東北地方太平洋沖地震。
一人でも多くの方が一刻も早く救助されることを心よりお祈り申し上げます。
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金曜日の朝。
いつものようにリビングに下りてきてニュースをつける。
目の前に飛び込んできたそのスクリーンは、
高波にどんどん飲み込まれて行く田園地帯。
ああいう田園地帯、どっかで見た気がする。
突然キャスターが日本で大地震が発生したことを告げる。
はじかれたように私は両親に電話した。
あの時点でどこが震源地だったのかを把握してなかった。
普通に電話に出てくる母。
安堵したらいきなり血圧が下がっていくのがわかって
私はとりあえず座り込んだ。
「地震は東京から上よ。東北が大変なことになっとるん。」
その言葉で大阪にいる妹夫婦の安全も確認できた。
とりあえず東京都内に住んでいるに友人Mが心配で
すぐに電話してみるが、まったく通じない。
ああいうことが起こった後だ。
回線がパンク状態になっているに違いない。
彼女は大丈夫とわかっていても、連絡がつかないという事実が私を不安にさせる。
ニュースで報道される画像は、
まるで映画のワンシーンのように私には実感がまるでないものだった。
津波に次々と、いとも簡単に破壊されて飲み込まれて行く住宅。
あまりの脆さに、「これは本当?」と思わずにはいられなかった。
会社に到着すると、たくさんの同僚や他の課の人も大勢私のキューブにやってきて
私の家族の安否に気遣ってくれた。
彼らには広島がどれだけ震源地から離れているか、わかるはずもない。
私の家族はみんな大丈夫と言い、心配してくれたことに感謝した。
連絡がつかない友人Mのことを言うと、
「彼女は大丈夫。ニュースでは東京はそうとう揺れてたけど
怪我人が出たとか言ってなかったから大丈夫よ。」と
私をハグしてくれた。
仕事中に何度もインターネットのニュースサイトを開いてみた。
一目で事の惨事がわかる。
内容は読まずに、すぐにそのサイトを閉じた。
それ以上は見ていられなかったというのが正直な気持ちだ。
金曜日は平常心で過ごしたつもりだったが
心は日本にいた。
家に帰ってきてからはCNNの報道特集をつけっぱなしにした。
日本がこれほどまで世界のトップニュースになったことって
今まであっただろうか。
私が覚えている範囲で、最後に私がCNNで日本のニュースを取り上げていたのは
北海道の雪祭りのニュースだった。
あのときは、北海道に住んだこともない私でも
日本の美しさが報道されてとても嬉しかったことを思い出す。
それが今はどうだろう。
日本の惨事が途絶えることなく伝えられる。
ただひたすら、呆然としてニュースを見た。
『気仙沼(けせんぬま)』を『ケセニュマ』と読むキャスターが多い。
この先、日本が回復の萌しを見せ始めて、日本の地震関連がCNNからなくなるときまでには
みんなちゃんと発音できるようになるだろうかと、
こんな大変なときなのに、不埒にもそう思った。
その晩、連絡がずっとつかなかった友人Mとやっと電話が繋がった。
よかった。
彼女も旦那さんのYさんも無事だ。
彼女からその日の東京の様子を聞いたが、
CNNの映像よりも彼女から聞く話の方がよっぽど現実味があった。
聞いているだけで心臓の鼓動が早くなったほどだ。
私はやっぱり誰かに見守られているのかなと思う瞬間。
私の家族、東京または東京より上に住んでいるブロガーさんも全員無事だった。
被災された方を思うと、気の毒でならない。
本当に胸が潰れそうだ。
でも日本。
今までもいろんな悲惨な地震や事故を経験してきた日本だ。
頑張り通せると思う。
頑張って欲しい。