2月12日までの1週間の市場概況のまとめです。( )内は2月5日比、
◆CME日経先物:15410円(-1150円)OSC42%(-10%)RSI32%(-15%)VR改39%(-51%)↓
◆日経平均:14953円(-1867円)OSC35%(-17%)RSI31%(-18%)VR改43%(-21%)↓
◆TOPIX:1196(-173)OSC32%(-21%)RSI31%(-17%)VR改44%(-22%)↓
◆マザーズ指数:667(-123)OSC34%(-17%)RSI34%(-17%)VR改74%(-28%)↓
◆東証2部指数:3881(-484)OSC27%(-25%)RSI30%(-20%)VR改61%(-27%)↓
◆日本10年物国債先物(JGB):151.18円(-50銭)↓ 金利上昇
◆信用残評価損益率:売り残-1.843%(+4.013%) 損失幅急縮小
買い残-25.918%(-9.208%) 損失幅急拡大
◆日経平均25日移動平均乖離率:-11.9%(-8.7%)下方乖離急拡大
◆騰落レシオ(25日間)
東証1部: 57.74%(-5.29%)↓
マザーズ: 63.73%(-9.69%)↓
東証2部: 60.58%(-13.73%)↓
【海外市況】
◆NYダウ:15974(-231ドル)OSC51%(-10%)RSI52%(-2%)VR改68%(-56%)↓
◆上海総合:2763(+26)OSC53%(+11%)RSI41%(+6%)VR改57%(-20%)→ 2月5日現在。
◆ドル・円:113.25(-3円58銭)OSC44%(-3%)RSI30%(-18%)↓円高昂進
◆米10年債利回り:1.74%(-0.12%)RSI33%(+3%)↓
◆米3ヶ月国債利回り:0.3%(+-0.0%)RSI53%(-2%)→
対10年債スプレッド:1.44%(-0.12%)↓ 3%が好況の目安。
◆VIX指数:25.4(+2.02)RSI55%(+2%)↑
◆CRB指数:160(-2)RSI45%(+2%) ↓
◆WTI原油先物:29.02ドル(-1.98ドル)RSI42%(-3%)↓
◆NY金:1239ドル(+65ドル)RSI82%(+5%)↑
週末の海外市場は、3連休を控えてこれまでの売られすぎへの警戒感もあり、米小売売上高の好調さ(特にGDPの算出に使われるコア小売売上高が前月比で+0.6%と大きくプラスになったこと)が引き金となり、NY株は大きく戻し、ドル高へと振れました。
債券金利については、日本の10年債はさすがに金利を上昇させましたが、米国債は変わらずに金利を下げております。商品については、この1週間を見るとまだ下げており、金だけが先週に引き続いて急騰中。
日本ではあまり報じられておりませんが、世界経済の先行き不安といった論調の根元にあるのは、ドイツ銀行の経営危機ですね。ドイツのGDPの約15~20倍もの取引金額のデリバティブに手を染め、昨年S&Pが格付けを2段階も引き下げBBB+(投資不適格のジャンク級の3段階上)としております。リーマンブラザーズの破綻の時、CDSの最終引き受け手であったAIGまでも潰すと、それこそ世界経済が壊滅的な打撃を受けるということで、土壇場で政府救済されましたが、その時の光景を彷彿とさせる巨大銀行の危機です。
25日移動平均線からの乖離は日経225がマイナス12%弱ですが、ダウはたったのマイナス1%ほど。これほどダウとは違う動きを日本株がするのは異例のことですね。それだけ、日本の株式市場がいわゆる官製相場とやらで、これまで不自然な歪みを伴っていたことの表れかと思います。
日銀のマイナス金利の影響があれこれと取りざたされておりますが、ヨーロッパの先行する国々の例を見るまでもなく、銀行経営を圧迫するのは間違いありません。助かるのは巨額の債務を抱える政府のみ。理論的には、金利がマイナスの通貨より米ドルのようにプラスの通貨が高くなる筈ですが、既にドル高が行きすぎており(これはUSドルインデックスで見ることができます。$USDに換えて週足でご覧下さい。)、2014年央の80ポイントが利上げ直前では100ポイントまで上昇。25%もドル高となっておりました。
