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11月1日静岡県知事の要請に基づきJR東海・国際航業が地質構造・水資源専門部会メンバー・県スタッフに段ボール14箱分の水資源資料の説明会。このことを踏まえて第2回専門部会そして2017年2月以来のリニア新幹線環境保全連絡会議が本日の午後の時間帯に連続して開催されました。JR東海と静岡県、各メンバーとのバチバチの緊張感が漂っていてとても充実。水資源専門部会もそうでしたが環境保全連絡会議でも難波副知事がJR東海の「大井川下流域の地下水には影響はない」との発言に「開発において環境に影響がないなどと発言する姿勢が問題だ」と大喝!拍手!でした。
11月27日(火)10:30~静岡市議会3階会議室において有識者会議メンバーの塩坂邦雄さんからの講演と静岡市職員による大井川水資源調査報告が行われます。関心のある方はご連絡ください。
詳細は後日となりますが今日の会議の気になった点いくつか。
1、連絡会議においてパワーポイントスライドで初めてトンネル湧水量の数値が示されたこと。この2.67㎥めぐり導水トンネルに戻すポンプの力が10㎥/分ではポンプが何台あればいいのか、との疑問が出され、JR東海は1か所ではないとの説明を行い、どの場所での湧水量なのか不明でした。
2、先立つ有識者会議においては、南アルプスの水平ボーリングは何本もあるが垂直ボーリングは山梨県側での3本のみ。これでは大井川の水の減水量分析のために必要な透水係数を確定できない、「2t/s」の根拠はなかったと全委員が確認。環境保全連絡会議で塩坂委員からの質問にJR東海は「二軒小屋地下に250mと300mのボーリングを行ったデータが14箱の段ボール箱の中にある」との発言を行い開示することになりました。
3、驚きは、森下裕一(静岡大学教授)有識者会議座長が「JR東海は全量を戻すと約束したのでこの会議の役割は、先進杭、本工事の中で具体的なデータを出してもらいながら意見を出していくことになる」という工事を容認するかのようなまとめを行ったこと。これにはさすがに、難波副知事が後段に述べる塩坂さんの主張を擁護する形で「事務方としての反論」を明確に示してくれました。
4、環境保全会議では、塩坂委員から「トンネル工事の中で破砕帯にぶつかれば被圧帯水層にあった水が一気に噴出する、それを導水トンネルに戻しても西俣に戻さなければ上流部の生態系は破壊されるし、戻すという2t/sは安定的に担保されない、担保するためには西俣に地下ダムを造る必要がある、そのことなしに工事というわけにはいかない」。これは持越し。
5、生物多様性専門部会メンバーの山田久美子さん、環境保全会議会長代理の板井隆彦さんからも「西俣に水が戻されるとして水温、水素イオン濃度、重金属などにより自然生態系は壊滅的に破壊される」と。難波副知事から「今日は水資源での会合だが、改めて生物多様性についてもJR東海に質問状を出すのでその回答に基づいて対話の機会を作りたい」とまとめました。昨日の川勝知事の河川管理権に基づく対応については「権限ありきの姿勢ではなく誰もが納得できる対応をJR東海にしてもらいたいという意味」との発言もあり。