ミーロの日記

日々の出来事をつれづれなるままに書き綴っています。

たのしみは・・・

2013-06-14 16:10:00 | 日記
江戸時代末期、越前国(現在の福井県)に生きた歌人、橘曙覧(たちばなあけみ)は、千二百首あまりの和歌を残したそうですが、中でも五十二首の和歌からなる「独楽吟」(どくらくぎん)は、どれも読みやすく、ふふっと笑ってしまうような歌もあったりして、和歌のことがよく分からなかった私でも夢中で一気に読んでしまいました。

独楽吟に納められた和歌は、どれも「たのしみは~」で始まって「~する時」で終わるという特徴があります。

さて橘曙覧ですが、幼い時に父母を亡くし、けっして恵まれない生い立ちの中で紙商の家業を継ぎました。

21歳で妻をめとりますが、学問や和歌への想いが大きく、結局は家業を異母兄弟に譲って家を出ます。

その後、極貧生活の中で本居宣長派の国学を学び、伝統にとらわれない和歌にいそしんで、徐々にその名が知れ渡るようになります。

しかし富や権力は一切求めず、ひたすら生涯にわたり清貧に甘んじて、風雅の道に喜びを求める生き方を貫き通したそうです。

独楽吟に納められている和歌は、お金は無くても幸せに生きられる、日々の暮らしの中にたくさんの幸せや喜びがあることを歌っていて、どれも多くの現代人が忘れてしまっている大切なことを教えてくれるような歌ばかりです。

独り静かに居ることを楽しみ、家族団らんを楽しみ、ささやかな食を楽しみ、貧乏を楽しむ。

読書や歌を楽しみ、買い物を楽しみ、野山を歩くことを楽しみ、友達との交流を楽しむ。

それから、日本に生まれたことを楽しむ。

独楽吟の和歌に歌われているのは、特別なことではなく、誰でも気づきさえすれば、すぐにでも幸せな気持ちになれることばかりです。


たのしみは すびつのもとに うち倒れ ゆすり起すも 知らで寝し時

冬の昼下がりに火鉢のそばに居たら温かくて、いい気持ちになって眠気が襲ってきたのだろうな。

奥さんにゆすられても、深く寝入った身にはそれも気づかぬほど、いい気持ちで眠ってしまったなんて。

うんうん、分かるなぁ。気持ちいいんだよね。冬の午後の昼寝って最高!


たのしみは 空暖かに うち晴れし 春秋の日に 出でありく時

雲ひとつない晴れ渡った暖かい春や秋の日、あちらこちら歩き回る楽しみ。

私もスロージョギングしながら、道端の草花や自然の景色を眺めるのが好き。

心がうきうきしてくる!


たのしみは いやなる人の 来たりしが 長くもをらで かへりけるとき

これには笑ってしまう。

日ごろから嫌だと思っている人が、長居をしないで帰ってくれたことにホッとして、思わず歌にしてしまったのだろうか。

しかし、気持ちは分かる!(笑)


たのしみは 神の御国の民として 神の教えを ふかくおもふとき

神の御国の民として・・・というのは神国日本の国民としてという意味。

神々の教えを受けて、その尊さに深く思いをいたすとき、この国に生まれたことを心から感謝したいと思う。

数えるほどしか外国へは行ったことはないけど、ぜったいに、間違いなく日本はいい国だと思う。











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