まつや清の日記 マツキヨ通信

静岡市議会議員 まつや清の日常を毎日更新!

スマホのマイナンバー化でコンビニでの印鑑証明交付を可能にする条例改正に反対!

2023年07月11日 | 市政

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スマホのマイナンバー化でコンビニでの印鑑証明交付を可能にする条例改正に反対!
1, 市民Gの総点検後に条例改正の検討要望、2,個人情報保護委員会の立入り調査!
3, 河野大臣の混乱直視しない強引さ、4,コンビニサービス利用拡大と窓口人材配置!
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4つの反対理由あげ、改めてマイナンバー制度、マイナンバーカードの役割、マイナポータルの位置づけが、この3年で大きく転換しており市民への丁寧根な説明が必要で、個人情報のコントロール権を軸に、下からの、ボトムアップ型のデジタル化を求めました。

※討論原稿
9月議会第124号議案反対討論      2023年7月11日

 ただいま上程されております第124号 コンビニでスマホを活用して印鑑証明を申請・取得できるようにするための印鑑条例の一部改正に緑の党として反対討論を行います。
 この印鑑条例の改正は、2021年度に「デジタル社会形成基本法」と合わせて「電子署名に係る地方公共団体システム機構認証業務に関する法律」の改正により根拠づけられています。2022年6月「デジタル社会の実現に向けた重点計画」で閣議決定されマイナンバー機能のスマートフォン搭載の実現に向けた取り組みが始まりこの5月に関係システムの構築が終わり静岡市議会に提案されているという経過であります。

反対理由の第一は、6月19日、「紙の健康保険証の存続を求める実行委員会」からマイナンバーカード巡るトラブル発生の中、政府による「コロナ禍並みの総点検」が終了したのちに改めて条例改正を検討すべきとの要望が出されておりますが、この趣旨に賛同する点であります。
横浜市や川崎市のコンビニでの住民票など誤発行は富士通システムのシステムの問題で点検・改修が終わり再開されましたが6月30日に「住民票発行を申請してから住民票が発行されるまでの間に住民情報の一部が変更された際、データの不整合が発生するという障害」が発生したこととの関連で富士通は再度の総点検に入りました。
静岡市においてはシステム事業者が異なる、NTT,富士フィルムになりますが、静岡市においても同時申請、申請中の住民情報の変更など様々な想定のもとにシステム点検の必要性があります。市民局のよれば開発の際、60の同時申請があっても発行されたが70回では誤発行はなかったが発行しなかった、とのことです。申請中の住民票情報の一部変更についてはチェックしていない、とのことです。今回の印鑑条例の改正はスマホのマイナンバー化を図るものですが、仮に条例が可決されたとしても政府の総点検が終了しなければコンビニでのシステム改修を始めることができないだろうと考えます。総点検について難波市長は7日の定例記者会見で「拙速に総点検をやるということでなく国と話しあってすすめていきたい」発言されております。知事会からの緊急要請もあります。条例改正を急ぐ必要はないと考えます。

反対理由の第二は、この間のマイナンバーカード巡るトラブルに政府内で極めて独立性の強い機関である個人情報保護委員会によるデジタル庁も含めた調査が始まろうとしている点です。個人情報保護委員会はこの4月から1700余りの自治体の個人情報後条例の改正の際に自治体の個人情報保護審査機関を廃止し中央集権的にその役割をも担うとして設立されたものです。デジタル庁が進めてきたこの間の施策により個人情報の流失・漏洩が起きたわけであります。その結果を見守る必要があります。

