ミーロの日記

日々の出来事をつれづれなるままに書き綴っています。

娘たちのよそおい

2022-10-07 17:56:21 | 日記

次女が友人の結婚式に招待されたと言って、当日に着る衣装を悩んでいる。

披露宴は、今ではめずらしくなった100名を超す出席者で、大きなホテルで執り行われるそうだ。

そんな大きな披露宴に出るのは、次女は初めてのこと。

「髪の毛はやっぱりアップの方がいいかな?髪につける飾りはあった方がいいと思う?バックは?靴はどんなのがいい?あー緊張してきた」という次女に「花嫁じゃないんだから。注目されるのは花嫁で、参列者の衣装なんて誰も気にしないって」

なーんてことを言ったら、次女は目を三角にして怒った。

そして「お母さんはたくさん披露宴に行ってるから、どんな格好で行けばいいのかわかるでしょ」と言われたが、披露宴に呼ばれたのは遥か昔のことなので、今どきの若い子のファッションはわからない。

とりあえず私が持っていたパーティ用のバックとアクセサリーを出してみた。

ところが、長らく出していなかったバックがなんとカビ臭い。

表面はきれいだが、中に白カビが点々と発生していた。(やっぱりたまに風に当てないとダメかも)

そこでカビをゴシゴシと拭き取ってアルコールで拭いたら、微かにカビ臭はするもののなんとかわからなくなった。

蓋を開けるとカビ臭いが、デザインは今見ても古臭くない。

次女に見せたら「かわいいー」と気に入ってくれた。(一応カビのことは次女にサラッと伝えた。次女は話をあまり聞いていなかったみたいだけど)

ところでアクセサリーを出した時に、若い頃にしていた指輪が目に入った。

小さなルビーがついた指輪は、唯一母が買ってくれたもの。

懐かしくて久しぶりに指に嵌めてみたら、指がすっかり成長していて、きつくて入らなかった(涙)

これはお嫁さんでも二人の娘のどちらかでも、もらってくれる娘にあげようと思う。

誰かが、また使ってくれたらこんなに嬉しいことはない。

ところで大好きな茨木のり子さんの詩集に女のよそおいを詠んだ詩がある。

娘たち

イヤリングを見るたびに おもいます

縄文時代の女たちと同じね

ネックレスをつらねるたびに おもいます

卑弥呼(ひみこ)のころと変わりはしない

指輪はおろか腕輪も足輪もありました

今はブレスレット アンクレットなんて気取っているけれど

頬紅を刷く(はく)たびに おもいます

埴輪の女も丹(に)を塗りたくったわ

ミニを見るたびに おもいます

早乙女(さおとめ)のすこやかな野良着スタイル

ロングひるがえるたびに おもいます

青丹(あおに)よし奈良のみやこのファッションを

くりかえしくりかえす よそおい

波のように行ったり 来たりして

波が貝殻を残してゆくように

女たちはかたみを残し 生きたしるしを置いてゆく

勾玉や真珠 櫛やかんざし 半襟や刺し子

家々の箪笥の奥に 博物館のかたすみにひっそり息づいて

そしてまた あらたな旅だち

遠いいのちをひきついで さらに華やぐ娘たち

母や祖母の名残の品を

身のどこかに ひとつだけ飾ったりして

(女のことばより)

博物館で復元された縄文時代のネックレスを見たことがあるが、今付けてもおかしくないほど美しいデザインだった。

時代は変わっても、娘の美しく装いたいという想いは変わらないのだなあ。

だから次女も気の済むまで悩んで、オシャレをしてほしいと母は思う。

 


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