる新保守主義(Neo Conservative、いわゆるネオコン)そのものである。ネオコンは政治思想家フクヤマの理論を実践に移した政策集団と言えよう。彼らネオコンはアフガニスタン戦争では当面の敵ソ連を撃破するためイスラム勢力と手を組み、イランン・イラク戦争ではイランを打ち破るためスンニ派のフセイン・イラク政権を支援した。

 

(続く)

 

 

荒葉 一也

E-mail: Arehakazuya1@gmail.com

 

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中東と石油のニュース(5月22日)

2024-05-22 | 今日のニュース

(石油関連ニュース)

原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil

・米のインフレ、金利の先行きで原油下落。 Brent $83.14, WTI $79.22

(中東関連ニュース)

・イラン大統領事故死に3日間の服喪。最高指導者、大統領代行使命

・モクバルイラン大統領代行:68歳、元慈善基金EIKOの責任者

・イラン大統領選挙、6月28日に実施

・国際司法裁検事、イスラエル首相、ハマス幹部等の逮捕状請求

・岸田首相、訪日取りやめのサウジ皇太子とビデオ会談

・上川外相、サウジ外相と電話会談。中東情勢で意見交換

・東京で日本-サウジビジネスフォーラム開催

・丸紅、サウジで風力発電事業。2か所1,100MW

・シリア大統領夫人、白血病を公表

・トルコ航空、アフガニスタン便3年ぶりに再開

 

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利益は前年同期比減、前期比増:2024年1-3月期五大国際石油企業決算速報 (8)

2024-05-22 | 海外・国内石油企業の業績

II. 五社の業績比較(続き)

(ExxonMobil、トップの58億ドル、増減著しいTotalEnergies!)

5.設備投資[1]

(図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-54.pdf 参照)

 国際石油企業の1-3月期設備投資は、ExxonMobilが58億ドルと最も多く、次いでbp43億ドル、Chevron 41億ドル、Shell40億ドルであり、TotalEnergiesは5社で最も少ない36億ドルであった。TotalEnergiesは前期が7億ドル、前年同期は64億ドルであり増減が著しい。その他の4社はいずれも今期が前期より減少している。

 

(生産量が多いExxonMobil、Chevronの米系2社、少ない欧州系3社!)

6.石油及び天然ガス生産量

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-55.pdf 参照)

(1)原油生産量[2]

 2024年1-3月期の原油生産量が最も多かったのはExxonMobilの2,557千B/Dであり、5社の中でただ一社2百万B/Dを超えている。ExxonMobilに次いで生産量が多いのはChevron(1,968千B/D)でExxonMobilの9割である。第3、4位はTotalEnergies(1,482千B/D)、Shell(1,331千B/D)、bpは最も少ない1,056千B/Dであった。

 

(2)天然ガス生産量[3]

 天然ガスの生産量が最も多いのはChevronの日産83億立方フィートで石油に換算すると1,378千B/Dであった。2位以下はExxonMobilの74億立方フィート(石油換算1,227千B/D )、TotalEnergies 52億立方フィート(石油換算979千B/D )と続き、第4位はShellの31億立方フィート(石油換算541千B/D )であり、最も少ないのはbpの24億立方フィート(石油換算407千B/D )であった。

 

(3)石油・天然ガス合計生産量[4]

 石油と天然ガスの合計生産量が最も多いのはExxonMobilであり石油換算で3,784千B/Dである。同社に次いでChevron(3,346千B/D、)、TotalEnergies(2,462千B/D)と並んでいる。Shell及びbpはそれぞれ1,872千B/D及び1,463千B/Dであった。ExxonMobilの生産量を100とした場合、他の4社はChevron 88、TotalEnergies 65、Shell 49、bpは39であり、Shellの生産量はExxonMobilの2分の1である。

 

 各社の石油と天然ガスの比率を見ると、ExxonMobilは石油68%、天然ガス32%であり、その他の4社はShell(石油71%:天然ガス29%)、bp(石油72%:天然ガス28%)、TotalEnergies(石油60%:天然ガス40%) 、Chevron(石油59%:天然ガス41%)である。5社いずれも石油の比率が天然ガスを上回っているが、石油の比率が最も高いのはbp(72%)で、逆に最も低いのはChevron(59%)である。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

