6月に乳がんの手術をした友人と久しぶりに会った。
元気な時は毎日のように庭仕事をしていたのに、手術前に会ったきり外に出ている彼女と会うことがなくなり、もしや具合が良くないのだろうかと心配していた。
しかし、今日は初めて外にいる彼女を見かけた。
彼女が外にいるということは、少し元気になったのではないだろうか。
そう思ったらもう嬉しくて嬉しくて、すこし離れた場所に居たのだが駆け寄ってしまった。(本当は抱きしめたいくらい嬉しかったのだが、彼女に何かうつしては大変なので、自制してすこし距離を開けた。。。)
満面笑みでバタバタと駆け寄って行く私に、心優しい彼女もまた笑顔で迎えてくれた。
彼女の話によれば、やはり体調が悪かったそうだ。
しかし、やっとすこし体調が戻ってきたらしい。
今は通院で放射線治療を受けているそうで、日光に当たってはいけないとか蚊に刺されないようになどの制約があって、戸外には出ないようにしているのだとか。
突然彼女が「見て。胸がなくなっちゃった」と言った。
一瞬見てもいいものだろうかと迷ったが、彼女が見てほしいというので見せてもらった。
彼女の胸は想像していたよりずっときれいだった。
傷跡もほとんど目立たない。
ただ身体に書かれた線だけが、彼女がいま闘病中なのだということをあらためて思い知らされる。
「放射線治療で皮膚の色が変わっちゃって」と彼女は言った。
そう言われるとかすかに肌の色が濃くなっていると分かるが、気にするほどではない。
とは言っても本人にとっては、とても気になることだろう。
そして焼けた肌の痛みはつらいことだろう。
副作用による身体のだるさは、私が思う以上にしんどいことだろう。
それでも彼女は終始笑顔を絶やさず、別れ際に「私は発見が遅れてしまったけど、今は治療法も進歩して初期なら簡単に治るんだって。だから検診は毎年行ってね」と言ってくれた。
今や二人に一人が罹るという癌。また癌の治療による副作用の辛さも聞く。
医学の進歩で治癒率は上がってきているのだろうが、やはり怖い病気には変わりない。
でも、将来は治る病気になるのではないだろうか。
また、そうなって欲しいと心から思う。
よく聞くのは、傷ついた細胞が癌化して増殖するのが癌なのだとか。
もしも癌化した細胞をすっかり取り替えることができたら・・・なんて、そんなことはとうに考えられているのだろう。
細胞を替えることができればどんな病気でも怪我でも治ってしまう。そうすると寿命は果てしなく伸びる。
ただ今の人類にとって、それが良いことなのかと考えると、決して良いとは言い切れない。
お金のために戦争を起こし、正しい発明や研究による進化を妨げる。
この状態で人類の寿命だけが伸びることは、地球上すべての生物にとって不幸だ。
混沌としたこの時代を抜けたあとにどんな時代が来るのか。
楽しみでもあり怖くもあるが、それは決して人ごとでは無い。
ひとりひとりの意識にかかっている。