ミーロの日記

日々の出来事をつれづれなるままに書き綴っています。

放流体験

2022-10-14 16:30:45 | 日記

千歳市にある「さけます情報館」へ行ってきた。

ここは国立研究開発法人水産研究・教育機構の広報展示施設で、実際にさけやますが展示されており、さけの孵化の様子や稚魚たちを観察できる。

小さな施設なのでさほど期待せずに行ったら、これがけっこう面白かった。

情報館へ入ってまず目に飛び込んできたのが、たくさんの魚が泳ぐ大きな水槽。

銀色の魚たちが紅鮭の稚魚で、稚魚に隠れて分かりにくいが体が紅色に染まった親の鮭もいる。親鮭は長旅を終えて海から戻ってきた個体で、この秋に道内の川で捕獲されたそうだ。

「魚たちが餌を期待してますよ」

水槽の中で元気に泳ぐ紅鮭たちを見ていたら、後ろから声をかけられた。

振り向いたら、この施設の職員さんで優しい目をしたおじさんが立っていた。

「えっ期待されてるんですか?」と言うと「そうです。さかなたちの目がすごく期待した目になっています」

(すごいなー。毎日世話をしていると、魚の気持ちがわかるんだ)と思ったら、おじさんが奥からワゴンに載せた餌を運んできた。

プリンの容器みたいなものに餌が少しずつ入っている。

「一つ取って、お食べーと言いながら水槽の上から餌を撒いてください」

言われた通りに「お食べー」と言いながら餌を撒くと、水槽から飛び出しそうになりながら魚が群がってくる。

よほどお腹が空いていたのか、餌への期待が大きかったのか、、、期待に応えてたくさんあげたかったが、残念ながら一人一つと決まっているそうだ。

他にもこんな水槽があった。

鮭とサクラマスの稚魚が飼育されている飼育池。

説明書には「浮上(泳ぎ出すこと)してから、放流するまで給餌する池です。サケで30〜60日過ごします。サクラマスで8カ月過ごします」と書かれていた。

「ご存じの通り、近年鮭の不漁が続いていて、漁師さんたちの生活が大変になんです。日本海側はまだいいのですが、太平洋側は本当に獲れなくて廃業する人もいます」と職員のおじさんが教えてくれた。

そういえば今年は鮭の卵、生すじこの値段がすごく高い。昨年の二倍近くするので、毎年作っているいくらの醤油漬けをまだ作っていない。

でもこんな小さな赤ちゃん鮭が、一粒のいくらから産まれてくるのかと思ったら、むやみにいくら丼をガバガバと食べられなくなりそうだ。

一体、何匹の赤ちゃんを食べてしまうのか、、、

さて出口まで行ったら、いつの間に移動していたのか、おじさんが大きめのプラスチックのコップを持って待っていた。

「外に稚魚がいますので、網で二匹すくってコップに入れて、水が流れているパイプに放流してください。パイプは千歳川に繋がっています。放流した稚魚が海に出て、そのうちの何匹かが川に戻って来てくれるといいですね」

一つずつコップを渡しながら説明してくれた。

すくった稚魚を放流するパイプ。

稚魚たちは、この千歳川を泳いで来年の桜が咲く頃(4月下旬)に海へ下るそうだ。

そして再来年の10月頃に、今度は親になって産卵のために千歳川に戻ってくる。

元気に戻っておいでーー

 


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