小池伸介、北村俊平/著, 編 きのした ちひろ/イラスト「タネまく動物:体長150センチメートルのクマから1センチメートルのワラジムシまで」読了
「タネをまく」ではなく、「タネまく」動物というタイトルだったので読んでみようと思った。そこにはなんとなく意図のない自然への愛おしさが漂っている気がしたのである。
動物は意図してタネを撒いているわけではないがいろいろな方法で植物の種を運ぶことで植物の分布を広げることに貢献している。
動物が植物の種を散布するから動物散布と言われる種撒きであるが、細かく分けると被食散布、貯食散布、付着散布に分けられる。文字通りの散布方法である。
種が地面に落ちるだけではダメなのかと思ったのだが、確かにそれでは次の世代もそこに留まるだけだから勢力を広げることができない。風に乗せて運ぶ手法を持たない植物は誰かに運んでもらうしかなく、動物に食べてもらったり引っ付いたり体毛や羽毛に潜りこんだりしながら数メートルから数百メートル、時には数百キロメートルも離れたところに着地するのである。
植物の種はそのために、あるものは果実を膨らませ、あるものは棘や粘液を纏う。またあるものはエライオソームという栄養物質を装備した。
しかし、こういうことを専門的に研究しているひとがいるというのにも驚かされる。対象の動物が何時間でどれだけの範囲を行動するのかとか、食べてから排泄されるまでどれくらいの時間がかかるかとかを調べて、種が運ばれる距離を推算してゆくのである。
果実や種は動物にとっては食料である。動物にとってはただそれだけであるが、植物にとっては結果として勢力拡大の手段となっている。自然の巧妙なシステムがそこにあったということである。
そこには“を”という文字はないということだ。
「タネをまく」ではなく、「タネまく」動物というタイトルだったので読んでみようと思った。そこにはなんとなく意図のない自然への愛おしさが漂っている気がしたのである。
動物は意図してタネを撒いているわけではないがいろいろな方法で植物の種を運ぶことで植物の分布を広げることに貢献している。
動物が植物の種を散布するから動物散布と言われる種撒きであるが、細かく分けると被食散布、貯食散布、付着散布に分けられる。文字通りの散布方法である。
種が地面に落ちるだけではダメなのかと思ったのだが、確かにそれでは次の世代もそこに留まるだけだから勢力を広げることができない。風に乗せて運ぶ手法を持たない植物は誰かに運んでもらうしかなく、動物に食べてもらったり引っ付いたり体毛や羽毛に潜りこんだりしながら数メートルから数百メートル、時には数百キロメートルも離れたところに着地するのである。
植物の種はそのために、あるものは果実を膨らませ、あるものは棘や粘液を纏う。またあるものはエライオソームという栄養物質を装備した。
しかし、こういうことを専門的に研究しているひとがいるというのにも驚かされる。対象の動物が何時間でどれだけの範囲を行動するのかとか、食べてから排泄されるまでどれくらいの時間がかかるかとかを調べて、種が運ばれる距離を推算してゆくのである。
果実や種は動物にとっては食料である。動物にとってはただそれだけであるが、植物にとっては結果として勢力拡大の手段となっている。自然の巧妙なシステムがそこにあったということである。
そこには“を”という文字はないということだ。
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