まつや清の日記 マツキヨ通信

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安倍首相 ついにリニアに3兆円の融資 本日リニアに関し静岡県・静岡市に3点の公開質問状

2016年06月02日 | ニュース・関心事

1、経団連が求めるた土壌汚染法規制緩和、2、JR東海が示した土石流シミュレーション、3、導水路トンネル環境保全協定。6月8日(水)10:00葵消防署7階会議室での静岡市有識者会議の傍聴を!


※川勝平太静岡県知事様             
和田秀樹静岡県中央新幹線環境保全連絡会議会長様
2016年6月2日
      リニア中央新幹線に関する公開質問状
静岡県山岳連盟 代表 滝田博之      
静岡市山岳連盟 代表 松永義夫
静岡県勤労者山岳連盟 代表 竹本幸造
公益社団法人 日本山岳会静岡支部 
代表 大島康弘                  
連絡先 427-0011島田市東町1584 tel 0547-34-3032
南アルプスとリニアを考える市民ネットワーク静岡
 共同代表 八木 功 有元利通 服部 隆 増田和明 松谷 清
    連絡先 静岡市葵区鷹匠3-3-1地球ハウス
℡054-209-5676 Fax054-209-5675
             
東海旅客鉄道株式会社(以下「JR東海」)が推進するリニア中央新幹線について静岡県は「環境保全連絡会議」を、静岡市は「「建設事業影響評価協議会」をそれぞれ設置し、南アルプスの自然環境の保全とユネスコエコパークの理念との整合を絶対条件として、JR東海に毅然とした対応を示してきました。こうした中、5月20日は全国738名の市民から国土交通省に対して許可取り消しを求める行政訴訟が提起されました。JR東海社長の柘植康英社長は「国を相手取った訴訟で当事者ではない」など他人事とする始末ですが、安倍首相は「大阪延伸前倒しに向けた財政投融資活用による財政支援策」を打ち出し柘植社長は「歓迎する」と国家プロジェクトの様相を強めています。
行政訴訟においては1都6県における様々な問題を争点としていますが静岡県においては特に360万㎥の残土、大井川の流域水量の毎秒2tの減少が大きな問題となってきました。これらを踏まえて県は2月25日にJR東海に対して導水路トンネルに関する申し入れ、3月28日に環境保全連絡会議にてJR東海による大井川における土石流シミュレーションの審議、6月8日には静岡市建設事業影響評価協議会でもこの土石流シミュレーションが示される予定です。一方で、昨年3月経団連から環境省にトンネル掘削残土の自然由来の有害物質の規制緩和を要請されていたことも明らかになりました。
この時期に静岡県、および環境保全連絡会議の基本姿勢を確認しておくことはこれからのJR東海の姿勢を厳しくチェックしていく上で重要なことであると考え以下の質問をいたします。6月8日までの回答を求めます。尚、次回の中央新幹線環境保全連絡会議においてこの質問状を議題として取り上げていただくことも要請します。

「1」 経団連の土壌汚染対策法の規制緩和要請について
1、 2014年6月の土壌汚染に関する環境大臣意見は、①土壌汚染の拡散防止に向け自然由来の重金属等の汚染状況の定期検査、工事着手前の具体的計画の策定、②自然由来の重金属等の汚染土壌の適正管理及び処理、③要措置区域外であっても運搬、及び処理にあたり法の規定に従うこと、としているが静岡県はこの問題についてどのように認識されているのか。
2、 JR東海は360万㎥の残土処理計画において、自然由来の重金属等有害物質についてどのような処理計画を示しているのか、県とどのようなやり取りをされているのか。
3、 掘削工事においては発生する排水に重金属等汚染物質が混入することが予測される。環境大臣意見では湧水対策の中で水質管理を求めているが、工事に伴う排水の水質、処理について静岡県はどのように認識されているか。
4、 JR東海は、どのような処理計画を示しているのか。
5、 2015年9月に「特区内における自然由来の汚染土壌の取り扱いについて」という閣議決定がなされているが、自治体の特区申請が行われた地域においては規制緩和が可能となるが、静岡県はこの閣議決定をどのように認識されているのか。

「2」 JR東海の土石流シミュレーションについて
1、 2014年3月の環境影響評価における県知事意見は「同地に大量の建設発生土を置き、流失防止のために擁壁を築くとすれば、自然環境と景観に影響を及ぼすこととなり、さらには土石流が発生した場合、直線的な人工的通路を通って一気に狭窄部に流入することにより、以前にも増して下流側への環境影響の拡大が懸念される」としている。
① 3月28日に示された土石シミュレーションは環境影響評価手続きにおける回答となったと認識されているのか。
② JR東海の環境影響評価書において、発生土置場などの候補地は、電力会社等が使用した工事ヤード跡地や人工林等を選定しており」とある。JR東海が示した土石流シミュレーションの燕沢の巨大盛土は工事ヤード跡地の北側がメインとなっているがこれをどのように評価しているか。
③ 発生土置場対岸は大崩壊地であるがどの程度の規模の土砂移動で河道閉鎖に結びつくのか。
④ 空中写真の履歴により、崩壊規模は拡大傾向にあると判断されるが、現時点でJR東海としては安定性について明らかにしていないが、今後どのように調査・予測するのか。
⑤ 将来的に下千枚沢の屈曲点まで崩壊が及び、河川争奪と流路変更が起こるのではないか。
⑥ 燕沢平坦地は流路変動の激しい場所である。発生土置場は大井川の流路の固定化をもたらすことになるが、このことで右岸側の側方侵食を強化しないのか、側方侵食が右岸斜面の大規模崩壊地に与える影響をどのように予測するか。また、水生生物への影響はどのように予測されるか。

2、 燕沢付近には、ヤナギ科の落葉高木でポプラに近い種類のドロノキという樹木が広がっている。このドロノキの葉を餌としている環境省のレッドリストで絶滅危惧種Ⅱ類、静岡県レッドリストでは絶滅危惧ⅠA類に指定されるオオイチモンジというチョウが生息している。
① ドロノキは寒冷地の流路変動の激しい礫床河川に特有な樹木であるが、この発生土置場・巨大盛土によって川の流れが固定化されることで生育環境・生態系は破壊されることはないのか。
② その意味で燕沢平坦地は数十年間の間に流路が変化していく中で生まれその環境でドロノキが生育していたとすれば、この平坦地全体が河川環境空間として認識することはできないのか。
③ これら河川環境空間を巨大な発生土置場・巨大な盛土が破壊していくことにならないのか。

「3」 導水路トンネル工事について
静岡県は、2月の25日の申し入れという形で、多くの市民が懸念する導水路トンネルの自然環境破壊に対して懸念を表明した。
1、 これは導水路トンネル工事が、環境大臣意見にある「新たな自然環境の改変」と認識したということであるのか。
2、 申し入れした環境保全協定とは、環境影響評価手続きに準ずるものとして認識されているのか。
3、 水枯れが心配される導水路トンネル直上の河川や沢について、私たち市民団体が静岡市のJR東海の環境問題担当窓口で何度も指摘してきたが「調査はするが水枯れが起こることはやむを得ない」とする姿勢を見せてきたが、静岡県の申し入れにJR東海はどのような回答を示し