イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「ブルーオーシャン戦略」読了

2012年08月21日 | Weblog
W・チャン・キム、レネ・モボルニュ/著 有賀裕子/訳  「ブルーオーシャン戦略」読了

ブルーオーシャン戦略というのはサムソンがこれを採用して成功したというので一躍有名になったマーケティング戦略だ。
著者のひとりが韓国人だったというご縁なのだろうか。

競争の激しい市場で戦うのではなく、新しい市場を創造して競争のない世界で利益を享受しようというものだ。
よく考えたら、普通の経営戦略でSTPの穴のあいているところを狙っていきましょう。といような感じがしないでもないが、やっぱりちょっと違うらしい。
しかし、本文の中にはユーロは安泰だとか、モードはすばらしいとか、今となっては負け組みを絶賛しているのだからこの戦略もたいしたことはないんじゃないかと勘ぐってしまうのだ。

そして、この戦略を実践するためには、メンバーの信頼、献身、自発的な協力が欠かせないとされているが、実際の世界、特にウチの会社ではそんなものを求めようとしてもまったく無理なのである。
何もしないのが当たり前で、斬新とまでは望まないから何か新しいことを考えてくれと思っても前年踏襲を是としか考えていない。
こいつらは何が楽しくて会社に来ているのかとこっちも考えてしまうから信頼も献身もあったものではない。

ドラッカーはマネージメントとに不可欠なもののひとつとして“真摯さ”を挙げているが、それもメンバー間の信頼があってこそ生まれるものであるはずで、こいつらに託しても何の答えも返ってこないとわかってしまうと真摯さも吹き飛んでしまう。

僕の義務のひとつには部下の指導育成というものがあり、社長は考え方を変えろと鼓舞しているが、穴のあいたザルに一所懸命水を注ぎ込んでも何も貯まるまい。
企業の体質というのは因果なものだ。
もちろん、僕もその体質にどっぷり浸りきっているので、ここに書いた“こいつら”にも偉そうなことを言えないのはわかっているのだが・・・。

ウチの会社で、ここに書いた、“STP”という言葉の意味をすぐに答えることができる管理職はどれくらいいるだろうか?
これがウチの企業体質の腐り加減を証明している。
それでも何とか給料はいただけているのだから、この会社もたいしたものだ。ありがたいと感じておこう。
コメント
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