まつや清の日記 マツキヨ通信

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尖閣諸島 何故購入は4島でなく3島か 世界8月号 豊下楢彦論文

2012年09月04日 | ニュース・関心事
病院入院中に世界8月号”「尖閣列島」問題の陥没」という関西学院大学豊下楢彦教授の論文を読み今更ながらに尖閣諸島の歴史的意味合いの深さに驚きました。氏は昨年1月号にも”「尖閣問題」と安保条約”を論じています。

構成は、①購入対象は3島から4島へ、②米国の「あいまい」戦略、③「固有の領土」と「固有本土」、④歴史に「新たな答え」を、⑤「愚かな試み」を超えて。氏は、東京新聞にて石原都知事に「なぜ購入は3島か」を質問。
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知事は、直接答えずに記者会見で「4島購入」を打ち出しましたが、今回の物件調査は3島、TV報道でも魚釣島と北小島、南小島だけが写っています。もともと尖閣諸島は先の3島と国有地の大正島と個人の所有の久島の5島。

久場島は3島所有の地権者の妹の所有。久場島と大正島は、日米安保条約によって米軍に「射爆撃場」として米海軍に供され、2島は海上保安庁の区域表に明の時代の中国名で記載され、「米軍の許可」なしに立ち入れない場所。

なぜ、石原都知事も日本政府も4島国有化を宣言しないのでしょうか。氏は、②で米は「尖閣諸島は安保対象地」としながらも基本的には「主権問題に立場を表明しない」経過について。③では「固有の領土」概念のあいまいさ。

国境が絶えず動いてきたヨーロッパで「固有の領土」概念は存在せず。日本は1945年の連合国との和平交渉で「固有の領土は沖縄、小笠原、樺太」、「固有本土を守るために捨てる」対象として差別する二つの領土概念を使用。

「尖閣諸島をめぐる衝突問題は、否応なしに米国を巻き込む性格を有する」と指摘しています。確かに、中国ナショナリストはなぜ久場島に上陸しないのだろうか、日本ナショナリストはなぜ久場島を国有化しないのだろうか。

氏は、今日の事態が中国の「横暴さ」と米国の「無責任さ」の間で翻弄されている日本の生きる道として、「固有の領土」論放棄、資源の共同調査、東アジア漁業委員会設置、沖縄の存在意味、安全保障会議の常設化を説きます。

読んでみてください。考えさせられます。