ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

道路特定財源について

2006年12月06日 | 高速道路
道路特定財源の一般財源化について、色々言われているが、なぜか賛成論も反対論も感情論になっているような気がする。

そもそも現在の自動車関連税は昭和48年から52年の道路整備五ヵ年計画の財源不足に対応するために、「暫定措置」として概ね2倍にひきあげられたが、この暫定税率はそのまま放置されている。

この高税率をそのまま道路にだけ使う、ということをしてきたのが問題であるのは間違いないだろう。使い切れないような予算には必ず利権が忍び寄る。

朝日の社説は、「これが道路族を生んだのだ」「だから一般財源化を進めるのが改革だ」といっているが、それはちょっと待って欲しい。
そもそも、道路に使うといって増やした税金が道路だけじゃ使い切れないなら、まずは元に戻すべきだろう。

それに対しても朝日はまったく感情的だ
「交通整理をする警察官や車の排気ガスによる大気汚染で病気になる人の健康保険だって一般財源だ」
って、まるで子供のけんかのような理論展開だ。

確かに自動車関連税を自動車によって悪化する環境関連や安全関係に使うということに、私は何の異論もない。むしろ大歓迎だ。

しかし、それにはいくらかかって、いくら自動車関連税から支出するのだ、という当たり前のことが示されて初めて議論のまな板にのる話だ。

自動車関連税のうち道路に使わない分を引いて、逆に環境安全など自動車の負の部分に関係する税負担を上乗せし新しい税率を決めるというのがもっとも常識的なやり方だと思うのだが。

しかし、いずれにしても全額を道路に使う、という選択肢は残されていないだろう。
ITSが「兆」の桁のマーケットになる、という話はもはや完全に夢物語ですね。