ミーロの日記

日々の出来事をつれづれなるままに書き綴っています。

夫の部屋

2018-11-13 12:57:21 | 日記
夫が突然バイクを止めた。

あれほど「もう止めたら?」と言っても止めなかったのに、ある朝、起きたら突然にバイクを売ってくると言い出した。

一体、どうしたのかと聞いてみたら「今年還暦を迎えて徐々に注意力が落ちてきた。だから、そろそろ止める時期だと思っていた」そうだ。

夫は学生時代にオートバイにハマり、ずっと乗っていたが、就職を機に止めたそうだ。

しかし、40代後半になり仕事のストレスで身体に不調が出るようになって、再びバイクに乗るようになった。

バイクに乗ったことがない私は、「車と違って生身なんだから危ないんじゃないの?」と止めたのだが、夫は安全運転をするから大丈夫だと言い、万一ぶつかってもダメージが少ないというスーツを買うと言った。

「バイクは無理をしなければ安全な乗り物だ」という話を夫からこんこんと聞かされ、それで仕事のストレスが少しでも和らぐのならばと、私は渋々承諾したのだが、息子が年頃になってバイクに興味を持ち始めると、今度は止める側になっていた。

息子に「危ないから乗るな」と言っているのを聞いた時には「な~んだ。やっぱり危ないと思っているのか」と思ったものだったが、自分が乗るのと子どもが乗るのでは違うのだろう。
(待っている者の気持ちが少しはわかったかな?)

というわけで週末になると、夫は嬉々としてバイクに乗って出かけて行く生活が当たり前になっていたのだが、バイクに乗っていることに慣れたとは言え、やはり家に帰って来るまでは心配だった。

このようにバイクをこよなく愛していた夫が、突然バイクをやめると言い出したことには驚いたが、自分で見切りをつけて止めてくれたことは素直に嬉しかった。

ところでバイクを売りに行って家に戻って来た夫は、冗談とも本音ともとれるかのごとく「あぁバイクが無くなって、これからどうしたらいいんだー!」と叫んだ。

実は、このことがきっかけと言うわけではないが、私にはかねがね思い描いていたひとつのアイデアがあった。

施設に入って空いたお姑さんの部屋を、今度は夫の部屋にしたらいいんじゃないかと思っていた。

夫に話すと「いいね」とは言ったものの、まだ実感がない様子。

そこで夫の部屋にするべく、これまでずっと部屋の整理をし続けてきたが、それがやっと完成した。

本と音楽が好きな夫だが、置き場所がないためロフトに追いやられていた夫の大量の本と大きなスピーカーを部屋に運び込んだ。

一人用のゆったりと座れる椅子を用意し、今まで狭い寝室に置いてあった夫の机も運んだ。

徐々に自分の部屋のなって行くのを見ていた夫のテンションも上がり、今では寝る前のひと時に好きな音楽をかけて本を読むことを楽しみに「自分の」部屋へ入って行くようになった。

これまで二回も家を建ててくれたのに、一度も自分の部屋がなかったものね。

喜んでくれて嬉しい。な~んてね。照れますが・・・

若い頃は考え方の違いからたくさん喧嘩もしたが、二人とも歳を取って来て、やっと自分のことよりも相手の喜ぶことを考えるようになってきたと思う。

その模範となるご夫婦が、私にとっては天皇皇后両陛下のお姿で、いつかあのようなご夫婦になりたいものだと、恐れ多いですが思っている。

自分の考えばかりを前面に押し出すと、夫婦じゃなくても人間関係は難しい。

でも、相手が喜んでくれることを考えると、自分も嬉しいし心が満ち足りて幸せになれる・・・





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