     前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                   E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

 

 

[1]  「設備投資」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Capital and Exploration Expenditures

Shell:Capital expenditure, Consolidated Statement of Cash Flow

bp:Capital expenditure

TotalEnergies:12. Net investments

[2] 「原油生産量」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Net production of crude oil, natural gas liquid, bitumen and tsynthetic oil

Shell:Liquid production available for sale

bp:Production (net of royalties), Liquids

TotalEnergies:

Chevron:Net liquid production

[3] 「天然ガス生産量」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Natural gas production available for sale

Shell:Natural gas production available for sale

bp:Production (net of royalities), Natural gas

TotalEnergies:Hydrocarbon production, Gas

Chevron:Net natural gas production, Worldwide

[4] 「石油・天然ガス合計生産量」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:                     

Shell:Total production in barrels of oil equivalent    

bp:Production (net of royalities), Total hydrocarbons             

TotalEnergies:

Chevron:Total net oil-eqivalent production 

 

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利益は前年同期比減、前期比増:2024年1-3月期五大国際石油企業決算速報 (7)

2024-05-21 | 海外・国内石油企業の業績

II. 五社の業績比較(続き)

4.キャッシュフロー[1]

(ExxonMobilとTotalEnergiesの営業C/Fに7倍の開き!)

(1)営業キャッシュフロー(以下C/F)[2] (図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-56a.pdf参照)

 今期の5社の営業C/Fが最も多かったのはExxonMobilの147億ドルで、次いでShellの133億ドルである。2社のC/Fと他の3社の格差は大きく、Chevronは68億ドルとExxonMobilの2分の1以下であり、bpは50億ドル、最も少ないのはTotalEnergiesの22億ドルである。ExxonMobilとTotalEnergies の格差はほぼ7倍である。

 

(格差が少ない投資C/F、トップはExxonMobilの▲46億ドル!)

(2)投資C/F[3] (図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-56b.pdf参照)

 投資C/Fによるキャッシュの流出はExxonMobilが最も多い▲46億ドルであり、他の4社はそれぞれChevron▲40億ドル、bp▲38億ドル、ShellとTotalEnergiesは共に▲35億ドルであった。5社の格差は小さいい。

 

(高い水準のShellとExxonMobil、極めて低いTotalEnergies!)

(3)財務C/F[4] (図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-56d.pdf参照)

財務C/Fの収支はShell及びExxonMobilが▲82億ドル及び▲80億ドルで並んでいる。Chevronは両社のほぼ6割(▲49億ドル)であり、bpも▲24億ドルの水準にとどまっている。TotalEnergiesの今期財務C/Fは特に少なく2億ドルである。同社は新規借り入れが少なかったか既存借入の返済が多かったと考えられる。

 

(Shellの残高は399億ドル!)

(4)C/F期末残高[5] (図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-56e.pdf参照)

 3月末キャッシュフロー残高を比較する。なおChevronは資料に残高が明記されていないためここでは4社を比較する。

 

 残高が最も多いのはShellの399億ドルである。ExxonMobil及びbpの残高はそれぞれ333億ドル、315億ドルで、残高が最も少ないのはTotalEnergies の256億ドルである。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

     前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                   E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

 

 

[1] キャッシュ・フロー(cash flow、現金流量)とは、現金の流れを意味し、主に、企業活動や財務活動によって実際に得られた収入から、外部への支出を差し引いて手元に残る資金の流れのことをいう。欧米では古くからキャッシュ・フロー会計にもとづくキャッシュ・フロー計算書(Cash flow statement, C/F)の作成が企業に義務付けられており、日本でも1999年度から上場企業は財務諸表の一つとしてキャッシュ・フロー計算書を作成することが法律上義務付けられている。

 キャッシュ・フローは(1)営業キャッシュ・フロー(日常的な、生産・営業活動によって稼得する現金と、それに要する現金コストの収支)、(2)投資キャッシュ・フロー(工場新設やビル建設・トラック購入などの設備投資・有価証券投資に要する現金支払いと資産売却による収入)及び(3)財務キャッシュ・フロー(財務活動による現金の収支)の3種類があり、これらの総合収支が会計期間内の現金収支であり、期首(前期末)の現金(及び現金相当物)の残高に期間内の収支を加えたものが当期末の現金(及び現金相当物)となる。(Wikipediaより)