これは、ちょうど日銀が異次元緩和を始めた時とは全く逆の状況でした。あの時は、異次元緩和をしなくても、それまで長く続いた円高が75円まで行き着き、どうみてもそれ以上の円高には持って行けずに、ちょうど円安反転するタイミングでした。今回はそれとは逆に円高反転するタイミングでのFRBの利上げと、それを後押しするような日銀のマイナス金利の突然の発表でした。
為替市場には2013年段階でも1日に6.2兆ドルもの資金が流れ込んでおります。たったの1日です。一旦、円高のモーメンタムが優勢になった時の「円買い」の圧力は急流どころではありません。このモーメンタムに逆らうことは中央銀行でもできません。(一時的なアナウンス効果はありますが、円高の動きを押し戻す力はないということです。)
為替の円安と株高は軌を一にしますから、ここにきて、いわゆるアベノミクスは破綻、もしくは振り出しに戻ってしまったということです。言ってみれば、円安転換の時期に、アベノミクスという呪文に悪のりした連中が円安=株高に乗じて一儲けを仕掛けたに過ぎなかったということですね。沙漠に浮かぶ蜃気楼のようなものがアベノミクスだったという訳です。そして、蜃気楼なら単に消えるだけですが、年金資金を無責任体制で株に突っ込み、巨額の穴を開けてしまった、この後遺症というにはあまりに大きな傷跡は、必ずや将来に禍根を残すことになることでしょう。そしてこれまでの政策でいずれ日銀が債務超過になったと市場に認識されれば、それはそれで急激な日本売りとなり、国民生活が一気に破綻の淵に近づくことになります。
こうした危険な政策をアベノミクスの名の元に推し進める現政権の支持率が高いままであることは、これはもう形容する言葉がありません。マイナス金利という、普通の国民には「不気味」に映る政策が、いずれアベノミクスの評価に対する、一般国民の見方を一変させる可能性に賭ける以外にはないかも知れません。その程度の賢明さはまだ日本人には残っていることでしょう。
「一定の期間ならすべての人間をだますことはでき、一部の人間ならば長い間だますことはできる。だが、永久にすべての人間をだまし続けることはできない。」(リンカーン)
◆CME日経先物:15410円(-1150円)OSC42%(-10%)RSI32%(-15%)VR改39%(-51%)↓
◆日経平均:14953円(-1867円)OSC35%(-17%)RSI31%(-18%)VR改43%(-21%)↓
◆TOPIX:1196(-173)OSC32%(-21%)RSI31%(-17%)VR改44%(-22%)↓
◆マザーズ指数:667(-123)OSC34%(-17%)RSI34%(-17%)VR改74%(-28%)↓
◆東証2部指数:3881(-484)OSC27%(-25%)RSI30%(-20%)VR改61%(-27%)↓
◆日本10年物国債先物(JGB):151.18円(-50銭)↓ 金利上昇
◆信用残評価損益率:売り残-1.843%(+4.013%) 損失幅急縮小
買い残-25.918%(-9.208%) 損失幅急拡大
◆日経平均25日移動平均乖離率:-11.9%(-8.7%)下方乖離急拡大
◆騰落レシオ(25日間)
東証1部: 57.74%(-5.29%)↓
マザーズ: 63.73%(-9.69%)↓
東証2部: 60.58%(-13.73%)↓
【海外市況】
◆NYダウ:15974(-231ドル)OSC51%(-10%)RSI52%(-2%)VR改68%(-56%)↓
◆上海総合:2763(+26)OSC53%(+11%)RSI41%(+6%)VR改57%(-20%)→ 2月5日現在。
◆ドル・円:113.25(-3円58銭)OSC44%(-3%)RSI30%(-18%)↓円高昂進
◆米10年債利回り:1.74%(-0.12%)RSI33%(+3%)↓
◆米3ヶ月国債利回り:0.3%(+-0.0%)RSI53%(-2%)→
対10年債スプレッド:1.44%(-0.12%)↓ 3%が好況の目安。
◆VIX指数:25.4(+2.02)RSI55%(+2%)↑
◆CRB指数:160(-2)RSI45%(+2%) ↓
◆WTI原油先物:29.02ドル(-1.98ドル)RSI42%(-3%)↓
