一昨日の話である。
帰宅すると小包の不在通知が来ていた。
いつものように妹あるいは母がまた日本の美味しいものでも送ってくれたのだと思い
その翌日、喜び勇んで郵便局へ行ったケイエス。
エクスプレス(EMS)で届けられていたので、受け取るのに細かい手続きをし、
小包を受け取って郵便局を出る寸でのところで足が止まった。
送り主が妹でもなければ母でもない。
知らない日本人の男から、だったのである。
仕事で疲れてヨレヨレの脳みそで、記憶をたどってみる。
どこかで会ったことのある人だろうか。
...。
やっぱり知らない。
誰や、これ。
住所を見ると名古屋の人だったので、ああ、それなら妹関係だとあっさり判明。
妹が名古屋に住んでいるから。
でも妹は何か送ったなどと言っていなかったはずだ。
車の中でその小箱を抱え、私はいろんな方向へ記憶を張り巡らせていた。
ふと、彼の名前と一緒に会社名も明記されてあるのに気づく。
咄嗟に冷や汗が出てきた。
クレジットカードを悪用され、頼んでもない商品を送ってこられたのではないかと思ったからだ。
ナン十万円もする数珠とかだったらどうしよう。
何か手がかりがあればと、その小包を調べると『贈り物(Gift)』という文字が目に入ってきた。
知らない男の人からの贈り物。
イギリスではボーイフレンドがわざとガールフレンドに贈り物をするときに
わざと自分の名を伏せてプレゼントを届けるっつーのがロマンティクなんだと聞いたことがある。
...。
やっぱりこの人、知らない。
何かあって、裁判沙汰になったときにできるだけ責任を取りたくないと思ったので
その小包を開けてはならないと、本能的に察した。
とりあえず、家に帰ろう。
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家に帰ると、同じく美味しい物を期待していたハニバニが
「誰からだった?ママから?早く開けようよ。」
開けるわけにはいかない事情を話すと、さすがアメリカ人。
『Anthraxかも知れないから家に入れないで!
そのままガレージに置いといて!あ、もしかしたら爆弾かもよ。
開けた瞬間に何もかもがぶっ飛ぶかもよ。
もしかしたら警察に連絡せんといかんかもよ!!!』
Anthrexとは炭疽(たんそ)菌のことで、一時期アメリカ全土でその粉末が送り主不明で送りつけらたという
大騒ぎになった事件が続発したことがあった。
感染率が高いことからそれに触ると大惨事になるのである。
まさかそれはないだろうと思ったが、箱はガレージ行き。
妹に電話をすると年賀状以外は送っていないと言う。
妹も妹で「それってちょっと気味悪いねぇ...」と心配する始末。
これは最後の手段。
本人に電話するしかない。
朝6時だったが、わざわざ私の住所を調べて贈り物をするなんてなんて変人な奴だろう。
しかもエクスプレスで送ってくるとはどういう心境だろう。
その人が電話に出てきたら
『あなた、誰ですか?どうして私のことを知ってるの?』
と、きつく言って小包は速攻で送り返そう。
しかし電話をしても誰も出ない。留守番電話になったので、電話を切った。
それならその会社名をネットで調べるしかない。
PCを立ち上げてその会社を調べる前にメールでもチェックしてみようか...
そこには久々にメールしてきた友人エムの名前がある。
メールを開いて唖然。
そこには
グリーティング送ったとおり、日本から荷物(EMS )と年賀状を以下の住所で送ったんじゃけど、
荷物の追跡をしたら、『宛先不明で差出人へ返送』って結果出るもんで念のためにさ。 (本文そのまま)
友人エム、だったのである。
安心すると笑いがこみ上げてきた。
安堵、である。
しかし彼女の言うところのグリーティングなんて届いていないぞ。
つーか、先ほど誰も電話に出てこなくてよかった。
そうでなかったらそれこそ新春赤っ恥ではないか。
心臓ドキドキを抑えて、やっとその小包を家の中に招き入れた。
ダンボールの箱の中にはとても可愛い箱。

それを開けると今度は上品な小箱。「さくらさく」だって。

それをさらに開けるとなんと繊細で上品なタンブラーが!!!

どうして「さくらさく」って言うかというとね、

グラスの底がサクラ型になってて、グラスの表面に水滴がつくと
テーブルの表面につく水滴の跡がサクラの形になるからなんだって。
左のグラス、うっすりほんのりとピンクなのが見えるだろうか。
あ~~~~~~、なんて美しいの!!!!!
これが私たちを驚愕させた品物なの???っていう感じである。
ありがとうエム、大切に使わせていただきますぞ。
その度にこれにまつわるストーリーを思い出しながらね。
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エムは業者を通してうちへ直接配送を依頼したのだと思われます。
以前東北のお米をアマゾンで注文してそれを母に送ったところ、
やはり業者から直接配送され、送り主が分からず母もそのお米の会社に電話して『頼んでません』と
電話したことがありました。気味が悪かったそうです。
感じることやることが全く同じです。親子だねえ。
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いつもありがとう。