[2] 「営業キャッシュ・フロー」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Cash Flow form Operating Activities (U.S. GAAP) / Net cash provided by operating activities (U.S. GAAP)

Shell:Cash flow from operating activities

bp:Net cash provided by operating activities, Condensed group cash flow statement

TotalEnergies:Cash flow from operating activities, TotalEnergies financial statements

Chevron:Net cash provided by Operating Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)

[3]「投資キャッシュ・フロー」は各社資料から下記項目を抽出した。

Shell:Cash flow from investing activities

bp:Net cash used in investing activities

TotalEnergies:Cash flow used in investing activities, TotalEnergie financial statement

Chevron:Net cash Used for Investing Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)

[4]「財務キャッシュ・フロー」は各社資料から下記項目を抽出した。

Shell:Cash flow from financing activities

bp:Net cash provided by (used in) financing activities

TotalEnergies:Cash flow from (used in) financing activities, Total financial statement

Chevron:Net cash provided by (Used for) Financing Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)

[5] 「キャッシュフロー期末残高」は各社資料から下記項目を抽出した。なおChevronは資料に明記されていない。

ExxonMobil:Cash and cash equivalent at end of period

Shell:Cash and cash equivalent at end of period

bp:Cash and cash equivalent at the end of the period

TotalEnergies:Cash and cash equivalent at end of period, TotalEnergies financial statement

 

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見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(157)

2024-05-21 | 中東諸国の動向

(英語版)

(アラビア語版)

 

(目次)

 

第6章:現代イスラームテロの系譜(12

 

157世界を震撼させた911同時多発テロ(4/4)

事件後、ブッシュ大統領(当時)は犯行がオサマ・ビンラーデン率いるイスラーム過激派組織アル・カイダによるものと断定、テロ計画の立案者としてビンラーデンの部下ハリド・シェイク・ムハンマドが逮捕された。事件は午前8時14分の最初のハイジャックから午前10時3分の4機目の墜落までわずか2時間足らずの間に起こった。アル・カイダはこの2時間のため膨大な時間をかけて入念な計画と周到な準備を重ねたのであるが、その中には大型ジェット機の操縦法の習得まで含まれていた。米国は911テロ事件に先立つ8年前(1993年)の貿易センタービル爆破事件でアル・カイダが米国本土を狙っていることは認識していたが、同時多発テロの動きを事前に察知することができなかった。テロリストたちは捜査当局の予測をはるかに超えるテロを計画し実行したのであった。エジプト人モハメド・アタを首謀者とする19人の実行犯が特定され、19人のうちの11人はサウジ人であった。

 

この事件を契機として米国の対テロ作戦が動き出す。米国のブッシュ大統領はテロの撲滅を外交の最重要課題に掲げ、自衛のための先制攻撃もを辞さない強硬姿勢を示した。米国はアル・カイダの拠点であるアフガニスタンのタリバン政権に対して軍事行動を起こしこれを転覆した。オサマ・ビンラーデンは隣国パキスタンの険しい山の中を転々と逃亡した。彼はその間も世界各国のイスラーム過激派組織に呼びかけ、同調者たちによるテロ活動が世界各地で続発した。しかし米国は必死に追及、2011年5月、特殊部隊が急襲してイスラマバード郊外でビンラーデンを殺害した。彼は時に54歳であった。

 

21世紀、それはイスラーム過激派による抵抗の時代の幕開けであった。

 

(続く)

 

 

荒葉 一也

E-mail: Arehakazuya1@gmail.com

 

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中東と石油のニュース(5月20日)

2024-05-20 | 今日のニュース

(石油関連ニュース)

原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil

 

(中東関連ニュース)

・イラン:大統領、外相搭乗のヘリ、山中に墜落。安否不明

・米サリバン補佐官、イスラエル訪問。ガザ地区では激しい戦闘

・イスラエル:Gantz戦時閣僚、退任示唆。首相にガザの戦後方針明示迫る

・チュルク機構(OTS)、5億ドルの共同投資ファンドを設立

*OTS:トルコ、カザフスタン等チュルク語圏5カ国の国際機関。

 参考レポート:「グローバルサウスに傾斜する中東北アフリカ諸国(MENA の多国間関係)

・サウジ国王、肺炎手術

・イエメンフーシ派、ロシアから中国に向かうタンカーを紅海で攻撃

 

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利益は前年同期比減、前期比増:2024年1-3月期五大国際石油企業決算速報 (6)

2024-05-20 | 海外・国内石油企業の業績

 

II. 五社の業績比較

ここでは五社の当期利益、売上高、売上高利益率、キャッシュ・フロー及び設備投資を比較する。

 

(bpp以外は50億ドル以上の利益を確保、収益力の低いbp!)

