沈みゆく日々～おままごとのような・・・？

どんよりと曇った灰色な１１月の寒い冬の空は、嫌いじゃない。午後から冷たい雨。
冬の始まりは、空気がなんとなく冬めいていて、それは、それは、素敵なんだけれども・・・。

気分は、低迷するばかりである。
実際に底なし沼に沈んだことは、ないのだけれども、不透明なドロドロした水の中に、ゆっくり、ゆっくり・・・沈んでいくようなそんな気分なのである・・・。

沈みゆく日々・・・。

何処まで沈むんだろう・・・。
そんな気分だ・・・。

出口も光も見えないような気がする現状は、いったい、何時まで続くのだろう・・・と思う。
誰も助けては、くれない・・・。
一体、なんのために、生きているのか・・・まるで、わからなくなる・・・。

・・・そんな日々なのだけれども。

どなたの小説なのか忘れてしまったのだけれども・・・もしかすると高橋たか子さんだったような気がするし、或いは、違う方の作品だったかもしれない。
タイトルも内容も著作者も忘れてしまった。
だから・・・内容も、記憶違いかもしれない。

旧家のおばあさんは、毎日、毎日、朝がくると、自分の持ち物の着物の枚数を数える。
毎日、毎日・・・。
減ってはしないかと・・・。
増えていないのは、わかるけれど、減っているのが、怖いのだ・・・。
もう着ることない若い頃の・・・おばあさんが着ると醜悪にしか見えない着物を羽織る。

毎日、毎日、数えるだけ・・・。
一枚・・・二枚・・・。
綺麗な古い着物・・・。
たぶん、おばあさんが、一番好きな・・・。


私も似たようなことをやっている。
数が少ないから、数えたりは、しないけれども・・・。
買い集めたチープな宝飾品を、箱から出して、飽かず眺める。
小さな小さなゴミクズのようなダイヤモンドを光に翳し、小さな小さな七色の光を見つけては、うっとりと眺めている・・・毎晩・・・毎晩・・・。

なんだか、おままごとのように・・・無意味なそして、沈みゆくような日々を過ごしている・・・この頃。