反対理由の第三は、マイナンバーカードの問題はデジタルトランスフォーメーションの中で大きな位置を占めており、国民に納得してもらうには「丁寧な説明」と「政府への信頼回復」の努力が必要であるにもかかわらず、河野デジタル担当大臣は、何らそうしたことへの配慮がなく、人為的トラブル、委託事業者の技術的不完全さなど他社に責任を押し付け、謝罪の言葉は口先だけ、何の責任を取る姿勢も示していない点であります。
国民にとってカードを持つことによるメリットを全く感じない、取得率は40%台、ならばと1兆8000億円をつかってのポイント付与事業となりましたが、それでも70%の取得率という状況です。そうした中で、2022年、昨年の10月に河野大臣の紙の保険証を廃止、マイナ保険証に転換するとの表明、マイナンバーカードの取得を義務付けが始まりました。しかし、現場においてカードリーダー使ってのマイナ保険証利用の中で入力ミスの発覚や「本人同意を前提」にしていますが個人の医療情報の取り扱い、高齢者施設での申請困難者のカード管理を巡る混乱が発生しています。厚生労働省も総務省もマイナンバーを保持しない市民への資格証明書発行にかじを切っており政府の方針も揺れています。発行所2024年秋の「紙の健康保険証廃止」は撤回されるべきものであります。

反対理由の第四は、コンビニでのマイナンバーカードを使った住民票、印鑑証明など取得など公共サービスの利便性向上ということでマイナンバーカードの取得を進めてきていますが、実際にどのくらいの市民が利用しているか、またこの窓口業務の効率化、人員を新たな需要が求められる政策分野の配置転換など、現段階において議論のできる状態ではないのではないか、受け止めている点です。
戸籍管理課にいただいた資料によりますと、データとして昨年度分はないのですが2020年度1年間の印鑑証明交付数は19万1176枚、21年度は17万1074枚、2万102枚、10.5%減少しています。20年度の窓口交付数は17万4135枚、コンビニ1万7041枚、91.1%対8.9%です。21年度は、窓口交付が14万1861枚、コンビニが2万9213枚、割合は82.91%と17.1%。コンビニ利用者割合は2倍になりました。利用料は300円、コンビニはJRISに117円支払っています。
住民票もほぼ同じ傾向です。これらをどう分析してスマホによる印鑑証明の交付を位置づけるかになります。コンビニ活用の公共サービスの費用対効果について議論をする必要があります。

最後に、マイナンバー制度について論じておきたいと考えます。この制度は納税者番号や社会保障番号をマイナンバーで紐づけて公共サービスを効率的、質的にレベルアップする制度です。マイナンバーカードは任意取得でE-taxネット申請のための本人の公的個人認証のためのものでもありました。ところが、任意の制度設計上の位置づけを変えることなく義務化に転換しました。またカードは、本来の自己情報を確認の場であったマイナポータルに入るための手段でもありました。ところが、本人確認のためのシリアル番号を活用して本人確認を前提にした経済活動への活用や法的制限の緩いカード内チップに免許証、介護保険証、お薬手帳、障がい者手帳など個人情報を詰め込もうとしており、拡大していこうとしています。
個人情報がどう使われるか、自己チェックの場であったマイナポータルは個人情報の集積の場になろうとしています。6月に参議院で可決した「紙の健康保険証廃止」に係る関連法案の可決により、政府は将来において全国医療情報プラットホーム化をもくろんであおり、公金口座との紐づけは全資産の管理に結びつけようとしています。因みに5月段階のマイナンバーカードの取得者は9500万人、健康保険証切り替えが6037万人、68.4%、公金受け取り口座登録は5305万人、60.1%です。
政府は「マイナンバーカードはデジタル社会のパスポート」と呼んでいますが、所持しないと生活できない社会を作る、個人情報の国家的管理、だれ一人取り残さない監視社会の形成に向かっているように見えます。ここはせっかくの総点検の場が与えられているとすれば、改めてマイナンバー制度、マイナンバーカード、マイナポータルの在り方を市民にきちんと説明を行うチャンスとすべきであります。その際の大前提は上からのデジタル化でなく個人情報のコントロール権を前提にしたボトムアップ型、下からのデジタル社会の形成が求められているということ、市長が進める市政変革研究会でもDX取り上げる必要があることを指摘して反対討論を終わります。