1. 純利益[1](図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-52.pdf 参照)

国際石油企業の中で1-3月期利益が最も多かったのはExxonMobilの82億ドルであり、これに次ぐのがShell 74億ドである。第3位はTotalEnergies (57億ドル)、4位Chevron (55億ドル)であった。bpの利益は5社の中で最も少なく23億ドルにとどまっている。

 

前期(2023年10-12月)と比較すると、5社ともに増益であり、特にShell及びbp2社は前期の利益が極めて低かったため大幅な増益となっている。また前年同期(2023年1-3月)比ではTotalEnergiesがわずかながら増益であったが、ExxonMobil、Shell及びChevronは2割前後の減益、bpは8割の大幅減益であった。

 

(5社揃って前期、前年同期比で減収!)

2.当期売上高[2] (図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-51.pdf 参照)

売上高トップはExxonMobilの831億ドルであり、Shellはそれより100億ドル少ない725億ドルであった。TotalEnergies、bp、Chevron3社の売上高はそれぞれ563億ドル、500億ドル及び466億ドルでほぼ横並びである。

 

ExxonMobilの売上高を100とした場合、Shell 87、TotalEnergies 68、bp 60、Chevron 56であり、bp、Chevronの売上高はExxonMobilの6割弱にとどまる。前項で触れた通り利益面ではExxonMobil、Shell、TotalEnergies、bp、Chevronの順であり、ExxonMobilは売上及び利益の両面でトップ企業の貫録を示している。

 

2024年1-3月期のBrent原油平均価格は83.16ドル/バレルであり、前期(84.34ドル)に比べて下がっているが、前年同期(81.17ドル)よりは高い水準である。しかしながら5社全てで今期売上高は前期、前年同期のいずれよりも低く、前年同期比では価格の上昇が売上の増加に直結していない。原因が販売量の低下、ガス価格の下落によるものか、或いはその他の要因によるものか、各社の資料を分析する必要がある。

 

(Chevronの12%を筆頭にbp以外は10%の利益率を確保!)

3.当期売上高利益率 (図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-53.pdf 参照)

IOC5社の今期売上高利益率はChevronが11.8%と最も高く、続いてShellとTotalEnergiesが 10.2%、ExxonMobil 9.9%である。これに対してbpの利益率は4.5%にとどまり、他の4社に比べて大きく見劣りする。

 

前期(2023年10-12月期)或いは前年同期(2023年1-3月期)と比較すると、前期はExxonMobilが9.0%と最も高く、TotalEnergiesが8.5%でその他3社の利益率は5%を下回っている。また前年同期比ではbpが14.4%、Chevron(13.5%)、ExxonMobil(13.2%)がこれに続いている。ExxonMobil及びTotalEnergiesの2社の売上高利益率が比較的安定して高いことがわかる。

 

(続く)

 

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

 

 

[1] 「純利益」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Net income attributable to ExxonMobil (U.S. GAAP)

Shell:Incom/loss attributabel to shareholders

bp:Profit (loss) for the period; Attributable to BP shareholders

TotalEnergies:Netincome (TotalEnergies share)

Chevron:Net income

[2] 「売上高」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Total revenues and other income

Shell:Revenue

bp:Total revenue and other income

TotalEnergies:Sales

Chevron:Sales and other operating revenues

 

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見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(156)

2024-05-18 | 中東諸国の動向

(英語版)

(アラビア語版)

 

(目次)

 

第6章:現代イスラームテロの系譜(11

 

156世界を震撼させた911同時多発テロ(3/4)

