石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

利益は前年同期比減、前期比増:2024年1-3月期五大国際石油企業決算速報 (5)

2024-05-17 | 今日のニュース

I. 各社の業績概要(続き)

表1-D-4-22a「2024年1-3月期国際石油企業の業績(売上、損益)」参照。

表1-D-4-22b「2024年1-3月期国際石油企業の業績(キャッシュフロー、設備投資)」参照。

表1-D-4-22c「2024年1-3月期国際石油企業の業績(原油・天然ガス生産量)」参照。

 

(純利益55億ドル、売上高利益率12%、設備投資36億ドル!)

5. Chevron

プレスリリース:

https://www.chevron.com/newsroom/2024/q2/chevron-reports-q1-2024-results

(1)売上・利益・利益率

 Chevronの2024年1-3月期は売上高466億ドル、利益55億ドルで売上高利益率は11.8%であった。前期(2023年10-12月期)比では、売上高は▲4.8%減、利益は2.5倍であり、また前年同期(2023年1-3月期)比では売上高は▲4.6%、利益は▲16.3%減である。売上高利益率は今期11.8%、前年同期13.5%であり、10%を超える安定した利益率を誇っている。

 

(2)キャッシュフロー

 今期の営業キャッシュフローは68億ドル、投資キャッシュフローは▲40億ドルであり、フリーキャッシュフローは27億ドルであった。また財務キャッシュフローは▲49億ドルであった。なお同社決算資料では3月末キャッシュフロー残高は示されていない。

 今期の設備投資額は41億ドルである。

 

(3)原油・天然ガス生産量

 Chevronの1-3月期原油・天然ガスの生産量は、日量平均で原油197万B/D、天然ガス83億立法フィート(cfd)であった。天然ガスを原油に換算した原油・天然ガス合計生産量は335万B/Dである。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(155)

2024-05-16 | 中東諸国の動向

(英語版)

(アラビア語版)

 

(目次)

 

第6章:現代イスラームテロの系譜(10

 

155世界を震撼させた911同時多発テロ(2/4)

これらのテロ事件の犯人たちはいずれもムスリム(イスラーム教徒)であるが、首謀した組織や事件の背景により大きく三つに分けることができる。一つは狂信的なイスラーム主義者による単独犯的な異教徒襲撃事件であり、ルクソール事件がそれに相当する。もう一つはイスラーム反政府組織による中央政府に対する抵抗運動であり、中央アジアのイスラーム系組織によるモスクワ・テロ事件がこれである。この二つのテロはいずれも国内犯による国内事件である。

 

これに対してニューヨーク或いはケニア、タンザニアの爆弾テロは、オサマ・ビンラーデン率いるイスラム原理主義組織「アル・カイダ」が米国を標的として世界に展開したテロ活動であった。そのアル・カイダが本格的に牙を剥き21世紀初頭に引き起こしたのが「911同時多発テロ」であった。誰一人知らぬ者がないほど有名な事件であるが、ここでそのあらましを追ってみよう。

 

(続く)

 

 

荒葉 一也

E-mail: Arehakazuya1@gmail.com

 

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利益は前年同期比減、前期比増:2024年1-3月期五大国際石油企業決算速報 (4)

2024-05-16 | 今日のニュース

I. 各社の業績概要(続き)

表1-D-4-22a「2024年1-3月期国際石油企業の業績(売上、損益)」参照。

表1-D-4-22b「2024年1-3月期国際石油企業の業績(キャッシュフロー、設備投資)」参照。

表1-D-4-22c「2024年1-3月期国際石油企業の業績(原油・天然ガス生産量)」参照。

 

(売上高利益率10%、キャッシュフロー期末残高256億ドル!)

4. TotalEnergies

プレスリリース:

https://totalenergies.com/news/press-releases/first-quarter-2024-results

 

(1)売上・利益・利益率

 TotalEnergiesの2024年1-3月期は売上高563億ドル、利益57億ドルで売上高利益率は10.2%であった。前期(2023年10-12月期)と比較すると、売上高は▲5.0%減であるが、利益は13.0%の増益であった。また前年同期(2023年1-3月期)比では売上高▲10.1%減、利益3.0%増となっている。

 

(2)キャッシュフロー及び設備投資

 今期の営業キャッシュフローは22億ドル、投資キャッシュフローは▲35億ドルであり、財務キャッシュフローは▲2億ドルであった。この結果、3月末のキャシュフロー残高は256億ドルとなっている。

 TotalEnergiesの1-3月期設備投資は36億ドルであった。

 

