ジョナサン・ウォルドマン/著,三木 直子/訳 「錆と人間」読了
“錆”をテーマに書かれた本であるが、僕もひたすら錆と戦っている。船はどこからでもさびてくるし、包丁もしかりだ。どれだけ水を切ってもうっすらと錆が浮いてきてしまう。
この本を見たとき、きっと、人類が錆と戦ってきた歴史と、錆を止める方法を解説したものだろうと思ったのだが、実際はアメリカの防蝕職人たちのドキュメンタリーであった。
自由の女神の修復、軍艦、パイプラインの防蝕、アルミ缶の精巧なつくり。などなど・・・。
文章がアメリカ人独特の言い回し(というのかどうか。)でかなり退屈に読み進まなければならないし、何のノウハウの掲載もない。340ページを読みきるのは難儀であった。
ただ、1章だけ他とは違った趣の章があった。閉鎖して錆びれた製鋼所の写真を撮り続けている女性カメラマンのドキュメントだ。この章だけは錆を容認している。金属は人間が精錬した瞬間から錆びることが運命付けられている。それは本来の姿に戻ってゆくという意味なのだからそれに抗うというのは自然の摂理に反すること。それならば自然のままに錆びてゆくのを見守るべきではないのか。
そんな内容だった。まったく防食とは正反対の見解なのだが、ぼくはなぜかそっちのほうを支持してしまいそうになってしまった。
ただ、他人の物は錆びていただいて大いにけっこうだが、僕の持ち物だけは絶対に錆びてほしくないのだ。
“錆”をテーマに書かれた本であるが、僕もひたすら錆と戦っている。船はどこからでもさびてくるし、包丁もしかりだ。どれだけ水を切ってもうっすらと錆が浮いてきてしまう。
この本を見たとき、きっと、人類が錆と戦ってきた歴史と、錆を止める方法を解説したものだろうと思ったのだが、実際はアメリカの防蝕職人たちのドキュメンタリーであった。
自由の女神の修復、軍艦、パイプラインの防蝕、アルミ缶の精巧なつくり。などなど・・・。
文章がアメリカ人独特の言い回し(というのかどうか。)でかなり退屈に読み進まなければならないし、何のノウハウの掲載もない。340ページを読みきるのは難儀であった。
ただ、1章だけ他とは違った趣の章があった。閉鎖して錆びれた製鋼所の写真を撮り続けている女性カメラマンのドキュメントだ。この章だけは錆を容認している。金属は人間が精錬した瞬間から錆びることが運命付けられている。それは本来の姿に戻ってゆくという意味なのだからそれに抗うというのは自然の摂理に反すること。それならば自然のままに錆びてゆくのを見守るべきではないのか。
そんな内容だった。まったく防食とは正反対の見解なのだが、ぼくはなぜかそっちのほうを支持してしまいそうになってしまった。
ただ、他人の物は錆びていただいて大いにけっこうだが、僕の持ち物だけは絶対に錆びてほしくないのだ。