Fish On The Boat

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『坂本龍馬』

2010-03-10 09:39:28 | 読書。
読書。
『坂本龍馬』 黒鉄ヒロシ
を読んだ。

漫画なのですが、漫画といっちゃいけないようです。
じゃぁ、劇画かといえば、それもいっちゃいけないようです。
ではなんなのか。歴画というジャンルのものだそうです。

普通の漫画とどのように違うかといえば、
著者は膨大な資料を読みこんで、フィクションのところもありながら、
要所は史実でガツンとまとめているようです。
さらに、龍馬の手紙などをそのまま現代語訳せずに
使っている場面が多数ありました。

よって、普通の漫画よりも、軽いタッチではありながら重厚感があります。
600p弱ですが、けっこう読むのに時間がかかりました。

だけど、面白かったです。
坂本龍馬の本は中学の時に、史実を追うものを読んだ気がするのですが、
まるっきり覚えていないんですよね。
それに幕末の動乱、佐幕だの攘夷だのが最近までよくわかっていなかった。
2,3年くらい前に読んだ、司馬遼太郎さんの『最後の将軍 徳川慶喜』で
当時の状況がやっとわかってきたような気がする。
それくらいの予備知識があれば、面白く読める本だと思いました。

幕末の混乱期に、伸び伸びと力強くしなやかに、
自分の生を燃やした坂本龍馬。
勝海舟という人がこの人の師匠分(上司ですが)だったのだなぁとはじめて知った。
そのほかにも、いろいろと、この時代を動かした大きなできごとの中心に
坂本龍馬がいたりしますね。
もしも彼が近江屋で殺害されなかったら、『龍馬伝』でおなじみの岩崎弥太郎が
創った三菱よりもスケールがでかくて、今なお続く大企業を作り上げた
かもしれないです。

そうそう、『龍馬伝』のように、
惚れたとか恋したとかそういうのはないですねぇ。
龍馬は子供のころこそ、泣き虫でしょんべんたれで洟たれだったようですが、
けっこうモテたみたいですね。そういうところもページを割いてくれていたら、
もっと面白かったんだろうけど、それだと上下巻組になったんだろうなぁ。
近年こそクローズアップされた人物だけれど、けっこう裏方の人間のような
ところがあるので、龍馬という人間を後世に伝える証言をしてくれる人が
少なかったんじゃないかなと思えます。歴史の闇に葬られたことですが、
龍馬の実像っていうものを知りたいもんですねぇ。

そして、龍馬の妻のおりょうさんなんですが、
この歴画でも、坂本龍馬が登場する『修羅の刻』っていう漫画でも、
裸で風呂からあがってきて、龍馬に危険を知らせたるのですが、
これって史実なんですかね。だとすると、『龍馬伝』で真木よう子さんの
真っ裸をおがめるということなんでしょうか。
って、NHKがそんなことをするわけがないですね、てへへ。

おりょうさんの言った言葉をまとめた新書もいま発売されているようです、
こないだ、本屋で見ました。そういう、傍らにいた妻から見た龍馬像
っていうのも、興味がなくはないです。
Comments (2)
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