(3)原油・天然ガス生産量

 TotalEnergiesの1-3月期原油・天然ガスの生産量は、日量平均で原油148万B/D、天然ガス52億立法フィート(cfd)であった。天然ガスを原油に換算した原油・天然ガス合計生産量は246万B/Dである。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

 

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利益は前年同期比減、前期比増:2024年1-3月期五大国際石油企業決算速報 (3)

2024-05-15 | 海外・国内石油企業の業績

I. 各社の業績概要(続き)

表1-D-4-22a「2024年1-3月期国際石油企業の業績(売上、損益)」参照。

表1-D-4-22b「2024年1-3月期国際石油企業の業績(キャッシュフロー、設備投資)」参照。

表1-D-4-22c「2024年1-3月期国際石油企業の業績(原油・天然ガス生産量)」参照。

 

(純利益23億ドル、売上高利益率4.5%、原油・ガス合計生産量146万B/D!)

3. bp

プレスリリース:

https://www.bp.com/en/global/corporate/news-and-insights/press-releases/first-quarter-2024-results.html

 

(1)売上・利益・利益率

 bpの2024年1-3月期は売上高500億ドル、利益は23億ドルである。売上高利益率は4.5%であり、他社が10%前後であるのに比べかなり低い水準にとどまっている(後述)。売上高は前期(2022年10-12月期)比で▲5%、前年同期(2023年1-3月期)比では▲12.3%の減収であった。また利益は前期比は大幅な増益である。

 

(2)キャッシュフロー及び設備投資

 今期の営業キャッシュフローは50億ドル、投資キャッシュフローは▲38億ドルであり、また財務キャッシュフローは▲24億ドルであった。この結果、3月末のキャッシュフロー残高は315億ドルとなっている。

 bpの1-3月期設備投資は43億ドルであった。

 

(3)原油・天然ガス生産量

 bpの1-3月期原油・天然ガスの生産量は、日量平均で原油106万B/D、天然ガス24億立法フィート(cfd)であった。天然ガスを原油に換算した原油・天然ガス合計生産量は146万B/DにとどまりExxonMobil (378万B/D)の4割弱である。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

 

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中東と石油のニュース(5月15日)

2024-05-15 | 今日のニュース

(石油関連ニュース)

原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil

・原油価格;Brent $83.40, WTI $79.17

・OPEC月報石油需要増見通し維持。今年225万B/D、来年185万B/D

(中東関連ニュース)

・イスラエル戦車、Rafah深部に侵攻。ガザ北部でも掃討継続

・ギリシャ首相、トルコ訪問。両国関係に解決できない問題は無い、と言明

・オマーン国王、クウェイト訪問。首長と地域情勢の意見交換

・カタール国営ファンドQIA、仏半導体企業に3億ユーロ出資

 

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利益は前年同期比減、前期比増:2024年1-3月期五大国際石油企業決算速報 (2)

2024-05-14 | 海外・国内石油企業の業績

I. 各社の業績概要(続き)

表1-D-4-22a「2024年1-3月期国際石油企業の業績(売上、損益)」参照。

表1-D-4-22b「2024年1-3月期国際石油企業の業績(キャッシュフロー、設備投資)」参照。

表1-D-4-22c「2024年1-3月期国際石油企業の業績(原油・天然ガス生産量)」参照。

 

(売上725億ドル、利益74億ドル、キャッシュフロー期末残高399億ドル!)

2. Shell

プレスリリース:

https://www.shell.com/news-and-insights/newsroom/news-and-media-releases/2024/first-quarter-2024-results-announcement.html

(1)売上・利益・利益率

 Shellの2024年1-3月期は売上高725億ドル、利益74億ドルで売上高利益率は10.2%であった。前期(2023年10-12月期)との比較では、売上高は▲7.9%減、利益は大幅増であり、また前年同期(2023年1-3月期)比では売上高は▲17%減、利益は▲16%減である。

 

(2)キャッシュフロー及び設備投資

 今期の営業キャッシュフローは133億ドル、投資キャッシュフローは▲35億ドルであり、フリーキャッシュフローは98億ドルであった。また財務キャッシュフローは▲82億ドルであり、この結果、3月末のキャッシュフロー残高は399億ドルとなった。

 Shellの1-3月期設備投資は40億ドルであった。

 

(3)原油・天然ガス生産量

 Shellの1-3月期原油・天然ガスの生産量は、日量平均で原油133万B/D、天然ガス31億立法フィート(cfd)であった。天然ガスを原油に換算した原油・天然ガス合計生産量は187万B/Dである。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(154)

2024-05-14 | 中東諸国の動向

(英語版)

(アラビア語版)

 

(目次)

 

第6章:現代イスラームテロの系譜(9

 

154世界を震撼させた911同時多発テロ(1/4)