◆NY金:1239ドル(+65ドル)RSI82%(+5%)↑
週末の海外市場は、3連休を控えてこれまでの売られすぎへの警戒感もあり、米小売売上高の好調さ(特にGDPの算出に使われるコア小売売上高が前月比で+0.6%と大きくプラスになったこと)が引き金となり、NY株は大きく戻し、ドル高へと振れました。
債券金利については、日本の10年債はさすがに金利を上昇させましたが、米国債は変わらずに金利を下げております。商品については、この1週間を見るとまだ下げており、金だけが先週に引き続いて急騰中。
日本ではあまり報じられておりませんが、世界経済の先行き不安といった論調の根元にあるのは、ドイツ銀行の経営危機ですね。ドイツのGDPの約15~20倍もの取引金額のデリバティブに手を染め、昨年S&Pが格付けを2段階も引き下げBBB+(投資不適格のジャンク級の3段階上)としております。リーマンブラザーズの破綻の時、CDSの最終引き受け手であったAIGまでも潰すと、それこそ世界経済が壊滅的な打撃を受けるということで、土壇場で政府救済されましたが、その時の光景を彷彿とさせる巨大銀行の危機です。
25日移動平均線からの乖離は日経225がマイナス12%弱ですが、ダウはたったのマイナス1%ほど。これほどダウとは違う動きを日本株がするのは異例のことですね。それだけ、日本の株式市場がいわゆる官製相場とやらで、これまで不自然な歪みを伴っていたことの表れかと思います。
日銀のマイナス金利の影響があれこれと取りざたされておりますが、ヨーロッパの先行する国々の例を見るまでもなく、銀行経営を圧迫するのは間違いありません。助かるのは巨額の債務を抱える政府のみ。理論的には、金利がマイナスの通貨より米ドルのようにプラスの通貨が高くなる筈ですが、既にドル高が行きすぎており(これはUSドルインデックスで見ることができます。$USDに換えて週足でご覧下さい。)、2014年央の80ポイントが利上げ直前では100ポイントまで上昇。25%もドル高となっておりました。
これは、ちょうど日銀が異次元緩和を始めた時とは全く逆の状況でした。あの時は、異次元緩和をしなくても、それまで長く続いた円高が75円まで行き着き、どうみてもそれ以上の円高には持って行けずに、ちょうど円安反転するタイミングでした。今回はそれとは逆に円高反転するタイミングでのFRBの利上げと、それを後押しするような日銀のマイナス金利の突然の発表でした。
為替市場には2013年段階でも1日に6.2兆ドルもの資金が流れ込んでおります。たったの1日です。一旦、円高のモーメンタムが優勢になった時の「円買い」の圧力は急流どころではありません。このモーメンタムに逆らうことは中央銀行でもできません。(一時的なアナウンス効果はありますが、円高の動きを押し戻す力はないということです。)
為替の円安と株高は軌を一にしますから、ここにきて、いわゆるアベノミクスは破綻、もしくは振り出しに戻ってしまったということです。言ってみれば、円安転換の時期に、アベノミクスという呪文に悪のりした連中が円安=株高に乗じて一儲けを仕掛けたに過ぎなかったということですね。沙漠に浮かぶ蜃気楼のようなものがアベノミクスだったという訳です。そして、蜃気楼なら単に消えるだけですが、年金資金を無責任体制で株に突っ込み、巨額の穴を開けてしまった、この後遺症というにはあまりに大きな傷跡は、必ずや将来に禍根を残すことになることでしょう。そしてこれまでの政策でいずれ日銀が債務超過になったと市場に認識されれば、それはそれで急激な日本売りとなり、国民生活が一気に破綻の淵に近づくことになります。
こうした危険な政策をアベノミクスの名の元に推し進める現政権の支持率が高いままであることは、これはもう形容する言葉がありません。マイナス金利という、普通の国民には「不気味」に映る政策が、いずれアベノミクスの評価に対する、一般国民の見方を一変させる可能性に賭ける以外にはないかも知れません。その程度の賢明さはまだ日本人には残っていることでしょう。
「一定の期間ならすべての人間をだますことはでき、一部の人間ならば長い間だますことはできる。だが、永久にすべての人間をだまし続けることはできない。」(リンカーン)