2001年9月11日朝、ボストン発ロスアンゼルス行きアメリカン航空11便が午前8時14分にハイジャックされた。犯人は操縦桿を握り進路を南に変更、8時46分にニューヨーク・世界貿易センタービルの北棟に突入した。市民たちは最初何が起こったのか理解できず、小型機が操縦を誤って衝突したとばかり思った。ところがアメリカン航空11便の直後に同じ空港から同じ目的地に向かったユナイテッド航空175便が同じようにハイジャックされ、後を追うような形で貿易センタービルの南棟に突入、最初の事件を報道していたテレビニュースがその瞬間の有様を中継したことによりニューヨーク市民だけでなく世界中の人々がライブ映像で目撃することとなった。実に信じがたい光景だったのである。これにより人々は尋常ならざるテロ事件であることを理解した。

 

事件はこれだけではなかった。ワシントン発ロスアンゼルス行きアメリカン航空77便もハイジャックされ、こちらは9時38分、国防総省本部(建物が五角形の星形であることからペンタゴンと通称される)に激突した。さらにニューアーク発サンフランシスコ行きユナイテッド航空93便が9時27分に乗っ取られたが、こちらは貿易センタービルの事件を知った機内の乗客がハイジャックを阻止しようとしワシントンの北西240KMの地点で地上に激突した。時間は午前10時3分。犯人はホワイトハウス或いは国会議事堂への突入を狙っていたものと推測される。4機同時ハイジャックによるテロ事件は死者3千人、負傷者6,300人という史上最大の惨事となったのである。

 

(続く)

 

 

荒葉 一也

E-mail: Arehakazuya1@gmail.com

 

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今週の各社プレスリリースから(5/12-5/18)

2024-05-18 | 今週のエネルギー関連新聞発表

5/14 経済産業省

「省エネルギー・非化石エネルギー転換技術戦略2024」を策定しました

https://www.meti.go.jp/press/2024/05/20240514004/20240514004.html

 

5/14 ENEOSホールディングス

2024年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)

https://ssl4.eir-parts.net/doc/5020/tdnet/2437986/00.pdf

 

5/14 ENEOSホールディングス

代表取締役の異動に関するお知らせ

https://www.hd.eneos.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20240514_01_01_0906370.pdf

 

5/14 ENEOSホールディングス

役員等の人事異動について

https://www.hd.eneos.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20240514_01_01_1040009.pdf

 

5/14 ENEOSホールディングス

自己株式の取得状況および取得終了等に関するお知らせ

https://www.hd.eneos.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20240515_01_01_1040009.pdf

 

5/14 出光興産

2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

https://ssl4.eir-parts.net/doc/5019/tdnet/2439015/00.pdf

 

5/14 出光興産

業績予想値と決算値との差異に関するお知らせ

https://ssl4.eir-parts.net/doc/5019/tdnet/2439025/00.pdf

 

5/14 出光興産

代表取締役及び役員の異動内定に関するお知らせ

https://ssl4.eir-parts.net/doc/5019/tdnet/2439035/00.pdf

 

5/14 INPEX

2024年12月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)

https://www.inpex.co.jp/ir/library/pdf/result/result20240514.pdf

 

5/16 ENEOS

水素動力車両導入のための水素サプライチェーンの構築について

https://www.eneos.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20240516_01_01_0906370.pdf

 

5/17 Saudi Aramco

Aramco signs three MoUs during visit of US Secretary of Energy

https://www.aramco.com/en/news-media/news/2024/aramco-signs-three-mous-during-visit-of-us-secretary-of-energy

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中東と石油のニュース(5月17日)

2024-05-17 | 今日のニュース

(石油関連ニュース)

原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil

・石油価格、若干上昇。Brent $83.07, WTI $78.94

(中東関連ニュース)

・イスラエル、ガザRafah地区侵攻兵力を増強

・ガザの惨状は1948年のナクバを上回る:パレスチナ人、西岸でデモ

・イスラエル:国防相、ガザ戦後計画でネタニヤフ首相と対立

・米国務長官、イスラエルにガザ戦後統治計画の明確化を要望

・バハレーンでアラブ諸国首脳サミット。ガザ即時停戦を宣言

・米、ガザ地区救援物資荷揚げ用の臨時ふ頭完成、第1船、キプロス出航

・イラク、米兵力の撤退を国連に要請。ロシア、中国は支持

 

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