 

21世紀は「911同時多発テロ」で幕を開けた。20世紀末の最後の10年間にもイスラームテロが多発したが、911テロはその規模の大きさと言い、世界に与えた影響と言い比較にならないものであった。

 

20世紀末の主なテロを列挙すると1992年のイエメン・アデンのホテルの爆弾事件でオーストリア人観光客2名が死亡、翌93年にはニューヨークの世界貿易センタービルで8人が死亡、1,000人以上が負傷する爆破事件が発生している。さらにエジプトのルクソールで観光客に対するテロ事件(1998年)、ケニアとタンザニアでの米国大使館同時爆破テロ(1998年)、さらに1999年9月にはモスクワで2件のテロ事件により200人以上の死者が発生している。

 

(続く)

 

 

荒葉 一也

E-mail: Arehakazuya1@gmail.com

 

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クウェイト新閣僚名簿(データベースの更新)

2024-05-13 | データベース追加・更新

下記データベースを更新しましたのでご利用ください。

 

・クウェイト新閣僚名簿(5月12日付)

 

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中東と石油のニュース(5月13日)

2024-05-13 | 今日のニュース

(石油関連ニュース)

原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil

・1-3月期のイラン原油生産量323万B/D、OPECでサウジに次ぐ2位

(中東関連ニュース)

・イスラエル、ガザ北部を再度攻撃

・イスラエルのRafah市民保護計画は信頼できない:米国務長官

・国連総会でパレスチナ正式加盟可決。米拒否権発動で実現性薄

・エジプト、南アのイスラエルジェノサイド国際司法裁提訴に参加

 

・イエメンフーシ派の航行船舶攻撃に歩調合せソマリア海賊の活動活発化

・イラク:シーア派指導者サドル師、政界復帰に意欲

・クウェイト内閣改造。水電力相他3ポスト以外は留任

・ヨルダンで東大先端技術研が中東戦略対話開催

 

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利益は前年同期比減、前期比増:2024年1-3月期五大国際石油企業決算速報 (1)

2024-05-13 | 海外・国内石油企業の業績

 スーパーメジャーと呼ばれる五大国際石油企業(ExxonMobil、Shell、bp、TotalEnergies及びChevron)の1-3月期決算が相次いで発表された。ここでは売上高、利益、売上高利益率、設備投資、キャッシュフロー及び石油・天然ガス生産量について各社の業績を横並びで比較するとともに過去2年間の四半期決算の推移を検証する。

 

 なお過去の四半期業績及び2010年から2023年までの通年の業績比較は下記レポートを参照されたい。

http://mylibrary.maeda1.jp/SuperMajors.html

http://mylibrary.maeda1.jp/oil.html

 

  1. 各社の業績概要

表1-D-4-22a「2024年1-3月期国際石油企業の業績(売上、損益)」参照。

表1-D-4-22b「2024年1-3月期国際石油企業の業績(キャッシュフロー、設備投資)」参照。

表1-D-4-22c「2024年1-3月期国際石油企業の業績(原油・天然ガス生産量)」参照。

 

(売上831億ドル、利益82億ドル、フリーキャッシュフロー101億ドル!)

  1. ExxonMobil

プレスリリース:

https://corporate.exxonmobil.com/news/news-releases/2024/0426_exxonmobil-announces-first-quarter-2024-results

(1)売上・利益・利益率

 ExxonMobilの2024年1-3月期は売上高831億ドル、利益82億ドルで売上高利益率は9.9%であった。前期(2023年10-12月期)との比較では、売上高は▲1.5%減、利益は7.7%増であり、また前年同期(2022年1-3月期)比では売上▲4.0%、利益は▲28.1%といずれも減少している。

 

 因みにBrent 原油の平均価格は前年同期(2023年1-3月期)の1バレル81ドルに対し、前期(10-12月期)は84ドルであったが、今期(2024年1-3月期)は83ドルであった。なお前期比では売り上げ減少にも関わらず利益は増加している。

 

(2)キャッシュフロー及び設備投資

 今期の営業キャッシュフローは147億ドル、投資キャッシュフローは▲46億ドルであり、フリーキャッシュフローは101億ドルであった。また財務キャッシュフローは▲80億ドルであり、この結果、3月末のキャッシュフロー残高は333億ドルとなっている。

 ExxonMobilの1-3月期設備投資は58億ドルであった。

 

(3)原油・天然ガス生産量

 ExxonMobilの1-3月期原油・天然ガスの生産量は、日量平均で原油256万B/D、天然ガス74億立法フィート(cfd)であった。天然ガスを原油に換算した原油・天然ガス合計生産量は378万B/Dである。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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