先日は高齢者住宅に入っている父の病院の診察日だったので、一緒に行ってきた。
父の通う病院は高齢者住宅のすぐ隣にあり、その距離わずか200メートルほどの近さなのだが、認知症になってから、父はそんな近い場所であっても迷う恐れがある。
昔から行っている場所ならまだ分かるのだろうが、最近通うようになった所は、何度行ってもまず覚えられないようだ。
そして、病院まで迷って辿り着けないというのも心配だったが、ここ最近また身体がずいぶん弱ったように見えるので、とても一人で行くのは無理だろうということもあった。
午後2時に診察の予約を入れてあったので、すこし余裕を持って家を出ようと思っていた。
ところが、家を出る間際に急用ができてしまい、ようやく用事を済ませて、急いで車で父の元へ向かったが、時間の余裕がなくなってしまった。
でも、このまま行けば2時には間に合うだろうと思っていたら、今度はなんと途中で渋滞になってしまった。
この道は、平日の午後は営業車がたくさん走っていることを忘れていた。
父が待っているかもしれないと思うと気持ちは焦るばかりだが、車が進まないので仕方が無い。
そこで、進まない車の中から父に電話をした。
「お父さん、今そっちに向かっているから待ってて。必ず行くから」と言うと、「分かった」との父の声にすこしホッとして、なんとか父の部屋に1時50分に着くことができた。
病院は隣なので10分あれば間に合う!
それに、さっき父に電話をかけたから、きっと父はすぐ出発できるように準備して待っているはずだと思って、父の部屋に入ったが、まさか・・・部屋には父の姿がなかった。
待ちきれず、一人で行っちゃったんだろうか?
いやいや、高齢者住宅の職員さんがいるのだから、そんなハズは無い。
大慌てで、トイレや食堂などを探し回っていたら、お風呂場から父の声が聞こえてきた。
まさかとお風呂をのぞくと職員さんが、父をお風呂に入れてくれている最中だった。
2時から病院だというのに、お風呂に入ってるとは・・・
あぁ、もう間に合わない・・・
そう諦めたら、不思議なもので、さっきまで焦っていた気持ちが静まった。
お風呂の介助をしてくれていた職員さんは、父がこれから病院だということを知らなかったようで、父もまた病院へ行くことを知ってか知らずか、職員さんに言われるままにのんきにお風呂に浸かっていたらしい。
とりあえず急いでくれるようにお願いして待っていると、父がさっぱりした顔で部屋に戻ってきた。
「お父さん、急いで用意して」とせかしたが、お風呂からあがったばかりの父は、すっかり疲れていて、しばらく休みたいと言う。
そこで父が休んでいる間に、病院に遅れることを伝えに行き、また父の所へ戻り、行く準備を手伝い、やっと住宅の玄関まで降りた(父の部屋は3階なので)ところで、父はまたひと休みしたいと言う。
ずいぶん弱ったなぁと感じつつ、父のペースに合わせる。
休んでからゆっくり歩いて、ようやく隣の病院に着いた。
予約した時間より大幅に遅れたせいか、それから診察までずいぶん待たなければいけなくなった。
しかし、待っている時間は、父と久しぶりにゆっくり話すことができた。
父は上機嫌で色々な話をしてくれた。
そんな嬉しそうに話す父といると、なんだか私も嬉しくなってきた。
「親孝行」なんていうのは、何かしなければいけないと構えてするものではなかった。
ただ、話を聞くだけで親は喜んでくれるものなのだなぁ。
そういう意味では、親を喜ばせることは、そんなに難しいことではない。
たまに話を聞いてあげるとか、離れているなら心配させないように電話やメールでこまめに「元気です」と伝えるとか、普通に当たり前の事でも、親はすごく喜ぶものだ。
自分も親になってみると、そんなことがとても嬉しい。
子供の立場でもっと親を喜ばせたい。
長い待ち時間に父と会話しながら考えていたことだった。
父の通う病院は高齢者住宅のすぐ隣にあり、その距離わずか200メートルほどの近さなのだが、認知症になってから、父はそんな近い場所であっても迷う恐れがある。
昔から行っている場所ならまだ分かるのだろうが、最近通うようになった所は、何度行ってもまず覚えられないようだ。
そして、病院まで迷って辿り着けないというのも心配だったが、ここ最近また身体がずいぶん弱ったように見えるので、とても一人で行くのは無理だろうということもあった。
午後2時に診察の予約を入れてあったので、すこし余裕を持って家を出ようと思っていた。
ところが、家を出る間際に急用ができてしまい、ようやく用事を済ませて、急いで車で父の元へ向かったが、時間の余裕がなくなってしまった。
でも、このまま行けば2時には間に合うだろうと思っていたら、今度はなんと途中で渋滞になってしまった。
この道は、平日の午後は営業車がたくさん走っていることを忘れていた。
父が待っているかもしれないと思うと気持ちは焦るばかりだが、車が進まないので仕方が無い。
そこで、進まない車の中から父に電話をした。
「お父さん、今そっちに向かっているから待ってて。必ず行くから」と言うと、「分かった」との父の声にすこしホッとして、なんとか父の部屋に1時50分に着くことができた。
病院は隣なので10分あれば間に合う!
それに、さっき父に電話をかけたから、きっと父はすぐ出発できるように準備して待っているはずだと思って、父の部屋に入ったが、まさか・・・部屋には父の姿がなかった。
待ちきれず、一人で行っちゃったんだろうか?
いやいや、高齢者住宅の職員さんがいるのだから、そんなハズは無い。
大慌てで、トイレや食堂などを探し回っていたら、お風呂場から父の声が聞こえてきた。
まさかとお風呂をのぞくと職員さんが、父をお風呂に入れてくれている最中だった。
2時から病院だというのに、お風呂に入ってるとは・・・
あぁ、もう間に合わない・・・
そう諦めたら、不思議なもので、さっきまで焦っていた気持ちが静まった。
お風呂の介助をしてくれていた職員さんは、父がこれから病院だということを知らなかったようで、父もまた病院へ行くことを知ってか知らずか、職員さんに言われるままにのんきにお風呂に浸かっていたらしい。
とりあえず急いでくれるようにお願いして待っていると、父がさっぱりした顔で部屋に戻ってきた。
「お父さん、急いで用意して」とせかしたが、お風呂からあがったばかりの父は、すっかり疲れていて、しばらく休みたいと言う。
そこで父が休んでいる間に、病院に遅れることを伝えに行き、また父の所へ戻り、行く準備を手伝い、やっと住宅の玄関まで降りた(父の部屋は3階なので)ところで、父はまたひと休みしたいと言う。
ずいぶん弱ったなぁと感じつつ、父のペースに合わせる。
休んでからゆっくり歩いて、ようやく隣の病院に着いた。
予約した時間より大幅に遅れたせいか、それから診察までずいぶん待たなければいけなくなった。
しかし、待っている時間は、父と久しぶりにゆっくり話すことができた。
父は上機嫌で色々な話をしてくれた。
そんな嬉しそうに話す父といると、なんだか私も嬉しくなってきた。
「親孝行」なんていうのは、何かしなければいけないと構えてするものではなかった。
ただ、話を聞くだけで親は喜んでくれるものなのだなぁ。
そういう意味では、親を喜ばせることは、そんなに難しいことではない。
たまに話を聞いてあげるとか、離れているなら心配させないように電話やメールでこまめに「元気です」と伝えるとか、普通に当たり前の事でも、親はすごく喜ぶものだ。
自分も親になってみると、そんなことがとても嬉しい。
子供の立場でもっと親を喜ばせたい。
長い待ち時間に父と会話しながら考えていたことだった。