テレビのニュースを見ていたら、麻生財務大臣が来年度の予算案が大型になった原因を、「コロナのおかげ」と発言したのでビックリした。「おかげ」は「おかげ様」というように、神様仏様のたすけに対する感謝の気持ちと私は理解していた。
そこから、人から受けた恩とか力ぞえに感謝する時も、「おかげ様で」と表現してきたのだろう。だから「コロナのおかげ」と聞いた時は、とても違和感があった。麻生大臣は大久保利通を高祖父、吉田茂を祖父という良家の生まれだ。私よりも年上だから、幼い時から「おかげ様」は感謝の気持ちを表す言葉として使ってきたはずだ。
でも、言葉は時代と共に変化するから、私が古臭いのかも知れない。私の娘たちが中学生とか高校生になった時、この地方の方言を使うのでビックリしたことがある。おそらく友だち同士で話す時、方言がより親しくさせたのだろう。
言葉は文化でもあるから、「コロナのおかげ」という表現を否定することは出来ないかも知れない。年上の人を名前で呼ぶ習慣は我が家には無かったが、人は皆平等という観点から見れば、年上であっても呼び捨てで不思議ではない。
ただ、自分が使ってきた言葉は変えられないもので、違う使い方をされるとどうしても戸惑ってしまう。今の子どもたちは、女の子でも「オレ」と言うし、男の子に「オマエ」とか「キサマ」とか言う。男の子も女の子も同じ表現が男女平等だとするなら仕方ないことだが、年寄りの私にはどうしても違和感が残る。