喫茶店で男性が6人、打ち合わせをしていた。耳を澄ませて聞いていると、どうやら3月に行う親睦会についてのようだった。「はっきり決まったら、カレンダーに書いておかないとダメだ」とリーダーの男性が言うと、「カレンダーに書いたことを忘れてしまう」とひとりが愚痴る。「ああ、昨日何やったかも覚えとらん」とみんなで笑う。
「誰でもそうさ。だからちゃんとカレンダーに書いておく必要がある」とまたリーダーが言う。「文書にして回しても、『もらっとらん』という人がいるから困るわ」と続けると、「会議に来ないので電話かけると、『今日だったか』と忘れとる」と次々にみんなが話し出す。そこでまたリーダーが「だからカレンダーにちゃんと書いておく必要がある」と強調すると、「カレンダーに書いたことを忘れてしまう」「ああ、昨日何やったかも覚えとらん」と、みんなで笑う。
その話、もう3度目ですよ。全く同じパターンの繰り返しなのに誰も気付かないのだろうか。他人事なのに、そばにいる私の方がやきもきする。「80歳を超えてもこうやってみんなに連れて行ってもらえるのだからありがたいわ」と言っていた。どういう集まりなのかと思っていると、喫茶店のママが「どういう会?」と聞いていた。「昭和12年生まれの会だが」とリーダーが答えていた。
私もこの街の昭和19年4月から20年3月までの生まれの人たちの親睦会の世話人をしているが、傍から見たらこの人たちと変わらないかも知れない。2月24日に集まりを開くが、送迎してくれるホテルがあるというので、今回は思い切ってそこで開くことにした。毎年40人ほどが集まるが今回はまだ30人ほどしか申し込みが無い。「いつもと同じでは面白くない」と言う割には参加者が少ない。
中学のクラス会も延び延びになっているが、今年は開かれるのだろうか。世話人がいろいろ思案しても、なかなか参加者を増やすのは難しい。「減ることはあっても増えることはない」からこそ、「続ける意味がある」と思っているが、やはり参加者が少ないと気が滅入る。