ミーロの日記

日々の出来事をつれづれなるままに書き綴っています。

映画 めがね

2021-02-22 15:15:02 | 日記

映画「かもめ食堂」が、とても心地良い映画だった。

日々の出来事が淡々と流れていく映画。出ている俳優さん達の会話も淡々として心地よかった。

そこで今度は、かもめ食堂と同じ監督で同じ女優さん小林聡美さん主演の映画「めがね」を観た。

そしたら、やっぱり心地良くて途中で寝てしまいそうになった、、、と言うのは冗談で、観ている間も見終わった後も心地良さは続いている。

こちらの映画は、最初に観たかもめ食堂よりもっと淡々としていて、多少主人公の感情の変化があるものの、映画の中では同じような日常生活が淡々と続いていく。そして劇中の会話もそれほどない。

そんな映画だから観ている方も手に汗握るとか、大笑いするとか、大泣きするとかはほぼ無い。淡々と観ているだけ。

だから、この映画がつまらないと思う人は、たぶん最初の20~30分で寝ると思う。

私はどちらの作品も良かったが、見終わった後に考えさせられたのは「めがね」だった。

まず、なぜ「めがね」という題名だったのか。私は最後までその意味がわからなかった。

ただ登場人物が、みんなめがねを掛けている。

そして、一人を除いて、みんな自分のいる世界に疲れて、小さな海辺の町へやって来たという共通点がある。

「どこか観光する場所はありますか?」と聞く主人公タエコ(小林聡美さん)に、宿屋の主人が「ここには観光する所なんてありませんよ。皆さん、黄昏れ(たそがれ)に来るんですから」と言う。

最初は納得できずにいたタエコだったが、宿に滞在するうちに徐々に黄昏れていき、少しずつ柔らかくなっていくタエコ(小林聡美さん)の表情がとてもよかった。

実はこの映画、ただの観光で海辺の町へやって来た人々ではなく、実は死後の世界に来た人々だったと解釈している方がいてとても納得した。

死を受け入れられず、生きていた頃の煩悩に今も囚われている人たちが、この海辺の町で、成仏を助ける菩薩のサクラ(もたいまさこさん)によって、持っている物(煩悩)を一つずつ手放していくという話だった・・・と知ると、ただ淡々と観ていたものが、がぜん真剣になる。

しかし残念ながら、死後の世界の話だったと知ったのは、映画を観終わったあとだったが。

映画の中でドイツ語で詩を暗唱する場面がある。

これがなかなかよい詩だった。以下、転載します。

たくさんの荷物を持っていると、自由がなくなる。

海辺の町へ行ってからではなく、できれば行く前に、すこしでも荷物(執着)をおろしたいと思える映画だった。

 


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