Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

『宇宙の果てを探る』

2010-03-18 19:23:29 | 読書。
読書。
『宇宙の果てを探る』 二間瀬敏史
を読んだ。

宇宙の果てだなんて、想像できないです。
目に見えないような壁があって、そこから進めなくなっているのかな。
昔のファミコンのゲームみたいに、
これ以上スクロールしませんっていう壁があるのかな。
じゃあ、宇宙の外には何があるのでしょう。
宇宙って、何に包まれているのでしょう。
考えて想像するのは楽しいけれど、
出た発想を論理で検算することって素人には難しい。

という、本のタイトルからの印象と連想はさておき、
この本は銀河系やそれ以上の範囲での宇宙の成り立ちや様子、
太陽系の惑星の解説など、論理と観測によってわかってきた
宇宙の姿を教えてくれる本です。

僕もね、全然知識がないほうなのですが、3,4冊の宇宙に関する本を読み、
この間もニュートンを読んだりして、ちぃっとばかしの小賢しい知恵は
つけているんですよ。
そんなちょっとした知識に助けられて読み進められたのが、この本だったかなぁ。
まるっきりの知識のない人が読んでも、あんまり頭に入ってこないんじゃないかと
思われる部分もありますし、記述の仕方が不正確なところも見受けられました。
だから、この本は面白くはあるのですが、そうですね、宇宙に関して
初心者の内の中級程度の人が読むと面白いのかもしれないです。

それにしても、この本でも「暗黒物質」と「暗黒エネルギー」という
正体不明ですが、必ずあるとされているモノがでてきました。
われわれが知っている物質は、宇宙を構成する物質やエネルギーのうちの4%に
すぎなくて、残りは「暗黒物質」と「暗黒エネルギー」が占めている、と。
これだから、まだまだオカルトの入り込む余地が十分にあるんですよねぇ。
魂の領域が暗黒エネルギーだとかって言えちゃったりしないのかな。
ちょっと安易かな、これは。

ほんと、こういう本を読むと、人間社会、地球社会のちっぽけさを感じさせられます。
そんなちっぽけな世界にもかけがいのないものがあって、複雑な自然のシステムがあって、
ドラマがあり、涙があり、笑顔があり、おばかさんがいるっていうわけで。
小さな世界にも、たとえば人体の細胞レベルの働きだとかにも宇宙を感じさせられる
ものがあって、中くらいの世界の、たとえば人との出会いや偶然などにも
宇宙を感じさせらるものがあって、そして言わずもがな、大気圏を飛び出した本物の
宇宙にはそれこそダイナミックな世界が繰り広げられていて…。
これだけのいろいろな宇宙を人間は小さな脳みそで把握しようとするけれど、
それってすごく難しいんじゃないのって感じさせられますね。
おおまかに宇宙を感じるってことだけでも、その知的生命体レベルとしては
すごいことなんだと思います。

もうねぇ、「生命の進化」っていうのは「宇宙への挑戦」なんじゃないのか。
何十億年もかけて進化してきて、これからも進化していく可能性を持っている。
滅びることも十分考えられるけれど、宇宙っていうのはそういった生命を
生み出すための工場かもしれないなんて思ったりしますね。
いや、生命はただの副産物ということも十分あり得ますけども、
それでも、こんな複雑なものが生まれるようにビッグバンの時かそれ以前から
仕組まれているんでしょう、きっと。偶発的に生まれたものではないでしょうに。
宇宙は、というか、宇宙も地球もなにもかも含めた「世界」っていうものは、
考え抜かれて作られている。その考えを、はたして人間は知ることはできるのだろうか。
不可知論者の僕には、それは無理だよ、としか言えませんね。

あぁ、だいぶ本から離れた感想になった。
Comments (2)
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