説明板には、スマトラ産、「Paphiopedilum victoria-regina」と記述されていました。膨らみのある独特の唇弁が特色ですね。また横に水平に伸びた花弁が少し離れてみると宝石を鏤めたように見えました。ひょうきんな形からでしょうか、人気を呼んでいました。
個体名はブルーインディゴ(Blue Indigo)と記述されていました。写真でお判りのように花の中央が淡いブルー色です。この色合いは園芸店などではあまり見かけない珍しいもののように感じました。ひっそり静かに咲いていました。物静かであるが、なかなか芯の強い気性を持っている人を象徴するような凛とした花のように思いました。
マダガスカル東部に分布し、説明書が特別に用意されたランでした。「ダーウインの進化論」を導いたランとして有名であると説明されていました。このランは長い距といわれる花弁の付け根からチューブのように伸びた管(写真では中央に見える緑色の曲がりくねったもの)をもち、先端に蜜を蓄えていると書かれています。この距の長さはなんとスズメガの仲間の口吻の長さとほぼ同じかやや短いことで、ランの花粉を蜜と引き換えに運んでもらえる仕組みだとダーウインが予測したそうです。スズメガの口吻より短すぎると花粉を運ばずに蜜だけを吸われてしまうと言うことになりますから、ランにとっては生存の危機です。ダーウインはマダガスカル島でこのランとほぼ同じ長さの口吻を持つスズメガ蛾いることを予想し、1862年にこのことを発表しました。その41年後にマダガスカル島できわめて長い(アンゲレクム・セスクィペダレの距とほぼ同じ長さ)口吻を持つスズメガが発見されてダーウインの理論が証明されたと記述されていました。
周囲がやや縮れた感じの純白の花弁で、その中央に赤紫色の花弁があります。遠くから見ても鮮やかで、多くの人がカメラを向けていました。香りもカトレヤ独特の芳香です。名前の中に「ニッポン」があるので、日本で品種改良されたものでしょうか?説明書では、「属名:LC 種名:Nippon libinza」と記載されていました。
比較的小さな花ですが、とてもシャープな星型の花で印象に残りました。ラン科の花は左右対称で花弁はそれぞれ大きさが異なったりすることから、独特の花に見えます。写真のランは、比較的すっきりした花の一つですね。
つくば植物園で「つくば蘭展2007」が12月9日から開催されています。植物園の温室の中で数え切れないほど多くのランが展示されていましたが、花の多彩さと独特の香りにむせ返るような感じです。ランは、南極を除く全ての大陸の熱帯から亜寒帯の地域に自生する被子植物だそうです。種類も大変に多く、香りも様々です。ランは虫・鳥媒花が殆どですが、展示室の中では、大きく別けて三種類に説明されていました。①香りの良いものは蜂や蝶、②臭いの無いものは鳥、③嫌な臭いがするものはハエが好むランだそうです。ランも、どの生物に子孫の繁栄をゆだねるかで、香りや花の形を変えているんですね。夜の蝶(蛾)に子孫を依存するランは、夕方から独特の誘いの香りを出すものが多いようです。12月16日まで行われていますので、香りに興味のある方は体験して見ましょう。本日から数日間、「つくば蘭展」の展示品の写真を掲載します。説明は属名、種別等が書かれていましたが、よくわかりませんので、説明板に書かれていたものをそのまま転記して掲載しますことをお許し下さい。
写真は、個体名が”Sangre de Toro"で、蘭展の中でも花も多く大きいランで、華やかなものでした。紅い札がついていますが、優秀賞と書かれていました。
写真は、個体名が”Sangre de Toro"で、蘭展の中でも花も多く大きいランで、華やかなものでした。紅い札がついていますが、優秀賞と書かれていました。
つくば植物園の温室で咲いていました。小さな花ですから見過ごしてしまいそうです。管理されている方の案内で見つけることが出来ました。カカオの実もなっていたそうですが、心無い人によって落とされてしまったそうです。観察する際は、植物に触れないように注意したいものですね。説明板によれば、中南米が原産、学名は「Theobroma cacao」で、アオギリ科、カカオ(テオブロマ)属の常緑高木(樹高は10mくらいになる)です。学名の『Theobroma(テオブロマ)』という言葉は、『神様の食べ物』という意味で、メキシコのアステカ族の神話に出てくる言葉からつけられているようです。カカオは栄養豊富で、古来その実をチョコレートやココアにしていることから有名ですが、花を見ることは少ないですね。写真のように、木の幹から直接花が咲いているように見えます。カカオの木は、高温と湿潤な気候で、降雨と排水が上手くバランスしている中南米の高台などで自生しているようです。古代マヤ文明の頃から栽培されていたようですが、コロンブスが中南米を訪れて以降その存在が広く知られることとなり、17世紀頃からはアフリカあたりの植民地でも本格的な農園栽培が始まったとされています。現在は、西アフリカ、東南アジア、中南米の熱帯地域で農園栽培が行われています。チョコレートやココアなどを美味しくいただく際に、この花を想いだしていただければ幸いです。写真は12月1日に撮影しました。
ピンク色の星型の小さな花が集まって房状に咲いていました。ペンタスの語源は見たとおり、星の形をした五角形に見える花弁にあるようです。熱帯アフリカが原産で、つくば植物園でも湿度と温度の高い温室に咲いています。冬支度で撮影に入ると・・・レンズは曇るし、上手く撮影できないので、汗が噴出してきます。学名は「Pentas lanceolata」で、アカネ科、ペンタス属の多年草です。管理された温室では通年花が楽しめ、花の色はピンクのほか、赤や白、青紫などもあるようです。写真は12月1日に撮影しました。
ピンクのネックレスのような花です。つくば植物園の温室で咲いていました。蔓性の木にぶら下がるように咲いています。メキシコが原産で学名は「Antigonon leptopus」、タデ科の蔓性低木です。適温で管理すると通年花が咲くようです。ピンク色に見える花と書きましたが、実は萼だそうで、その中央部に黄色い小さな花が見えます。別名は、はじめてみたときの印象そのままで、「クイーンネックレス」とも言われるようです。目線より少し上のほうにあり、知らずに通り過ぎるところでしたが、温室を管理されている職員の方に教えていただいて、撮影しました。