今、断捨離の真最中、、、と言うほどではないのだけど、少し前に古い布団のほとんどを捨てたのをきっかけに、家の中や物置小屋にある不用品の処分をしている。
使わなくなった植木鉢や一本しかないバドミントンのラケットは迷わず捨てることにした。
また古い大工道具が出てきたが、なんと五十年前に夫が中学の技術家庭で使ったもので、夫に聞くと「捨てていい」とのことだったので捨てることにする。
さらに着なくなった洋服や着物の反物(義母の持ち物)や木材、古い家具なども処分。
まだ使えそうなものはリサイクル店に買い取ってもらい、買い取りできなかったものでリサイクルできるものは、無料で引き取ってもらった。
そして残った不用品は、市のごみ処分場へ持って行った。
ごみの処分場は初めて行ったのだけど、車に不用品を積んだまま計量し、捨てた後、また車を計量して料金を支払うシステムになっている。
ゴミ袋に詰めてちまちまと出すより、一気に終わるのでとても便利だった。
というわけで、ずいぶん家の中がすっきりとしてきたのだけど、まだ大量に残っているものがある。
それは本。
夫も本好きなので、二人合わせるとかなりの量になる。
読みたい本だけを残して市立図書館へ寄贈したが、まだ残すべきか否かで悩んでいる本が多く残っている。
迷って残した本に森村桂さんの本がある。
また読みたい日がくるはずと思うと、どうしても手放せない。
森村桂さんの本を初めて読んだのは小学生の時だった。
やはり50年以上前、、、
小学校の図書館で借りて大ファンになり、以来、本が発売される度に買って二十代まで読み続けた。
だから森村桂さんの本はほとんど持っているのだけど、実はいつか読み返そうと思いながらずっと読んでいない。
子どもの頃は、わくわくしながら読んだ本も、森村桂さんが離婚をしてから書かれたものは、森村桂さんの苦しさが伝わってくるようで、私も読むのが苦しかった。
さらに自死という衝撃的な結末になってしまい、あんなに好きだったのにすっかり読まなくなってしまった。
でもどうしても手放すことができなかった本たち。
もう手放そうかな、、と思っていたら、ある女性作家さんが森村桂さんのことを書かれているものを読む機会があった。
お元気だった頃の森村桂さんとの交流のエピソードが書かれていて、久しぶりに元気で明るい森村桂さんに会ったような気がして嬉しかった。
そして、その中に書かれた一文に思わず涙してしまった。
「ちょっと変わってはいるけれど、決して人の悪口を言ったり、愚痴をこぼしたりしない無邪気で可愛い桂さん。私はそんな桂さんが大好きだったのです」(みつはしちかこさんのエッセイより)
まるで私の気持ちをそのまま書いてくださったような文章。
やっぱり残そう、、、本棚から出した本をまた戻した。
どうしても捨てられないもの、ありますね。